第14話 追跡者はちょっと残念な奴だったようで
付けられていることに気付いたルーシアは、追跡者を路地に誘い込むことにした。
「?!いない!」
「動くな。目的は何だ?」
影に隠れていたルーシアが低い姿勢で背後から追跡者の服を掴み、長物を喉元に突き立て低く押し殺した声で誰何する。
「ヒィッ?!ご・・・ごめんなさい、その、あなたに危害を加えるつもりは無いの!」
(女?!こいつも雇われの冒険者か?)
「・・・もう一度聞く。目的は何だ?」
「あ、あなた、イリューシャさんで間違いないかしら?」
恐る恐る女の追手が問いかけるがルーシアは冷静だ。
(・・・やっぱり追手か。ごまかすしかないか。)
「違う。他を当たって。大人しく離れるならこちらも危害を加えない。」
喉元に付きつけられた長物に力が入る。
「あああやめてやめて!!お願いだから依頼主に会うだけ会って!!」
「・・・大体、人に会ってくれって言うなら尾行する必要は無く普通に声を掛ければ良いのでは?」
「っは!それもそうよね・・・なんで尾行しようと思ったのかしら?」
(・・・大丈夫かコイツ?)
「それじゃ人違いってことで。グッバイアディオスさようなら。」
「あああ!ちょっと待って!依頼主から長い杖を持ってるって聞いてて、他にそんな人いないんだからぁ!」
(・・・ちっもう誤魔化しは効かないか。)
「・・・依頼主は誰?」
「こういうのは言ってはいけないの分かってるわよね?でも大丈夫、あなたの妹さんです!」
「・・・言ってるじゃん。」
「あああ!またヘマったぁ!!」
(・・・何なんだこいつは。)




