第15話 依頼主は身内だったようで
・・・依頼主は誰?」
「こういうのは言ってはいけないの分かってるわよね?でも大丈夫、あなたの妹さんです!」
冒険者としてこういう依頼の場合、依頼主は秘匿されるのが慣例である。依頼主がターゲットに対し明かしても構わないという場合は別であるが。
「・・・言ってるじゃん。」
「あああ!またヘマったぁ!!」
(何なんだこいつは。)
ひとまず開放して話を聞くことにしたルーシア。ちょっと間抜けな追跡者の女はマルファと名乗り、弓使いのDランク冒険者だという。
「それにしてもこんな手練れだなんて、聞いてなかったわよ・・・何者よあなた。」
「・・・妹から何も聞いてないの?」
「お姉さんを探すのを手伝って欲しいとだけ。それ以外は人相書きと、長い杖を持っている、とだけ。」
下手くそな人相書きも出され、ルーシアはこの絵が妹のものであることを思い出した。
(・・・そういやあの子、昔あたしの似顔絵描いてくれたっけな。魔法の上達は凄かったけど、絵は上手くならなかったか。)
他にも話を聞くと、市場で一瞬だけフードを取ったルーシアを見かけて確信したこと、道中で倒した男二人もこの女と同じパーティーの冒険者とのことだ。
「・・・で、私の妹を名乗る依頼主の名前は?」
「ナターシャ様です!」
「・・・間違いないか。で、ナターシャは今どこに?」
「船着き場にいると思います。来て頂けますか?!」
(こんな所まで来ちゃったのか・・・仕方ない、とりあえず会うだけ会うか。)
「・・・分かった、行こう。」
マルファらのパーティーはランクが低いため、命の危険が無い農作業の依頼を受けるためクーレシアにやってきた。農作業が終わり中央大陸へ帰ろうかというときに、ナターシャの人探しの依頼を見つけ、これも命の危険が無いと踏み受けたようだ。その捜索対象がまさか高位の魔導士であることは想定外だったようだ。
船着き場に着くと、確かにナターシャがいた。マルファの姿を見つけたナターシャはすぐ声を掛ける。
「マルファさん!おねーちゃんの手がかりは・・・あー!!」
一緒に現れたルーシアの姿を見てナターシャは叫んだ。




