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その二
ここで、ぼくのシナリオの中身について軽く紹介しておこうと思う。
これは、ヒーローの物語だ。
そして、選択の物語でもある。
主人公である田中英雄の夢は、ヒーローになることだった。
それは、子供の絵空事のような夢だった。周囲からは馬鹿にされ、気づけば英雄自身もいつの間にかその夢を忘れてしまうような、くだらない夢だった。
死んだように毎日を生きる英雄は、ある日ひとりの転校生と出会う。
──わたしの夢は、ヒーローになることだ!
その女の子は、
向こうみずともいえる実直さをもち、
高飛車かつ傲慢で、
おまけにとぐろのように性格のねじ曲がった女の子だった。
──お前も手伝え! 田中英雄!
その女の子は、
深紅のマフラーを首にさげ、
腰にはお手製の変身ベルトを身に着けた、
とても、あたまのおかしな女の子だった。
一目見て、英雄は思った。
こいつとは、知り合いにならない方がいいと。
今後の学生生活を平穏無事に送りたいのであれば、無視を決め込むのが賢いやり方だと。
しかし、結局のところ田中英雄は伸ばされた手を掴んでしまうのであった。
なぜかって?
なぜだろう?
それは、英雄にはわからない。
そしてきっと、俺自身にだってわからない。
──今は、まだ。




