AI研究の考え
「確かに私もここに興味がわいてきたわ、見たことも想像もしなかったものがあるもの。」
「そう、ここは人間の思い描いた想像の世界や、便利となるように改良された機械が作られる所だ。」
「例えば貴女はこの世界で俗にいうコミュ症を患っていたようだが、今はどうだ?」
確かに私も不思議に思っていた、あったはずのコミュ症が消えて通常時でも会話ができるようになっている、あれは精神からくるものだから治るわけないとあきらめていたのに。
「ええ、どういうわけかすっかりなくなって未来と普通に話ができてるわ。」
「ふっふっふ……それこそが私たちの至高の発明の一つだ、病の撲滅の第一歩だ!」
「じゃあ未来がこれを治したっていうの!?」
「貴女ここに来る前にあの男から紅茶を貰わなかった?」
そういえば確かに飲んだ気がする、あの時はそれどころじゃなくて気にしてもいなかったけど。
「ええ、飲んだわ、あれに何か秘密が?」
「貴女がコミュ症というのは知ってたからね、善意としてそれに効く特効薬を混ぜておくようにいっておいた、余計だったら謝るが?」
「いえ、ありがたい限りよ、おかげで体が軽くなった気がするわ。」
「それは良かった、じゃあここを紹介しよう。」
私は未来についていき部屋を後にする。
廊下に出ると明るさが眩しいと思いながら手で目を覆っていると一人の研究者がこちらに向かって走ってきた。
「所長!ついに新しい病に対する特効薬の試薬が完成しました!後ほど動物実験の結果を報告いたします。」
「分かった、良い報告を楽しみにしてるわよ。」
研究者は嬉しそうに戻っていった。
「あら、部下には優しいのね。」
「こっちの素っ気ない感じの方が素なだけ、部下たちには行動を最大限に発揮してもらうために優しくするのは当然のことだ。」
私は未来が冷たい態度なので超精巧なロボットかと疑ってたけど、優しい心を持った人間でよかったわ。
「そもそもこの場所もただの廊下じゃない、定期的に自動で掃除されるようにしてあるし、天井からは完璧な空調管理ができるようにしてある。」
「へぇ~、自動で温度と湿度を調整してくれるのはいいわね、私たちのところにも欲しいくらいだわ。」
「欲しいなら設備を整えてあげてもいいけど配線や電気回路を一から組むことになるから、館を総工事する事になるから半日はかかるね。」
「そんな早くできるの?分かってると思うけど結構広いよ?私の館。」
私は自分の住んでいる館には全てにおいて自信を持っている。
「私たちは壁を壊すことなく透過システムを使ってAI技術に作業させるからね、さらさら私たちが作業する必要はない。」
「AIって何のこと?何かのイニシャルか略語?」
「ホログラムは知ってるのにそんなことは知らないのか。」
「えっとね……そういうFS系の本とか用語とかは現実に起こるはずがないと思ってたからパラパラ読んで終わってたからね、ホログラムは偶々開いたページに説明が乗ってたから読んだだけなのよ。」
「なるほど……わかって無いと思って話した方がよさそうだ、じゃあきっちり教えてやる。」
「ええ、頼むわ。」
「AIってのはartificial intelligenceの略、人工知能のことで……ってそれも分からないか、人工知能っていうのは機械が人間と同等、又はそれを超えた知能を持った機械のことって思ってもらえればいい、私の見解だけど人間だと確定しない行動も確定で安定させてくれる、人間の究極体だと思ってる、いや……なんなら人間を超えた存在としてそこにいるといった感じか。」
「AIって言うのは人間なの?」
「私にとっては人間として扱うようにしてる、今私の国ではAIを人型のデコイに搭載してあらゆる仕事や雑務をさせてるけど懸念されてるのはAIの反乱、いずれ私たち人間を上回ってしまうのではと言われているが、私はそれを絶対に起こさないためには人間と同様に扱うことが大切なのだと思っている。」
「へぇ、一理あるわね、物には大事にされれば魂が宿るなんて考え方もあるくらいだからそれを応用すればありえるかもね。」
私はその話にはかなり関心が沸いた。
「AIはここでは当たり前のように使われてるが、ほら、あそこ見て。」
未来が指さす方を見ると研究者に料理を渡す配達員のような人間がいた。
「もしかしてあれが?嘘でしょう、どこからどう見ても人間の動きよ!」
「人間はそう動くと教えてるからね、それを自身で考えて周りの動きを真似してさらに人間味が増している。」
「なめてたわ、完全に舐めてた、確かにあそこまで人間そっくりだったら恐怖心を覚えるのは分かるわね。」
「私にとってはそう思ってもらえばもらえるほど鼻が高いよ。」
「AIのことはその辺にして、もっと歩こうか。」




