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その四
[永田、立て」
と、ぼくは言った。
「お前の口から言ってみろ。どうしてこんな真似をしたんだ」
手首をつかみ、ゆっくりと腕をひく。
「……アンタに、バスケ部に戻ってきて欲しかったから」
「そうか」神妙な面持ちでぼくは頷く。そして、ついさっき思いついたような顔をしてこう言った。
「なあ、永田。お前いま、部室の鍵もってるか?」
「部室の鍵?」
意外な顔で、永田は問い返す。
「文芸部の鍵じゃないぞ。バスケ部の鍵だ。なければそのシム型の鍵でこじあけてくれ」
いつか、永田がしてくれたように。ぼくは永田の手を引きコートへと連れ出した。
「──ワン・オア・ワンをやろう。お前が勝ったらぼくはバスケ部に戻ってやる」




