研究所1
さっきから青白い空間に入りすぎて眩暈がしてくる、意外とたどり着くまでに体が無重力空間のように低速回転をしているので早くたどり着いて欲しいと願うばかり。
「お~い!シラリア~」
後ろからペラののんびりとした声が聞こえてくる、どうやらペラ達に追いつかれたらしい。
そのまま三人の塊となった。
ペラとフレンは逸れないようにと手をつないでいたので私もそうする。
ペラの手はとても暖かい。
そしていつものように突然空間から放り出される。
手をつないでいたせいで投げ出されたときに転んだような体勢に三人ともなる。
ふっと顔を上げると、そこは私の知っている世界ではなかった。
部屋全体が薄暗いがさっきの部屋よりは明らかに材質も違い広さも比べ物にならない、何かの文字や記号の羅列が壁?いや、何かによって映し出されているような感覚がする。
そこには人も何人かいて全員が白い服を身に纏い何が何だかわからないが、皆必死に機械のようなものを操作していたり、液体を調合している者もいる。
「お待ちしておりました。」
呆気に取られているとさっきの元執事が目の前に現れた、しかしなにか違和感を感じる……。
「どうでしたか、私目のホログラムは。」
「やっと姿を見せたわね!彼方は誰よ!」
そういえば二人はこの人の正体を知らないんだった。
フレンが今にも胸ぐらを掴みそうな勢いなフレンを腕力で無理やり制止させて、今の気になった部分を問う。
「どういうこと?ホログラムってことはさっきのは偽物だったってこと?」
「ほう、シラリア様はホログラムが何か知っているのですか、賢くなりましたなぁ。」
(私のことをそこまで馬鹿だとでも思ってるのならむかつくわね)
「ちょっと!私たちにもそれが何なのか教えてよ!」
後ろで黙って聞いていた二人がいよいよついてこれなくなって話をさえぎってきた。
「ホログラムってのは虚構のことであるものをまるで本当にそこに存在しているかのように見せるSFとかの技術よ、まさか本当にあるなんてね。」
「その通りでございます、先ほどの私目は所謂ホログラム、偽物でした。」
私に見破られたのが嬉しいかのように笑いながら認めた。
「そろそろ本題に入りましょうか、三人をお連れいたしました。」
元執事が後ろを振り返りそう呼びかけると
奥から白衣を身にまとった謎の女性が現れた。
「やっとか…待ちすぎて寝てしまいそうだった…」
私が先陣を切って問いをぶつける。
「あなたは誰?」
「まぁそう思うだろう、私はここの責任者であり科学者だ。」
「科学者…名前は聞いたことあるわ、神を否定して人知の栄光を留まることなく追求しようとする人の事ね。」
「そんな人種みたいに分類されたら困る、私たちは神を否定するのではなく、あらゆる不可思議な現象をなんでも神のせいにする愚民と違い立派にメカニズムを探究し真理に近づくことが目的の職種だ。」
すっごく元気に語り始めちゃった…
「勿論このことが愚民達に知られては研究などしている場合ではなくなるので、こういったスペースを作り上げて活動している。」
「ここはどこにあるのよ、まさかここにも出口はないの?」
「出口なんてものは人類が勝手に呼称してるだけの入口だ、なのでここには入口しか存在しない。」
(うわぁ…面倒くさい人ね、ペラとフレンもさっきから石になったように、黙りになっちゃたし)
「じゃあ入口は何処にあるのよ!」
私も苛立ちを隠さずさっさと言えと、言う感じを押し付けた。
「入口なら今君たちが通ってきたところだよ、ここには外界と繋がる入口は無いからね。」
「まさか今の空間が入口だって言うの?!」
「我々の存在を容易に見つけられては困るのでね、少々手間はかかるが最も安全に作業ができるのだよ。」
「ありえないわ、あんな空間なんかが起こって閉じ込められたらどうするつもりなのよ!全然安全じゃないわ!」
「私の科学力を舐めてもらっちゃ困る、この扉が壊れたことは今まで一度もないし、これからも99,9パーセント壊れることは無い。」
「0,01パーセントの確率で壊れるんじゃない!」
「勘違いしないで欲しい、100パーセントは言い切ることは未来を見ない限り分かりうるはずがない為、99,9パーセントと言っているだけだ。」
「それより本題を話したいのだがよろしいか。」
(とりあえずさっさと話を聞いて帰してもらうか)
「ええ良いわよ。」
(いや、せっかくの貴重な客だ少し意見を聞こうか)
「なら少し移動しよう。」
「移動するの?」
「ちょっと色々見てもらいたいものもあるのでね。」
「ふーん、まぁ良いわ2人とも行くわよ……ってあれ?いつ居なくなったのよ!」
ふと後ろを振り向いてみるといたはずの2人の姿がない。
「一体どこに行ったのよ!」




