第12話 野宿の朝はやっぱり寒かったようで
東の空がうっすらと明るくなる夜明け前、肩と手足の冷えでルーシアは目覚めた。
同時に二日酔いの頭痛が襲う。
(いたたた・・・そうか、甘芋のお酒を呑んでそのまま寝てしまったか、不覚・・・。手足がガッチリ冷えて痛い・・・)
肩と手は毛布の中に引っ込めてしまえば何とかなるが、靴を履いたままの足はどうにもならない。耳の方はフードのおかげで痛むほどつめたくはなっていなかった。ルーシアは自らの冷え性対策のため、マギ在籍時に魔力保温手袋と靴下を開発し商品化までした。しかしこれから南国に行くのに必要ないし、まさかこんなところで野宿することになるとも思っていなかった。荷物を減らすためとはいえ持ってこなかったことを後悔すると共に、自分を選ばなかった熱の精霊をちょっと恨んだ。
見張りを押し付けられ一晩中起きてたホーが、もそもそ動き出したルーシアに気付き声を掛ける。
「おはようございます。寒いですよね、どうぞ火に当たってください。」
ちょっとやつれた感じだが、一晩中火を絶やさずちゃんと見張りをしててくれたようだ。
「・・・おはようございます。見張りお疲れ様。ありがとう。」
早速手足を火に当てるルーシア。まどろみと頭痛の混濁の中、仕事はせねばと索敵魔法を展開する。近くに小動物、おそらくウサギが近くにいる。ルーシアは右手の人差し指を出し、くるっと回す。するとルーシアの得物である長物が宙に浮いた。人差し指を獲物がいるであろう方向へひゅっと向けると、長物もその方向を向き先端から氷の矢が放たれた。
「ホーさん、多分ウサギが何かだと思う。朝ごはんになるかな?」
ホーは魔法が発動する一連の流れを見て驚愕の表情を浮かべていたが、はっと我に返り氷の矢が放たれた方へ向かうと、正に矢に貫かれたウサギが横たわっていた。獲物をあっけなく仕留めたルーシアに関心しつつウサギを持ち帰ったところでハマーも目覚めたようだ。
「お、朝から景気がいいな!これで何か温かいモノでも作るか!」
(・・・ハマーさん器用だし、おまかせしちゃおうか。)
ハマーがウサギ鍋を作ってくれた。




