能力者の存在
今回は新たな展開になります、ありきたりかもしれませんが、楽しんで貰えたら嬉しいです!
「こんなところよ。」
一通り未来から話を聞いた。
感想としては私自身の不甲斐なさと、あまりにも現実離れした出来事で、混乱していた。
「つまり、その煙がフレンの身体をこんな風にしたってことでいいのかしら?」
「ああ、そうだ。私の油断が引き起こした事案という訳だ。」
未来は私が思っているよりもこの件を重く考えているのか。本来は私が守るべきだった。ペラのことで頭がいっぱいだったのは反省しないと。
しかしそれよりも今はフレンだ。この状態が何なのかを特定しないと…そうだ!
「ギル!千里眼でこのイボの中を見れる?」
何物にも干渉を受けずに、見ることのできる千里眼ならフレンがどうなっているかを見られるのでは?と考えた。
「多分見えるとは思う、少し後ろに下がっててくれ。」
フレンの顔がどこからか見えないかと、覗き込んでいた私を邪魔呼ばわりされてしまった。
側に椅子を持ってきて座っていた未来も一応私の隣まで退避した。
「いくぞ・・・開眼しろ!我が主の命を受け継ぎし常軌の逸脱し力よ!」
深く息を吸い込んだかと思えば、呪文ともいえる文言を詠唱し始めた。
顔は見えないが、首筋に汗を流しているのを見ると、私たちが考えているより大変なのだろう。
どんな顔をしているのか覗き込んでやりたいが、さすがに自重しよう。
「見えた!確かにイボの中に人が入ってるな。」
「フレンはどうなってる!生きているか?」
「静かにしてくれ!調整が難しいんだよ!・・・とりあえず心臓は動いてるな。」
とりあえずそれが聞けただけで嬉しかった、生きている可能性が増えたということだ。
「それと外傷なんかは見当たらないし、寝息すら聞こえるぞ。」
寝息?
「そんなまさか、呼吸音を聞こうと耳を近づけてもゴポゴポとしか聞こえなかったというのに?」
未来がギルの左を横切り、フレンの口元付近に耳を近づける。
私も反対側から聞こうとするが何も聞こえない。
「ギルと言ったか、君は見えるだけではなく、音も聞こえるのか?」
ギルは少し考えた感じで顎に手を置いている。
「いや、合ってはいるが少し違う。説明しやすいように千里眼と言ったが正しくは『完全五感』つまり集中することで五感を最高出力で使うことが出来る。」
これは驚いた、まさか視覚だけじゃなく聴覚・味覚・嗅覚・触覚全てとはね。
「勿論デメリットは完全に集中できる場合しか使えないことだ。あとこの力は体力も著しく削られるからな、あんまり使いたくはないんだよ。」
あまりにも突拍子なことで唖然としてしまった。小説で出てくるような異能を持つ者がいるなんて。
ここにペラがいたら目を輝かせて凄い凄い!と連呼してただろうな。
隣にいる未来ですら興味津々な顔になってるし。
「で?そんな力があることを話しちゃっていいの?内緒にしないと研究対象にされない?」
「俺はお前らを信頼してるからな、そんなことをしない奴等だって。」
目の前に一番拘束して実験したそうにしてるのいるけどね。
「お前たちには言っておくが、この世界には能力者と呼ばれる常人離れした奴らが居る。」
能力者?確かに今見せてもらったのは常人離れしていたが、こんな能力を持った奴らが他にもいるって言うの?
だがそんな話1度も見聞きしたことが無い。妄言…ってことはないか。
「初耳よ、確かに旧世界には魔法が存在したって言われてるけど。まさか家系で引き継がれていたってこと?」
「私も初耳だ、この世界はまだまだ奥が深そうだな。」
「そりゃそうだろうな。見つかったら何されるか分かったもんじゃない。必死に能力を隠して生きているんだよ。」
なるほど?つまり私たちの知らない所で能力は使われている。
そしてバレないようひっそりと生きている…か。
「じゃあペラの錬金術も能力ってこと?」
「多分そうだろうな。もし錬金術が開発されてるなら金の価値もガタ落ちしてるだろうよ。」
まあそうよね、だからこそ私たちは金で買い物が出来ていた…ということは他に錬金術を扱う者はいない?
「私たちの科学力を持ってしても、金を生み出すことは出来ていない。」
考えることが多すぎて頭がパンクしそう。
「それとな?俺がなんでこんな話をしたか考えてみろよ。」
急に何を言ってるの?考えろ?
………「能力者が関係している?フレンの状態は何処の文献にも医術書にも載ってなかった。なら能力者が関わっている可能性が高い、そう言いたいのね。」
ようやく理解したかと言った顔でギルはこっちを見ている。
今さっき能力者の話をされて、即座に気づけるわけがない。俺はとっくに気づいてました〜、みたいな顔してるのが特に気に食わない、1発顔面に入れてやろうか。
「で?これが能力者の仕業だとしたら、どうすればフレンは元に戻るわけ?」
能力者を倒さないといけないとか、ベタな回答は期待してないけど。
・・・あれ?前に言ってた偽王のあれが能力なんだとしたら、殺すか解除させるしかないんじゃ?
「それは・・・正確には俺にもわからん。」
「はあ?どういうこと?」
「単に倒せばいいというわけではないということか。」
「そうだ。能力者ごとに解除の方法は違っている。だが共通しているのは、殺せば必ず解除されるということだ。」
それを聞いて安心した。私の得意分野だ、殺すのは大得意だからね。
「おい。今、殺すのは簡単だとか思ってないだろうな!」
えっ・・・何でバレた?
「ピュ~ピュ~」
口笛でも吹いて誤魔化そうとしてみる。自分自身でもなんて古典的な方法を取ってしまったのだろう。
「シラリア・・・いくら何でも今どきそんなことをする奴はいないと思うぞ・・・」
「全くだ・・・お前はしっかりしてんのか、馬鹿なのか分かんなくなる時があるな。」
二人から懐疑的な視線を投げかけられている。そりゃあそうでしょうね。
「そんなことより!どうすればいいのかを教えてよ。そこまで言うからには考えがあるんでしょう?」
「勿論だ、耳を貸せ。」
ギルが耳を貸せというので嫌々だが近寄ってやった。
「いいか?能力者相手に殺すというのは生半可な事じゃない。どんな能力なのか、発動条件をしっかりと調査しなければ勝つことは不可能に近い。それを心に留めておけ。」
うーん?
戦ってるときにそれを見つけるのも一つの楽しみ・・・って思えるのは私だけなのかもね。
「わかったわ、じゃあ結局何をすればいいの?」
色々言われ過ぎたせいで、結局何をするべきか分からなくなってしまった。こいつに聞くのは癪だがな。
「先ずはこのイボを発生させたのは誰なのかを探し出すべきだろう。」
これから能力者に関する情報なんかも出てきてより面白くなると思います




