第15話 悪魔退治へ
「ところで、先から例の悪魔だのって言ってましたけど何のことですか?」
白煙を上げて倒れているドロワットのことは一旦置いておき、ジュノンに気になっていたことを訊ねた。ドロワットやセザルという司祭も悪魔という言葉を俺達に――というよりモンドに対して――使っていた。
「ええ……、実はこの町にとびっきりの悪魔が入り込んだようなの。それで町中に感知式の結界を張っていたのだけれど……」
なるほど、それにモンドが引っかかったわけか。
「へえ、僕を悪魔なんかと勘違いしていたわけだ」
まずい、また少し怒っている雰囲気を出している。
「でも仕方ないんですよー。人間とそれ以外を分ける結界で十分と思っていたら、モンド様が来ちゃうんですから。ちゃんと連絡を頂いていたら間違わなかったのに」
「ああ、それは連絡しなかったタケシが悪いね」
「俺かよ」
それにジュノンが口を尖らせて真っ向からクレームをつけると、俺のせいにされてしまった。お前が連絡しなくて良いって言ったから、と返してやりたいが、余計な感情を刺激しないよう流すのが懸命だろう。
「その悪魔は何か悪さをしたのかい?」
「この町ではまだ。でも、他の町の人間がこの悪魔にやられているとのことで、早く見つけたいのだけれど成果は上がっていませんの。人間に化けている可能性が高いから、実際に被害が出るまで待つしかないのかしら……」
「ふむ……」
考え込むように顎に手を当てている。モンドがこの仕草をした時はロクなことがない。特に俺に対して。
そして、考えがまとまったのかポンッと手を叩いた。
「よし、タケシ。行こうか」
「一応訊くけど……、どこへ?」
「決まっているじゃないか。善行を積むために悪魔退治だよ」
やはりそう来たか。戦争の仲裁よりはマシな気がするのは感覚が麻痺しているせいだろう。
「モンド様が倒してくださるの? とてもありがたいですけど、町や人間達に被害を出さないようにできるんですか……?」
ジュノンの心配はモンドのことを知っている者としてはもっともだろう。
「あー……、俺がついて行くので心配しないでください」
「あら、じゃあ大丈夫かしら。よろしくね、タケシさん」
いつの間に信頼を勝ち取ったのかわからないが、ジュノンは納得してくれたようだ。女神の笑顔をもらったのでその期待に応えなくてはならない。
「あたしもついて行って良いですかにゃ?」
「もちろん。ミネはいつもお留守番だったからね。僕が善行を積むところを見せてあげるよ」
「わーい、やったにゃー」
ややこしいのが一人増えてしまった。ここで俺が残れと言っても通るわけがないので甘んじて受け入れるしかない。
さっそくと席を立ったモンドとミネは外へ出て行った。その際しっかりとドロワットを踏んでいたのを俺は見逃さなかった。
「それじゃドロワットも……、と思ったけどまだ動けないようね。起きたら向かわせるわ。創造主であることも説明しておくね」
カオスを極めることになるだけだからやめて欲しいと思ったが、可愛らしいウィンクの前には何も言えず、俺もドロワットをまたいでモンド達を追った。
第15話を読んで頂きありがとうございます。
第16話は6/10の17時に投稿予定です。




