戦闘データ採取
私は一瞬の間に石造りの建物に転送させられた。
「そこは私の国で流行ってるゲームなんだが、少し改良して戦闘能力を図るものにしてみたんだ。」
どこからか未来の声がする、まるで脳内に未来がいて話しかけてるみたいな感覚がする。
「未来!?どこにいるの?」
私は急に見知らぬ場所に飛ばされた不安感から助けを求めるように呼び掛ける。
「私は外から天の声のような感じで話しかけている、これから説明するのはよく聞いて欲しい。」
それからは長々とした説明が贈られた。
無駄な部分もあったから簡単に要約すると、ここはさっきの画面の中であり闘技場の中らしい、そして私のさっきの戦いを見ていたらしいの、そこで興味がわいて戦闘のデータが欲しいと思ったそうよ。
「なるほどね、まあ別に戦闘は好きだから見せるのは構わないけど、私は刃物類がないとやる気出ないわよ。」
「そこに関しては心配しなくていい、欲しい武器を思い浮かべてくれたら脳波と連動している機械が作動してホログラムからの実体となり替わる特殊な技術を使うのでね。」
へぇ、なら試しにサーベルでも出してもらおうか、と思ったと同時と思える速さで目の前にゆっくりとサーベルが下りてきた。
まるで神から与えられるような感じで下りてきた。
「……なかなかね軽く振った感じもまるで本物だしよく研ぎ澄まされてるわ。」
「気に入ってもらえてよかった、その発明は私の手を入れてる部分だからね。」
「それで?相手は何処にいるの?」
正直このサーベルは私がこれまで見たサーベルの中でも一級品のもので早く切ってみたいとうずうずしていた。
「そうだね、そしたら右にある扉を開けて入ったら一気に闘技場のステージだから。」
私は足早に扉を開けた、するとやはり白に包まれた、と思った頃には闘技場の真ん中にいた。
恐らくここは円形闘技場をもとに作られていると考える、なぜなら円形状に観客がいるからだ。
「お前が俺の相手か!」
あまりにも大きな声がするのでそっちを見ると、いかにも戦闘をする者と言わんばかりに盛り上がった肉体を持つ男がいた。
「何?あなたが私の相手?いかにも筋肉バカって感じで張り合いなさそうだけどまぁいっか。」
「俺をなめてもらっては困る!この肉体に刃物など歯が立たんぞ!」
「どうでもいいけど、これっていつ始まるの?」
「何も知らない小娘など一瞬で沈めてくれる!」
男はいきなりこちらに向かって突進してくる、私にとってはナメクジも同じだ。
スパッ
「がはっ!」
私は振り下ろしてきた腕を切り落としてやった。
「う、腕が!俺の腕が!」
「そっちから攻撃してきて腕落とされるなんてとんだ間抜けね、あはは!」
私は痛そうに苦しんで腕のあったところを抑えている男を笑ってやった、あまりにも惨めで滑稽だったからだ。
しかしここがゲームの世界と思わされるのは、腕を切っても一切血が出ないことである。
男は笑っている私を見て目を血走らせ睨みつけてくる。
「貴様!ただじゃ済まさんぞ!貴様の息の根を止めてくれる!」
また性懲りもなく私に向かって走ってくる、愚かすぎる。
スパッ
ついでだからもう一本も切ってあげた。
「そんな一辺倒なやり方で勝てると思ってるの?本当に馬鹿なのね。」
「この小娘がぁぁぁ!」
そう言い残して前方にドスンと重い音を立てて倒れた。
「なるほど……なかなか興味深いデータが取れたな。」
「こんなものでよかったの?まだ全然本気すら出してないお遊びみたいなものだったけど?」
「十分すぎるくらいだ、今からこちらに引き戻すから暫く目を瞑っていてくれ。」
「分かったわ。」
私はそういわれて目を瞑る。
「もう開けてもいいよ。」
そういわれて目を開ける、画面に吸い込まれる前と同じ部屋の景色があった。
「ちゃんと戻してくれたのね、戻さなかったらどうしようかと思ったわ。」
「私がそんな非人道的なことをすると思うか?」
「勿論そんなことは思ってないけどね、私は人を見る目があるから信頼できるかどうかが本能で分かるのよ……まぁフレンに関しては完全に騙されたけどね。」
「それは私から見れば非科学的な根拠だけどね。」
「まぁそうね、明確な根拠は何もないわ。」
この人を見かけで判断するという力はおそらくたくさんの本や書物で色んな人間を見たことで身についたものだと思ってるわ、なんならこの人はこういう性格だと当てるのも楽しんでることもあるし。
「そろそろ二人を呼びに行こうか、貴女にもここを案内してあげよう。」




