表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/89

地獄だよ!本当に地獄なんだよ!

いよいよ!西東が地獄行きだ!

「いやぁ、楽しみですね。まさか西東様と地獄に行けるなんて思いもしませんでしたよ」


「あはは…… 僕もですよ」

まさか地獄に行くはめになるなんて……


西東とコガノエとクルノは地獄行きのバスに揺られながら地獄を目指突き進む。


因みにアコ達は コガノエ と クルノ を止めようとした途端に玄関の扉が開く。


そして天界のクーウェン達が中に飛び込んできた。

「離せ!西東ーー!行かないで、西東ーー!」


アコを押さえつけると直ぐにアコを天界に連れ去っていった。


「クーウェンさん、此れはいったい?」


「申し訳ありません、西東様には何も言ってはならないと言う命令ですので!」


そう言うとクーウェンはケルルロッテを連れて帰っていった。


ケルルロッテは何かを感じていたのか無言であった。


因みに地獄に行くのに何故バスなのかと言うと天界と違い決まった場所からしか入れないそうなのだ。

地獄に落ちるのは簡単だが行くのは大変だと言うから困った話だ。


バスを降りてから少し歩く。

目の前に出てきたでかい看板。



『ようこそ!七地獄のある地獄村へ』


「あの、コガノエさん?」


「何です?西東様」


「まさか?此所が地獄なんですか……?」


「あはは、違いますよ、入り口みたいな物です。元は何もない場所でしたが人間が地獄の鬼伝説を信じて勝手に観光地にしたんですよ」


そう言うと村の中に入る。

中は人気がなく見学自由の看板がたてられているだけであった。


「今は観光に来る人も居ませんからね?完全な失敗ですね」


コガノエが観光案内をしてくれている最中、クルノが大きな岩を動かし5角形の様にすると直ぐに コガノエ が術を唱え出した。

すると岩の中心に穴が出来上がった。


すると クルノ が僕に抱きついていきなりジャンプした。

「はい!チーズ」

コガノエの方を振り向くとカメラを構えて笑っている。


そしてフラッシュが光った瞬間、クルノと共に穴の中に急降下した。


「ぎゃあぁぁぁ」

慌てて西東がクルノに抱きついた。


「いやん!御兄さん、僕へのおさわりは駄目なの!」


地面に着くまでずっと クルノ にしがみついていた。

コガノエもそのあと5分ほどして降りてきた。


「おや?クルノどうしました。顔が真っ赤ですよ?」


「な、何でもないよ!」


クルノが真っ赤な顔で西東の方を向く。


「御兄さん!他の人にアンナ事したら地獄行きだからの!駄目だよ、まあ、どうしても地獄に来たいなら話は別だけどね」


少し照れくさそうにそう言うクルノを見てコガノエが笑っていた。


「西東様は罪な御方ですね。人間ならば喜んで地獄行きに出来たのに残念ですねぇ」


「生きてたらって笑えないですよ!」


そして西東の前に巨大な門が姿を現した。

天界にある物よりも遥かに巨大なその門を西東は上まで見上げる。


すると直ぐに一人の屈強な鬼が姿を現した。


「西東様、彼は私の後釜で門鬼のシシンです」


コガノエがそう言うとシシンが頭を下げた。

「後釜って言ってもまだ半人前でして、上手く門をあけられないんです」


普通は門を通る者は殆どいない。

死んだ人間は三途の川に先ず送られるからだ。

三途の川から閻魔寮に送られ裁きを待ち天国に行くことが決まれば、天界行きのエレベーターに地獄行きが決まれば、ダストシュートに投げ込まれる。


「ダストシュート!」


「はい、萌えない者も萌る者も皆、地獄に行くときはダストシュートに入れます!地獄に行けばどちらも燃えますから」


西東は色々と言いたかったが言うのを止めた。


そんな話をしていたが門が開く様子はいっこうに無かった。


「やれやれ、シシン!あれほど帰る迄に開けられるようにと言ったのに!」


「す、すみません!もう少し御待ちを!ふんぬぅぅぅ」


頑張るシシンの肩を叩きコガノエが前に出た。


「よいですか、シシン。力だけで開けようとするから開かないのです。体内の鬼力きりょくを高めてから、ゆっくり門を開くのです」


そう言うとコガノエが片手で片方の扉を軽々と開けて見せた。


「次に来るまでに確りと門鬼らしく扉を開いてくださいね。貴方はやれば出来る鬼ですから期待してますよ」


コガノエの開けた扉から中に入る。


目の前に灼熱の太陽、そして熱風。

そして!青い空に砂浜と透き通る綺麗な海!


「って!楽園じゃないか。地獄は何処にあるんですか!」


コガノエとクルノが顔を見合わす。


「「此処に」」


「西東様、人間が地獄を誤解して要るだけ何ですよ。悪い人だって死んだら下界の人間には、何も出来ません」


「なら、なんでも悪人は地獄なんだ?」


「簡単です、地獄から人間が自力で逃げるのが不可能だからです。天界と違い地獄から出るにはあの門を開ける他ありません、しかし、鬼門は門鬼の鬼力を持ってしか開けられません。閻魔様でも無理です」


うわーー、サラッとコガノエさん凄いこと言ったな。


そんな時、西東の前に不良グループが現れたのだ。


「てめぇ?西東じゃねえか!」

「ほんとだ!西東が地獄にいやがる!」


「なんで!お前達、天界で復活したんじゃ?」


西東の言葉に不良グループ笑う。


「それより!西東、俺達のパシりにしてやるからついてこいや!」


「よ、ケンちゃんさすが!西東パシりに決定」


はしゃぐ不良グループ。


「お前ら…… 御兄さんをパシリだ?上等だ!散鬼のクルノが相手になってやる!掛かってきな!」


「ああ?鬼がやたらと死者に手を出すとどうなるか分かってんのか、獄兵に捕まんだぞ!」


「獄兵?上等だ!僕が全軍まとめて相手してやるよ!」


凄まじい殺気を放つクルノ。


近くにいた獄兵がそれに気付き近寄ってくるが獄兵AとBは固まった。


地獄において、クルノ程、有名な鬼はいなかったからだ。

直ぐに仲間を呼ぼうとする獄兵Aに対してコガノエがそれをやめさせた。


「早く、死人を連れて逃げないと本当にクルノが爆発しちゃいますよ?」


「わ、わかりましたーー!」


コガノエに言われ直ぐに不良グループが獄兵に連れていかれる。


クルノをコガノエが押さえながら何とかなだめる。


「クルノ、僕の為にありがとう」


「べつに、御兄さんのためじゃないし…… 」


それから直ぐに閻魔寮に向かうエレベーターにむけて移動した。


エレベーターには、鍵が掛けられ獄兵が確りと警備をしている。


本当に大丈夫なのか、クルノとコガノエさんて確か地獄の犯罪者だったよね。


西東は ごくりっ と唾を飲む。


しかし、あっさりと通された。


「さぁ、もうすぐ閻魔様に逢えますよ」


「西東!ちゃんと礼儀正しくな?まあ、なんかあったら!閻魔ごと僕が何とかするけどね」


“ちーん”

エレベーターが閻魔寮に到着した。


いよいよ閻魔様と御対面だ! ハッキリ言って、胃が痛い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ