地獄の閻魔様?
西東が閻魔寮に着くと直ぐに閻魔の元に通された。
閻魔寮の中は全てが赤と黒で統一され、所々に金の装飾が施された通路をゆっくりと進むと広い広場が姿を現す。
そこには、裁きを待つ死者達が列をなし、小さなドアの中に一人、一人入っていく。
怯える死者が次々に消えてはやって来る。
そんな死者の姿を目の当たりにして西東は思った。
皆、凄く怯えてるけど、地獄もパラダイスなんだよなぁ?
そんな西東の顔を見たコガノエが西東に向かい小さく呟いた。
「バラしたら駄目ですよ」
「わかってますよ」
“ゴーンゴーン”
西東がそう答えた時、閻魔寮に鐘の音が鳴り響いた。
そして、放送が閻魔寮に響き渡る。
『本日の裁きは終了しました。裁き待ちの方は整理券に書かれた番号の部屋に移動してください』
そのアナウンスが三回ほど流されるとあっという間に広場から死者の姿が消える。
そして、コガノエとクルノがドアを開き西東が中に通された。
薄暗い通路が少し続き、その先に更に扉が姿を現した。
ゆっくりと扉を開いた西東の目に飛び込んできた光景に西東は言葉を失った。
真っ赤な部屋に染め上げられた部屋に歴代の閻魔大王の顔が彫られた石像が並ぶ、部屋を照らす二つの巨大な炎が鉄の器に燃えている。
その先に1つ大きな椅子が設置されているのが更に西東の恐怖心を煽る。
「西東殿、閻魔様が御見えになります。前へどうぞ」
西東がゴクリと唾をのみ込む。
巨大な影が段々と近付いてくると影が段々と小さくなる。
ん?小さくなる
そして、姿を現したのは小さな女の子であった。
髪は両方に御団子の様に真ん丸に纏められ、服装はチャイナ服のような物を来ている。
「本当にこの子が閻魔様?」
そう言い西東が声を出した瞬間、閻魔が震え出した。
「なんなのじょ!いきなり失礼ではないか!」
いきなり怒る閻魔をみて更に西東はコガノエ達を見る。
二人が頷くのをみて。
再度、閻魔を見る。
「なんじゃ!妾が小さいからか、だからそんな顔をしているのか」
「アハハ、すみません」
西東が軽く謝ると閻魔の眼が潤む。
「謝るな!頼むから謝るなぁ、うわぁぁぁ、コガノエ、コヤツは失礼だァァァ」
「ハイハイ、泣かないで下さい、それと此方が西東 大輝殿です」
「こんな、さえない奴に!コガノエ達が降参したのか!」
勝手に呼んで言いたい放題だな?
「失礼ですが閻魔様、西東殿は閻魔様が思うより、遥かに立派な御方です」
「其処までコガノエに言わすとわ?驚きじゃな?」
そう言うと閻魔は椅子に座り西東をじっくりと見る。
「ならば、妾とゲームをしようじゃないか?」
「アハハ、嫌です、すみませんがそろそろ帰ります」
「えーー!おい!西東、そんな勝手が地獄の閻魔に通じると思っているのかえ!」
西東の言葉に閻魔が驚き声をあげる。
「失礼ですが、僕は死者じゃないので閻魔様に命令されても困っちゃうんですよね」
そう答えた瞬間、コガノエが西東の肩を掴む。
「西東殿、此所は閻魔様の為にゲームを受けてもらえません?ああ見えて、閻魔様は西東殿に逢うのを楽しみにしていたんです」
「つまり?僕を知ってて知らないフリをしてるの!」
「静かに!閻魔様に聞こえてしまいます!」
西東とコガノエの話を聞いていたクルノが二人に向かって話しかける。
「閻魔の奴?今にも泣きそうだよ。僕から言うべきか迷うけどさ?二人の話ひそひそ話には、声がデカ過ぎるかな?」
「「あ!」」
「妾は閻魔じゃ、泣かぬぞ、絶対に泣かぬぞ!」
そう言う閻魔様は既に半泣きでした。
「はぁ、わかりました。でも一回だけですよ?」




