第26話 山賊やってるだけあって残念な連中だったようで
「野郎ども!やっちまえ!」
月並みな台詞を吐き襲い掛かってくる山賊。しかしルーシアは杖術で突き、受け、叩き、払い、山賊共をばったばったとなぎ倒す。
ルーシアは武闘派の父親により幼少の頃から体術を仕込まれており、魔法の適性があることが分かってからは杖を用いた格闘術、杖術も身に付けていた。さらに軽めの身体強化の魔法も併せて使用しているため、生身のゴロツキ程度の人間など相手ではなかった。
立っている山賊が減ってきたところで山賊その2が乗客の若い女を人質に取りルーシアに脅しをかける。
「お、おい、大人しくしろ!こいつがどうなゴボッ?!」
ルーシアは即座に山賊その2のほうへ右の手のひらを向けると水魔法を発動させ、その頭部を水球で包み込む。溺れ苦しむ山賊その2が人質から手を離した隙に手を引き救い出す。
「何ィ?!無詠唱の魔法だとッ?!このガキ調子に乗りやがって!」
山賊頭の側近っぽい男が叫ぶ。ここまでやられて格の違いを理解できない辺り、頭の中身が残念な奴らだと再確認できる。
山賊その2が気を失って倒れた所で頭部の水球が弾け、水魔法が解除される。残っているのは山賊の頭っぽい男とその側近っぽい男の二人だけ。
「く、ちょっとはやるようだな!だが調子に乗りすぎたようだ。俺様を本気で怒らせたことを後悔するがいい!」
「そうだぞ!頭は火の魔法が使えるんだ!お前みたいなちんちくりんはあっという間に丸コゲだぜ!」
(・・・ちんちくりん言うな。って、火の魔法って言ったか?無詠唱がどうこうとか、こいつら魔法のこと分かってないな?)
山賊頭が手のひらに力を込めるようなポーズを取り、何やらブツブツ言い始めた。
「炎よ我が手に集いてかの者を地獄の業火で焼き尽くせ・・・ファイヤー・・・」
(・・・へー詠唱?マジで詠唱するんだ。まぁいいやとっとと終わらそう。)
冷やかな視線を山賊頭に向けつつルーシアが指をパチッと鳴らすと山賊頭の直上から滝のような水が降り注ぎ、ジュッという音と共に発生しかけていた炎は無事消火された。
「かッ頭ァ?!んゴッ?!」
側近に向け魔杖を飛ばし、側頭部にぶつけて倒す。間髪入れずびしょ濡れの山賊頭を冷魔法で凍らせ、動きを止める。これで山賊共は全員制圧した。




