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神様の後始末  作者: まるす


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101/107

第101話 「よぉ、兄ちゃん」

 空にかざした拳を下ろしたルーイの視界の端を、何かが素早く横切った。

 服屋と隣の建物の間の小道、とも呼べないような細い路地を何かが、まるで猫のようにするっと入っていったのだ。

 ついで、がらがらと金物が落ちるような音が鳴り響いた。


「?」


 ルーイが首を傾げていると、往来を慌ただしく駆ける、いかにもな様子の破落戸(ごろつき)たちが現れた。


「いたか!?」

「こっちにはいねぇぞ!」

「くそっ! どこ行きやがった!」


 人目もはばからない馬鹿丸出しの大声は、ルーイの耳にもしっかりと届いていた。

 破落戸(ごろつき)たちは忙しなく辺りを見回している。

 誰の目から見ても、関わり合いになりたくない集団であることは明らかで、通りを歩く人々はその集団を避けるように行き交っている。


(厄介ごとか)


 そう感じながらもルーイは視線を向けていた。

 関わり合いになりたくはないが、初めての王都で気分が舞い上がっているのも事実だ。

 喧嘩と花火は王都の華、と何かの本で見たことがあったような気もする。

 これが噂のそれか、と凝視していると、破落戸(ごろつき)たちの中でも、一際背の高い男と目が合ってしまった。

 騒ぎ立てるその他大勢の男たちとは、明らかに纏っている空気が違う。そう感じたルーイが咄嗟に目を逸らすも時既に遅し。

 男は往来を歩く人々の間を縫うように、ルーイへと近付いてきた。


「よぉ、兄ちゃん」


 声色で察する。()()()は絶対にまともな奴じゃない。

 ルーイの野性的な勘がそう告げていたが、ここで無視を決め込むようであれば、更に事態はややこしくなるだろう。


 数瞬前の自分の失態を悔いながらも、なるべく下手に出て穏便にを済ませようと決意し、ルーイは男の声に答えた。

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