第546話2戦目
「とりゃあぁぁぁぁ」
ウィリィンの男子の急所を狙った一撃はうまく心臓へと到達し、破壊することに成功した。
そのまま男子はばったりと倒れ、死に、魂再に入った。
「ふう、ふう、何とか勝てた・・・」
出力の部分に大きな差を感じる戦いであった。
ウィリィンの攻撃ではしっかりと生身に当たればダメージが入るものの、大剣や身体で防御されてしまうとふらつかせることすら難しかった。
まあ、ウィリィンももう少し溜めることができる時間があれば守りを突破できるだけの火力を出すことが叶っていた可能性は高いが、それを許さないだけの攻撃を男子はウィリィンに対して行ってきていた。
まあ、これに関してはウィリィンの方は少し掠めただけで大きくダメージを受けるし、まともにあたりでもしたら身体が真っ二つになってしまう。
その上、ウィリィンの力では基本競り勝てないどころか、逸らすのですらかなり厳しかったので、回避による対処を強要されていた。
その中でよく相手の弱点を見出し勝てたといったところであるが、次戦えば対策されて負けそうである。
「かぁあああ、負けちまったぁぁぁ。
ウィリィンすげえな。
小指落とされたぐらいなら全然持てると思ったんだけどな。
全然力入らなかったわ。
次は同じ手は喰わないように対策しておくぜ。
楽しかった、ありがとうな」
「強かったです。
次も勝てるように頑張ります。
ありがとうございました」
ウィリィンは魂再し終えた男子と握手を交わして、結界の中から出た。
もう片方はまだ戦闘中のようであるが、結界内部の様子を伺うことはできない。
「対策はできない、か」
戦っている様子を見ることができればその様子からどう立ち回ればいいのかを考えて戦略を練ることができるのだが、いや、情報を持っている人はいる。
一緒に出てきた男子の方を見やるが、話しかけようと思ったぐらいで戦いが終了したようで、中の2人が出てきた。
「お、どっちが勝ったんだ?」
「負けたよ、あいつ、つええわ。
お前は?」
「お、聞いちゃう?
実は負けちゃいました」
「ん?マジ?」
「マジマジ」
「ギャハハハ。
ウケる、これ、相手が相手じゃないと皆信じねえぞ。
ぷくくくくくく」
2人は腹を抱えて笑い始めた。
少し離れた女子の方もウィリィンが勝つとは思っていなかったようで、驚いた表情を浮べている。
「ほんとそれな。
だけど、お前もきっとおんなじ目に会うぜ?
というか、会ってくれ」
「その感じ、たまたま負けたってわけじゃなさそうだしな。
仇は討ってやるぜ」
「おう。
負けてもいいぞ」
そんな感じでゲラゲラと笑い合っているのをウィリィンは遠目から眺める。
会話の輪に入る勇気はなく、うまく戦闘スタイルとかを聞き出そうかと思っていたが、話しかけるタイミングを失ってしまったので、諦めることにした。
そして、すぐ次の準備のセットアップが開始され、今度は女子の方の子と戦うように指示され、結界の中へと誘導された。
「こういうタイプの授業、なかなかスケジュールがタイトでおしゃべりする余裕がほぼ無いのよね。
さっき、お話しようと思ったんだけど、時間が足りなかったわ。
ということでウィリィン、いい戦いにしましょう?」
「・・・?
あ、はい、頑張ります」
最初、前半の話をする時間が無かった件といい戦いにするの2つについて結び付けがよく分からず、返答が遅れたが、これは戦いで語り合おうという話だと理解した。
そして、2人が戦闘態勢に入ったのを確認すると、戦闘開始の合図が宣言された。
「っ!?」
開始と同時に石の礫によるけん制をかけようとしたウィリィンであるが、地面が変動していることを読み取り、その場から退避する。
その直後、石の針山がウィリィンのいた場所に生成されており、串刺しにされるところであった。
ウィリィンはお返しと言わんばかりに魔法を女子に向かって放つが、今度は石の壁が生成されて、攻撃は全て受け止められてしまった。
「これはご挨拶。
ここからもっと行くわよっ」
「こっちからも攻めるっ」
女子は続けざまに地面から針山を生み出し、並行して石の礫による射撃も行ってくる。
ウィリィンはそれらを回避しつつも、魔法を打ち込み、防御を強要させていく。
だが、それらは全て同様に防がれる。
ウィリィンの攻撃の密度に合わせて適切な量の壁を展開、移動し、対処をしてくる。
だが、対処のしようがないわけでもなく、石を操作している都合上、制約が存在する。
「っ、凄いわ。
こんなに色々な方法で対処されるのは初めてねっ」
ウィリィンは攻防の中で何個か方法を変えて、対処し、女子にダメージを複数回与えることに成功した。
1つに爆破を起こすことで石自体を吹き飛ばし、操作を難しくする方法。
破壊するほどの威力は無いが、防ごうとしていた攻撃をずらして受け止められえなくするぐらいの効果はあり、意表を付くことができた。
特に爆弾自体を石に貼り付かせておけば任意のタイミングで爆破できるため、取り回しが良かった。




