第21話 妹はようやく納得してくれたようで
「・・・魔法学校はどうするの?」
「やめる!退学する!おねーちゃんについてく!!」
どこまでもシスコンな妹である。ルーシアとしては魔法の素質が高い妹には魔法学校でしっかり学んで貰いたいところである。大体両親がそんなこと許すはずはないが、家でヘンにへそ曲げられても面倒なので、ルーシアは一考し、ナターシャにこう切り出した。
「・・・お姉ちゃんとしては、魔法学校で沢山勉強して凄い魔法いっぱい使えるようになったナターシャを見てみたいなー。でもそうかー魔法学校辞めちゃうのかーお姉ちゃんがっかりだなーナターシャのことキライになっちゃうかも?」
一気に絶望的な表情になるナターシャ。おねーちゃんに嫌われるのは流石に効いたようだ。さらにルーシアが言葉を続ける。
「・・・お姉ちゃんみたいに魔法大学まで行って、大学院まで進学して、凄い魔法をいっぱい身に付けて立派になったナターシャを見てたいなーそしたらお姉ちゃんナターシャのことすっごく好きになっちゃうかも?」
「えっ?!本当に?!魔法の勉強頑張ったらわたしのことすごく好きになる?!」
一気に表情が反転するナターシャ。姉に好かれるとなれば魔法学校に通い続けるしかない。姉も好物には弱かったが、なんともチョロい姉妹である。
「・・・うん。立派な魔術師になったナターシャの姿、お姉ちゃんは楽しみにしてるよ。」
「よーし、じゃあ魔法の勉強頑張っておねーちゃんをビックリさせちゃうんだからー!」
しめしめといった感じでちょっと悪い顔になるルーシア。もちろん妹には分からないように顔は背けている。それに長く学校に通っているうちにシスコン熱も冷めるかもという期待もある。
「・・・それに、年に何回かは帰ってこなきゃならないしね。」
「あー。冷の精れもごっ」
また余計な事を言い出しそうになったナターシャの口にシュークリームを突っ込み黙らせる。精霊に会えるのは寵愛を受けている者ただ一人だ。そんなのがこんな所にいたら騒ぎになる。
冷の精霊の寵愛を受けているルーシアは、北大陸に棲みついている冷の精霊に会うことで、冷魔法の力を維持している。自分にとって全く有り難みが無い力とはいえ、精霊の寵愛を受けるなど滅多にないのだからと受け入れてきた。そしてこれからもこの強大な力を利用し行使し続けるために受け入れるつもりでいる。
「・・・そう。年に何回かは帰ってくる。だから、お姉ちゃんをあったかーい南国に行かせて?」
「むー。まーマギで働き始めたときから別居してたから、今さらでもないか・・・帰ってきたらおねーちゃん成分めいっぱい吸収するんだから!」
どうやらナターシャは納得してくれたようだ・・・。




