ダチュラ団
ダチュラ団幹部の三人がファビュラスの三人へ向かってくる。
個人戦を好むレイ達は自然と散開し、それに合わせるように幹部達も別々の方向へ向かっていく。
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「僕の相手は君か〜。何だか陰気くさい感じだね〜」
ポートは自分の元へやって来たボーンに対し、挑発とも取れる言葉を投げかける。
しかしボーンは何も答えず、ただ眠そうな目でポートを見つめているだけだった。
「は〜。こりゃまた面倒くさそうだね」
ポートは余裕そうに振る舞っているが、実際にはかなり疲弊している。
全身から汗が吹き出しており、脇腹を痛めているのか、さりげなく手を添えて痛みを抑えていた。
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「あなたの相手は私がします」
カードの前に現れたのは、黒人の大男ウォーだった。
「はっ、一番強そうな奴を引いちまったな」
カードはそう言いながらも、むしろ嬉しそうに口元を歪める。
「サム様のためにも、あなたをここで倒させてもらいます!」
ウォーは丁寧な口調のまま闘志を漲らせ、カードへ向かって駆け出す。
「上等だ!」
カードも額の汗を拭うと、棍棒と盾を構えながらウォーへ向かって走り出した。
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「ヒッヒッヒッ。お前、さっきまであれだけの人数と戦ってたってのに余裕そうじゃねぇか」
最後の組み合わせはレイとクッパだった。
クッパは、他の二人と違って疲労した様子を見せないレイを不思議そうに眺める。
「僕もあの二人ほどじゃないけど疲れてはいるんだよ……」
レイは自信なさげな声で答える。
「ただ、僕の能力のおかげで攻撃を避けたりする必要がないから、その分スタミナを消費しなくて済んでるだけかな……」
おどおどした表情と弱々しい口調。
初めてレイを見る者なら、彼が超能隊最強と呼ばれる人物だとはとても思わないだろう。
「ヒッヒッヒッ、残念だったな」
クッパは不気味な笑みを浮かべる。
「お前の能力の弱点はもう聞いてるんだよ。お前はここで死ぬことになるぜ」
自信満々に言い放つクッパ。
だがレイの表情は最初から怯えているようにしか見えず、その言葉を聞いても特に変化はなかった。
「そうなんだね……」
レイは小さく呟く。
そして手に持った鎌を構えると、一歩、また一歩とクッパへ向かって歩き始めた。
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カードは武器を持たずに走ってくるウォーに対し、右手に持つ棍棒を振り下ろす。
棍棒はウォーの首に触れると、何の抵抗もなく頭と胴体を分断した。
しかし、切断されたウォーの頭は水となって地面へと溶けていく。
すると胴体の首元から大量の水が溢れ出し、再び首と頭を形作る。
気が付けば、そこには無傷のウォーが立っていた。
「体を水に変える能力か?」
カードは能力を推測する。
しかしウォーは首を横に振った。
「少し違う」
そう言うと、ウォーは抜き手でカードの胸元を貫こうとする。
カードは左手の盾を構えて防御する。
次の瞬間。
まるで鋼鉄の杭で殴られたかのような衝撃が盾を襲い、カードの身体は後方へ吹き飛ばされた。
「なるほどな。自分の体を液状化したり硬質化したりできるってわけか」
派手に吹き飛ばされたものの、盾で防いだおかげでダメージはほとんど無いようだ。
「その通りだ」
ウォーは淡々と答える。
「お前の攻撃は全て無効化できる。そして私の攻撃はお前に届く。勝敗は既に決まっている」
ウォーは自信満々に勝利を宣言する。
「へっ、あんまり舐めてくれるなよ」
カードは苦笑いを浮かべながらも、その闘志は全く衰えていなかった。
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「ヒッヒッヒッ、僕の可愛いペットを見せてあげるよ」
「喰喰」
クッパが両腕を広げる。
すると地面から、黄色い球体に目と口だけが付いたような魔物が大量に現れた。
「ヒッヒッヒッ、パクパク。行け」
キャキャキャキャ!
命令を受けたパクパク達は一斉にレイへ襲いかかる。
レイは手に持つ鎌を振るい、次々とパクパクを切り捨てていく。
しかし倒しても倒しても、新たなパクパクが湧き出るように押し寄せてくる。
レイが前方の敵を切り払っている隙に、一匹のパクパクが背後へ回り込む。
大きく口を開き、レイへ噛みつこうとした。
「霊化」
だがパクパクはレイの身体をすり抜け、そのまま前方にいた仲間のパクパクへ食らいついてしまう。
「ヒッヒッヒッ、使ったな?」
クッパは口角を吊り上げる。
するとパクパク達はレイを取り囲み、休む間もなく襲いかかり始めた。
レイは能力を維持したまま前方へ進み、クッパへ向かおうとする。
しかし、一向に包囲網から抜け出せない。
やがてレイは能力を解除し、鎌を振るって周囲のパクパクを吹き飛ばす。
だが鎌の届かない位置にいたパクパク達が、一斉にレイへ噛みついた。
「っ……!」
身体中から血が流れ落ちる。
「真っ直ぐ進んでたと思ったんだけどな……」
レイはクッパへ向かっていたつもりだった。
しかし周囲を埋め尽くすパクパク達のせいで方向感覚を狂わされ、実際には真横へ進んでいたらしい。
パクパク達の猛攻は止まらない。
レイは再び能力を発動し、一旦後退して体勢を立て直す。
「ヒッヒッヒッ! お前の能力の弱点は調べがついてるんだよ!」
クッパは勝ち誇ったように叫ぶ。
「お前は能力を連続で十秒以上使うと、一瞬だけインターバルが必要になる! その隙を突けば終わりってわけだ!」
自身の策が上手くはまったことに満足しているようだ。
「はぁ……」
レイは小さく息を吐く。
「僕の能力がそこまで知られてるとは思わなかったよ」
驚いたように呟いた後、深呼吸をして呼吸を整える。
「疲れるからあんまりやりたくないんだけど……」
レイは鎌を握り直す。
そして。
今までの自信なさげな表情が、ほんの少しだけ引き締まった。
「僕が何で皆に最強って呼ばれてるのか、教えてあげるよ」
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ポートとボーンの戦闘は既に始まっていた。
ポートは瞬間移動を駆使し、ボーンの死角から次々と攻撃を仕掛けていく。
しかし、その攻撃はボーンが全身を隙間なく覆う骨の鎧によって全て弾かれていた。
さらに、攻撃が弾かれるたびに鎧から鋭い骨が突き出し、ポートへ襲いかかる。
反撃を避けるためにも、ポートはその都度瞬間移動を使わなければならなかった。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
ボーンから距離を取ったポートは、膝に手をつきながら呼吸を整える。
「アンタを倒すのは骨が折れそうだね〜。こういう時は頭を使わないと」
そう言い終えると、ポートは再び瞬間移動で姿を消した。
ボーンは警戒するように周囲へ目を向ける。
しかし、今回の狙いはボーンではなかった。
「頭の首を取れば俺らの勝ちだ!」
ポートはサムの背後へ瞬間移動していた。
そのまま手に持つナイフで背中を刺そうとする。
――カンッ!
だが、サムの身体もいつの間にか骨の鎧で覆われていた。
ポートのナイフは弾かれてしまう。
さらに次の瞬間。
サムの身体から鋭い骨が何本も突き出した。
「っ!?」
反撃を予想していなかったポートは対応が遅れる。
胸を狙って伸びてきた骨を避けきれず、脇腹を貫かれてしまった。
「残念だったな」
サムは口髭を撫でながら笑う。
「俺への攻撃は予想していたよ」
「くっ……!」
ポートは即座に瞬間移動で距離を取る。
だが着地すると片膝をつき、脇腹を押さえた。
傷は浅くない。
「終わりだ」
ボーンは静かに右手をポートへ向ける。
次の瞬間。
無数の鋭い骨が一斉に放たれ、ポートへ襲いかかった。




