異形へとなり果てたフレン
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応接間に全員集まることになった。
フレンの身に何が起こったかを聞くためである。
「ペラが飲み物運んでくるよ~、みんな何飲みたい?」
タダならぬ気配を察してか、ペラが飲み物を持ってきてくれるらしい。
確かに今回は、あまりペラに聞かせたくない内容の可能性が高い。
ペラはフレンのことを気に入っていた。
私だけはそのことに気付いていた。
・・・だからこそ羨ましくてたまらなかった。
未来がコーヒー。
ギルがジャスミン茶。
私が紅茶。
それぞれがペラに頼んだ。
ペラは逃げ出すように急いで部屋を出て行った。
「さて・・・本題に入ろうか」
さて心の準備をしなければ。
「さっきも言ったがフレンは一応というか、一旦と言うか・・・そんな状況だ。」
やはり歯切れが悪い。いつもの未来なら言葉に詰まることなく、よく切れる包丁のように言葉をスパッと切り出してくれるのに。
今の未来は言葉を慎重に選んでいる。よく吟味して話している感じがする。
「こっちも覚悟はできているわ、パッと言って頂戴。」
ギルもそれに頷いた。
「確かにそうだな。はっきり言おう、フレンは異形へと変貌した。」
は?異形?なにかのジョーク・・・って雰囲気でもない。
「オイオイ!何言ってんだ、異形ってどういうことだよ!」
コイツと思考が被るのは実に不愉快。だけど本当に異形ってどういうことなの?
「簡単だよ。人ならざる姿へ変わった、言葉の通りだが?」
「そんなことを聞いてるんじゃねえ!どんな姿になったんだって聞いたんだよ!」
「・・・2人とも覚悟はあるのか?」
ギルと顔を見合せた。
お互いに思ったことは同じだろう。そこまで酷いのか・・・。
「覚悟があるかって?勿論あるわ。大事な仲間の状態を確認するのは当然の責務よ。」
この件は私の失態に他ならない。思い詰めるのも良くは無いが・・・考えてる暇すらない。
「皆を守れなかったことは私のせいよ。フレンのことは私が何とかするわ。」
ギルは不満げな顔をこちらに向ける。
「そんなに気負う必要ないんじゃないか?もっと気楽に行こうぜ。」
何を呑気な。まあギルにとっては会ったこともない者など、どうでもいいのか。それが自然か。
「ええ、わかってるわ。ギルにとってはどうでもいいことかもね。でも私にとっては大事なのよ、暫く黙っててくれる?」
ギルは何か言いたげに口を開いたが、それを私は許さなかった。
「覚悟が無いならそこで座ってなさい。」
別に声を荒げるでもなく淡々と伝えた。こっちの方が黙ってくれるだろう。
「未来、案内してくれる?フレンの所に。」
未来は「分かった」と言うと、ここから少し離れた部屋に案内された。
「忠告として、中に入ったら声を抑えてもらえるか。フレンは私の睡眠薬で眠っている。起こしたら面倒だからな。」
理解したの意で頷き、中に入った。
中に入ると、奥のベッドに人影のようなものが見えた。部屋が薄暗くよく見えないせいかと思った。
・・・そう思いたかったの方が正しい。
近づくにつれ見えたのは、全身がイボのようなもので覆われた人型の物だった。
脳が考えを巡らせる。フレンの所に行くと言われてここに連れて来られた。
「まさか・・・これがフレンだとか言わないよね?」
恐る恐る聞くが返事は聞きたくなかった。答えは流石に分かってしまった。
「そのまさか・・・だよ。正真正銘ここにいるのはフレンだ。」
信じたくないがそれが真実らしい。
正直見るのも止めたい。だがしっかりと見なければ。
見れば見るほど気持ちが悪い。とても人には見えない。全身にボコボコと泡立つように隆起しているイボに包まれており、顔もイボに覆われているため呼吸が出来ているかが心配になる。
そもそも、これだけ体を侵食されて無事なのか?もうすでに意識を乗っ取られ自我が無いとか、安上がりなSF小説のような展開になってもおかしくない。
「未来、フレンの命は?自我は?中にいるであろうフレンは無事なの?」
未来は考え込んでいる。なんて説明をしようか悩んでいるのだろうか。
「そうだな・・・分からない。が正式な答えだ。」
「そんな!じゃあ死んでる可能性もあるって言うの⁈」
未来は黙って頷く。血の気が引いていく感覚が良く分かる。血色も悪くなっているだろう。
そう、この感覚は昔貧血を起こしたときに似ている。ふらつき後ろの壁にもたれかかる。
だがこんな所で、フラフラしてる訳にも行かない。
手の甲を額に当てる。
「悲観的になるな!まだ死んだと決まったわけじゃない!」
そうだ例え死んでいたとしても、この醜い重りだけは外してきちんと弔ってあげないと。
そのためには何故こんな事になったのか、未来に聞かなければ。
「…聞かせてくれる?どうやってフレンがこんな風にされたのか。」
「ああ…こちらも聞かせようと思っていた。」
段々良くなっていると信じたいですね。頑張ります!




