第19話 お金の出所は国宝級アイテムだったようで
港でのひと騒動の後。ルーシアとナターシャ、おまけにマルファと、ひとまずカフェに入りおやつでも食べながら話をすることにした。
「・・・よくあたしの居場所を突き止めたわね。どうして分かったの?」
「おねーちゃんのコトだから、東方諸島へ行くのはウソだなーって。きっと暖かい南のほうに行くハズだけど、素直にジーマリングから船に乗るとも思えなくて、ズースに行く街道に目を付けてたら、昨日の夜おねーちゃんの魔力反応を感知したからきっとココだなーって。」
おねーちゃんの考えはお見通しよと言わんばかりにペラペラと良くしゃべるナターシャ。さすがシスコン妹、良く把握していらっしゃる。
「そ、そうか、そこまで行動を読まれちゃうとお姉ちゃん参っちゃうなーあはは。」
そのままジーマリングから船に乗るつもりで来たルーシアは、姉の行動を深読みし、酔って放った氷魔法を感知した妹に少し恐怖し戦慄した。
「・・・で、ナターシャ。冒険者を雇うにしてもお金が要るでしょ。どうしたの?」
「んとね、おねーちゃんの部屋にあった牙みたいなのを売ったの。」
「・・・こら。勝手に人の物売るんじゃない。で、あたしの部屋にあった牙みたいなの・・・?まさか・・・」
「うん。なんの牙か確信はないけど、多分アレのヤツでしょ?」
「やっぱり氷龍の牙?!売っちゃったの?!」
「うん。そんなに大きくなかったけど高く売れたよー!だから、余った分はおねーちゃんに返すね!」
「・・・待て、アレはだな、短剣作った余りの部分で、小さいモノなら作れるかなーって取っておいたんだが・・・」
「へっ?!氷龍の牙?!それって国宝級のアイテムじゃない!あ・・・あなたがた一体何者なの?!」
聞いてたマルファが驚いて椅子から転げ落ちそうになった。
ルーシアは過去に氷龍を討伐した際、素材として持ち帰った牙で護身用の短剣を作ってもらったが、ちょっと余ったのでそのうち何かに使えるかも?程度に取っておいて自室に飾っていたまま置いてきてしまった。なお角も素材として持ち帰り、魔杖に加工してもらった。いま布に包み隠し持ち歩いている長物こそ当にソレである。




