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その四
職員室がにわかにざわめきだす。遠巻きに好奇の視線が突き刺さり、だからこそぼくは、教頭の机のど真ん中に平手をうって、声高に強く叫んでやった。
「いいですか? たとえばいまごろ、どこかのだれかが、ひどく打ちのめされて、塩漬けになったピクルスのようにへこたれたぼくたちを見てほくそ笑んでいるのかもしれない。あなただってもしかしたら、そのうちのひとりかもしれない。それなら、ぼくは言ってやる。いいか、ぼくたちはここに宣言してやる。お前たちがぼくたちを何度叩きのめそうと、嘲笑と侮蔑によって、何度この膝に砂をつけようとも、ぼくたちはけっして屈しないと」
やがて教頭は腹を切る武士のように苦悶の声をあげた。
眉間に、指の腹を強く押し当てる。
押し当てて、
押し当てて、
押し当てて、
爪のふちまで指のさきを白くしたところで、ようやく「……西城先生」と特進クラスの担任の名を呼んだ。
そのときぼくは実感した。
他ならぬぼくたちの手で、とまっていた時間が動き出そうとしていることを。




