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第25話 中央大陸は治安が悪いようで

ヒャッハァ!

中央大陸に着いたルーシアは、早速山賊に絡まれていた。中央大陸北岸から南岸へ抜ける街道を走る乗合馬車に乗っていたのだが、山岳地帯に差し掛かったところで山賊に襲われるというお約束的な展開である。護衛の冒険者も二人いたのだが山賊の数が多く、忽ち伸されてしまった。


 「全員馬車から降りろォ!荷物も降ろせェ!」


 山賊の頭っぽい男が叫ぶと、他の乗客が怯えながら馬車から降りる。ルーシアもやれやれといった感じで魔杖を持ち馬車から降りた。


 魔杖から手を放すと、それは宙に浮きルーシアの側で静止した。それを見た山賊の一人はテンション高く叫んだ。


 「おい、珍しい杖を持ったガキがいるぜ!コイツぁ高く売れそうだ!」


 (・・・やれやれ、杖を浮かせて持つ意味が通じなかったか。)


 杖を浮かせて保持するには、杖と使用者を同調させなければならず、高性能の魔杖とそれを使いこなす高い魔力がなければ出来ない。魔法使いにとって手放しで杖を操ることはステータスであり、〈自分は高位の魔法使いである〉という意思表示でもある。そしてそれはこの山賊共には通用しなかったようだ。


 「おいお前、フードを取れ!」


 山賊その1がルーシアのフードを乱暴に取ると、エルフの少女の姿が暴かれる。


 「エルフの女のガキだ!こいつァ奴隷商行き決定だァ!高く売れるぜ!お前ら殺すなよ?!おっとその前にこの杖は頂くぜ!」


 山賊その1が魔杖を掴んだ瞬間、パキィィィンという音と共に身体全体が凍り付いた。山賊共が慌てふためく。凍り付いた山賊その1からルーシアが魔杖を取り上げると、山賊その1は凍り付いたままその場ごろんと倒れた。そしてゆっくりと、鋭い視線を山賊共に投げかける。


 「・・・やれやれ。人のモノに勝手に手を出すから。覚悟は出来てる?」


 こいつはヤバイ奴だと察した山賊がルーシア狙いを定め一気に襲い掛かる。


 「野郎ども、やっちまえ!」


 

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