第22話 人探しの依頼は達成という事で
「あのォ~ご歓談中恐れ入ります・・・」
マルファが遠慮しがちに手を挙げる。あぁそういえばいたっけ、みたいな表情の姉妹。あまりにも失礼である。
「確認なんですが、ナターシャ様の人探しの依頼は達成ということでよろしいでしょうか・・・?」
「うん!おねーちゃんに会えたからね!ありがとう!」
「ありがとうございます!これで無事に年を越せそうです!では、ギルドに依頼達成の報告に行きますね。ナターシャ様、これにサインお願いします!」
ナターシャが冒険者ギルドの書類にサインを済ませたところで。さて、カフェで一息つきナターシャを説得することが出来たのは良いものの、彼女を家に帰さなければならない。一人で帰すワケにはいかないので、護衛依頼を出すためルーシアらも冒険者ギルドへ行くことにした。
* ⁑ ⁂ ⁑ * ⁑ ⁂ ⁑ * ⁑ ⁂ ⁑ *
冒険者ギルトに着くと、中には男が二人いた。かなり疲れ切った様子の二人はどうやらルーシアが途中で倒した冒険者のようだ。マルファが二人に気付き声を掛ける。
「テリー!ドリー!遅かったわね、何かあったの?!」
(あーあいつらテリーとドリーって言うんだ。とりあえず知らんぷりしとこう。)
「依頼のエルフ女を探すのに街道を張ってたらよ、いきなり襲われて気絶しちまってさ。それで夕方目覚めて慌てて夜通し歩いてきたってワケよ。」
ルーシアに疑いの視線を向けるマルファ。痛いほど視線を感じつつあくまでシラを切り通すつもりのルーシア。まぁ疑っても仕方ないとマルファが二人に語りかける。
「生きていたならそれでいいわ。依頼は達成できたから。これで報酬もバッチリよ!」
「マジか!?てことは、そこの女・・・っとすまねぇ、女性の方が・・・あー!確かに手配書にそっくりだ!」
依頼達成の報を受けて途端にテンション爆上げのテリーとドリー。と同時にあの下手くそな絵そっくりと言われ殺気立つルーシア。どういうセンスしてんだと思いつつも妹が描いてくれたものなのだからと心を落ち着けた。そして二人組もこれだけ元気なら道中で頭突いた怪我も大丈夫だろうと少し安心した。
「ねー?わたしの絵上手でしょう!ね?おねーちゃん?」
「・・・ぉ、ぉぅ。見つかりたくなかったんだけどね。妹が探していたのなら仕方ない。世話になった。」
依頼達成の報告にカウンターへ向かう一行に、ルーシアがさらに言葉を続ける。
「・・・あぁ、そうそうマルファさんとそのお連れさん。あなたが探していたイリューシャ・グランセリウスという人物は、依頼達成の報告をしたらきれいさっぱり忘れる事。いいね?」
圧をかけ凄むルーシア。冷や汗たらたらのマルファはただ首を縦に振るだけであった。テリーとドリーは不思議そうな表情であったが。




