フレンの身に起こった悲劇
今回は状況をちゃんと分かるように書けたと思います!
楽しんでください!
シラリアと別れた後のこと
「シラリア!ここは任せなさい。」
シラリアがこちらを気に掛けながら、走り去っていくのを見送った。
目の前には未だ無数に湧き出る雑兵が雪崩れ込んでいる。
「チッ、こいつら無限かよ。」
悪態くらいつかせてくれ。殲滅すること自体は造作もないが単純に面倒だ。
後ろには荘厳な館がある。
しかしその壁には数多の傷が付き、正面の大扉に至っては壊されて中が丸見えだ。
中には心配そうに、こちらを見つめるフレンの姿があった。
もし何かが起こって結界が破れる何てことないだろうな。そう危惧してしまう。
「フレン!今すぐ奥行って隠れてろ!」
万が一に備えすべてに対応できるようにしたかった。そのためそう指示した。
「無理だよ!こんなところに安全な場所はここしかないんでしょ!未来に何かあったら助けられるのは私だけなのよ!」
ふっ、私の心配してくれるのか。優しすぎるな、少しは非常な考えを持つのも大事だな。
「おっと!背後を取ろうとしても無駄だ。」
敵は私を取り囲み、バラバラに攻撃してきた。統率も取れていないところを見るとこいつら素人だな。
武器も剣や槍、接近戦専用の武器ばかり。遠くから弓でもあれば少し面倒だった。
こいつらを率いてるのは誰だ?こんな素人を送り込んで何がしたい?
突き出される攻撃を悠々と躱しながら聞いてみるか。
「お前らは誰の差し金で来た?目的は?」
まあ答えないだろうと高を括っていた。
「我らは偉大な王に直々に命令を受け取ったのだ。この森に住む貴様らを殺せとな!」
誰が答えたか分からないがそう聞こえてきた。
「殺せ!」「王の命令のままに!」そんなことを口々に言いだした。
人数が多い為、合唱のように聞こえる。こっちは統率が取れているようだ。
まあ、所詮は雑魚だ。声が大きくても実力を伴わなければ意味がない。
次々に考えもなく向かってくるので殺りやすい。
武器を躱し、脳天に強烈な一撃を与える。
大体は死ぬか、意識を失う。最も戦闘不能にさえできればいい。
名付けるなら脳天陥没拳ってところか、…ありきたりだが。
しかし面倒なのが頭に被り物をしてる奴等だな。その場合顔面か腕を折る必要性が出てくる。
「しかし、いつまでこの作業を続ければいいのか…退屈になるな。」
「ふぁ~」と欠伸が出そうだがさすがに我慢した。それで虚を突かれては堪らないからな。
「きゃー!!!」
後ろからフレンの声がした。
「フレン!大丈夫か!」
後ろを向くのは難しかったので、視界の端でフレンの方を見た。
見えたのは館の中に充満するかのように広がるピンクの煙だった。
「フレン!返事をしてくれ!」
叫び声より後に声が一切しなかった。
敵の狙いが初めから誰だったのか、そんなことは分からない。
しかし、何故かフレンが叫んでから次々と敵が退いて行った。
これが偶然か?まんまと奴らの思い通りに事を運ばれたのでは?
そんな疑問が渦巻く。
しかしフレンの様子を確認しなければ。
さっきまでの喧騒が嘘のように静謐だった。聞こえるのは気絶又は死んだ敵の崩れる音。
それと靴が汗か血か、何らかの液が混ざりあった所を、グジャと踏み抜く音だけ。
やはり私だとあっさり館の中に入れた。
煙が広がりきって、フレンが中心に倒れ込んでいるのが見えた。
「フレン!生きてるか?脈は……ある。」
フレンは立ったまま倒れたわけではなく、徐々に倒れ込んだような姿勢で倒れていた。
すぐに腕を持ち、脈を確認すると脈は打っていた。心臓も瞳孔も確認したが特に不自然な所は見られなかった。
まるで眠っている。そんな感じだ。
「ここに置きっぱなしというわけにもいかないな。」
フレンの体に異常がないか確認して、お姫様抱っこのような形で近くの部屋に運んだ。
私もシラリアに同じことをされたが、これは緊急事態だからな。
その部屋は広い割に何も無く、ただツインベッドが奥にあるだけだった。
フレンを寝かせるのに特化したような部屋だ。
寝かせてから再度、生きているかどうか、異常はないかの確認をしようとした。
脈を測ろうと、腕を水平にして橈骨動脈を触ろうとした。
「ボコッ、ボコボコボコ」
謎の異音がフレンから聞こえた。
まるで何かが湧き上がっているような、そんな音だった。
驚いてフレンの方を見ると中心、心臓があるであろう所に謎の液体が噴出していた。
血かと思ったが、色は青色でドロドロとしていた。
その液体が中心から下半身、両腕、頭に向かって動いていた。
まるで生き物。両胸、首から頭へと山登りをするかのように乗り越えていた。
「何なの?こんなもの見たことが無い!」
気味が悪かった。だが同時に興味深いと思ってしまった。
触ってみたい、サンプルとして回収したい、人体にどんな影響を及ぼすのか研究したい。
そんな私情が私の意識を混濁させた。
「馬鹿か!今はそんなことを考えてる場合では無い!」
すぐに羽織っていた白衣を破るように脱ぎ、体全体に広がろうとしている液体を拭いとる。
しかし液体の浸食の方が早かった。白衣が液体まみれになって持つことすら難しくなっている間に、全身を液体が覆っていた。
まるで青色のスライムを全身に塗りたくったように見える。
だがこの液体は誰が打ち込んで、どういった効果があるかすら分からない危険物だ。
「ボゴン!ボゴン!ボゴン!ボゴン!ボゴン!」
覆ったかと思うと、突然液体が爆発したような音を立て、丸いイボが集合したかのような塊になった。
最近読んでくれてる人が多くて嬉しいです!!!
この調子でもっと多くの人に読んでもらえるようになるため頑張ります!




