第20話 おねーちゃんも凄い人だったようで
「へっ?!氷龍の牙?!それって国宝級のアイテムじゃない!あ・・・あなたがた一体何者なの?!」
聞いてたマルファが驚いて椅子から転げ落ちそうになった。しまった!と露骨にマズそうな顔をするルーシア。そんなことは気にも留めずナターシャが口を開く。
「んとねーおねーちゃんはねードラもごっ」
何か言いかけたナターシャの口にパンケーキを突っ込み黙らせるルーシア。こんなところにドラゴンスレイヤーがいるなんて誰かに聞かれたら面倒臭いことになるのは間違いない。
「・・・あたしはただのE級冒険者です。いいね?」
凄味を効かせてマルファに迫るルーシア。マルファはただこくこくと頷くだけだった。
ここでルーシアは妹の説得にかかる。
「・・・ところでナターシャ、あたしは中央大陸に渡る。寒く辛い生活に別れを告げる。これだけは理解して。」
「えー!寒けりゃ厚着すりゃいいじゃん!運動もすれば寒くても身体ポカポカだよ?!」
これだから冷え症に理解の無いヤツはと思いつつも、言葉を続ける。
「・・・これ以上寒いところに住んでいたらお姉ちゃん死んじゃう。凍死しちゃう。それでもいいの?」
「えー?なんだかんだ言ってこの年まで生きてるじゃん。だからこれからも大丈夫だよ!あったか魔道具シリーズもいっぱい作ったじゃん。」
(・・・分かってない。根本的に冷え症の辛さを理解してない・・・そういうのナシで生活したいんだよあたしは!)
「・・・そういうのに頼らないと冬の日常生活もままならないの、あたしは。それだけで人生ハンデ負ってるの。分かる?」
「わかんない!」
「・・・分かんなくても構わないけど、とにかくお姉ちゃんは南国に移住するから。」
「じゃーわたしも行くー!!」
「・・・魔法学校はどうするの?」
「やめる!退学する!おねーちゃんについてく!!」




