反乱分子
薄暗い部屋の中に、多くの人物が集まっていた。
部屋の中央にはコピが立っている。
「皆さん、お集まりいただきありがとうございます」
コピは両手を広げ、大げさな身振りで話し始める。
「ここにいる皆さんは、この超国に不満を抱く者たち。そして私もまた、この超国を潰したいと考えております」
集まった者たちは黙って耳を傾けている。
「ですが私一人では力が足りません。そのため私は長い時間をかけて財を蓄えました。皆さんには活躍に応じた報酬をお支払いしましょう」
コピは口元に笑みを浮かべた。
「では、今回参加していただく方々を紹介させていただきます」
コピは一人の女性へ視線を向ける。
「紫毒団団長、ポイン・エルセム。百人規模の盗賊を率いる新進気鋭の盗賊団ですね。結成間もないにも関わらず、ここまで勢力を拡大した手腕は流石です」
紫髪のパーマが特徴の女性だった。
長い前髪に隠れており表情は見えない。
続いてコピは三人組を見る。
「殺し屋三兄弟。末弟ヘア・セージ、次男ピード・セージ、長男ロック・セージ」
コピは三人を順番に指差した。
「依頼達成率百パーセント。業界では知らぬ者はいないほどの凄腕ですね」
「こ、今回の相手は超能隊でヤンスよね?」
末弟のヘアが不安そうに口を開く。
髪は膝下まで伸びており、青い服を全身に纏っている。
「流石に超能隊を相手にするのはヤバいでヤンスよ……」
「落ち着けでザンス」
黄色い服を着たピードが肩を叩く。
後ろ髪だけがパーマになった独特な髪型をしている。
「今回の任務は殺しじゃないザンス」
「そうだガンス」
赤い服を着たロックが腕を組んだまま口を開く。
坊主頭に筋肉質な体。
三兄弟の中で最も威圧感がある。
「失敗するような内容ではないガンス」
コピは満足そうに頷いた。
「続いて、超国最大規模の盗賊団ダチュラ団頭目、サム・コルダン」
細い目とちょび髭を持つ男が鼻を鳴らす。
見るからに胡散臭い男だった。
「最近、傘下の盗賊たちが超能隊に捕らえられていましたね。救出作戦も必要でしょうか?」
「別にどうでもいい」
サムは即答した。
「そんなことより――」
鋭い視線がコピに向く。
「お前の目的は何だ?」
部屋の空気が少し張り詰める。
「残念ですが」
コピは笑顔を崩さない。
「あなたの能力への対策はしていますよ」
「……」
サムは無言になる。
能力で真意を探ろうとしていたことを見抜かれたのだ。
「もっとも、能力を使わずとも答えます」
コピは両手を広げる。
「私の目的は皆さんと同じです」
笑顔のまま続けた。
「超能隊の破滅ですよ」
「チッ」
サムは舌打ちをすると、それ以上は追及しなかった。
「最後に――」
コピは一人の男を見る。
「元超能隊所属、イゾウ・オカ」
黒髪のちょんまげ。
左目には眼帯。
腰には刀を差している。
「現在は流浪人として各地を渡り歩いておりますが、今回の作戦に参加していただきました」
「前金をたんまり貰ったからのう」
イゾウは胡座をかいたまま答える。
「金額分の働きはさせてもらうぜよ」
コピは満足そうに頷いた。
「これほどの面々に協力していただけることを光栄に思います」
部屋の中央へ歩きながら続ける。
「今回の目標は超国の中枢を担う超能隊。その戦力を崩壊させることです」
集まった者たちの視線がコピへ集中する。
「決行は明後日」
コピは指を一本立てた。
「超能隊の戦力を分散させるため、皆さんには各門を襲撃していただきます」
北門。
「紫毒団」
南門。
「セージ三兄弟」
西門。
「ダチュラ団」
東門。
「イゾウさん」
コピは全員を見渡す。
「以上の配置でお願いします」
「で、お前はどうするんだ?」
サムが再び口を開いた。
コピは笑う。
「私は手薄になった街へ攻め込みます」
その笑みはどこか狂気を帯びていた。
「街に混乱を生み出し、超能隊をさらに追い詰める」
そして両手を合わせる。
「皆さんの力で超国を潰しましょう」
パチン。
指を鳴らした瞬間。
コピの姿はその場から消え去った。
残された者たちは、それぞれの思惑を胸に静かに席を立つ。
明後日。
超国を揺るがす大規模襲撃が始まろうとしていた。




