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追放アイテム士は倹約家 ─え、新しいパーティでは消耗品代をパーティ資金から出してくれるんですか!?─  作者: 藤咲理久


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第五十六話 ダンジョン蹂躙

【アンガス視点】


「ハハハハハ!! 弱い弱い弱い弱い!!!! コイツラがこんなにも弱い魔物だったとはな! 今まで俺達は何をしていたのか! ハハハハハハ!!」


 弱い!

 どいつもこいつも弱すぎる!


 ハハハハ!

 何だこれは!

 どいつもこいつも相手にならないな!!


 今俺がいるのは王都地下ダンジョンの第十階層! 今までなら一人で突出すればある程度危険を感じることもあったが……今は全く脅威を感じない!!

 ちなみに今はダンジョンに入って三日目。

 圧倒的なスピード感! 余裕すぎるなぁ! 第十階層を三日で踏破は最速記録じゃないかぁ?


 この剣は最高だ!

 持っているだけで力が湧く! スタミナポーションなんてしょぼいアイテムに頼る必要もなく、いくらでも攻撃スキルが使える!

 攻撃スキルを自由に撃てるなら、第十階層のモンスターごとき相手にならない。

 いや……今のこの剣を持った俺なら、スキルを使わなくとも全て瞬殺できる!

 あまりに弱すぎてダンジョンの通常の魔物と試練獣(ボス)との間に強さの違いを感じ取れないほど! どちらも等しくゴミだ!


 そういうわけで第十階層試練獣(ボス)戦。

 第十階層の試練獣(ボス)はケルベロス。

 ま、雑魚だろう。


「……はぁ、はぁ……すまない、遅くなった」


「いや、いい。今の俺が強すぎるんだから仕方ない」


 後ろからカルロが遅れてやってくる。

 ここまでずっと走りながら虐殺して来たからな。今の俺の速度にはカルロでさえ追いつけなかったわけだ。


「それじゃ、行くか」


「……ああ」


 息を整えたカルロと試練の間に入る。


 部屋の真ん中に出現するケルベロス。

 やはり脅威を感じんな!


「さて、さっさと死ね! 【竜殺しの呪魔剣(バルムンク)☆】!」


 今までもケルベロスには【竜殺しの呪魔剣(バルムンク)☆】を使ったことが何度もある。

 ケルベロス程の魔物なら、俺の【竜殺しの呪魔剣(バルムンク)☆】にだって反応し、致命傷を避けることが普通なのだが……はは! やっぱりこうなるか!


 聖剣の力を得た俺の圧倒的な剣速に、ケルベロスは一切反応できず三つの首全てを一度に刎ねることの成功した。


 ははは! 弱いなぁ! ケルベロス!


「よしっ! それじゃ、先に進むぞカルロ」


「ああ。流石だなアンガス」


「そうだろう? なにせ俺は聖剣に選ばれし大英雄だからなぁ!」


 気分がいい!

 今まで時間がかかっていた相手を瞬殺できるようなるってのは本当に快感だ!

 成長過程だったミスリル級まではこういう経験もよくあったが、最近では中々感じることのできなかった快感だ。


 そのまま第十一階層に進む。

 カルロのことを考えると、今日はここで一泊だな。

 ……一晩足止めか。

 ……足止めされなければいけないのは面倒だな。

 ……ふぅ。落ち着け。


 カルロと共に一晩過ごす。まぁ、寝なくて良くなったわけだが、それでも今までの習慣からか、寝ようとしている方が休まる気がして良い。


 起きたら即出発。カルロは歩きながら食えるものをつまむ。


 第十一階層の奴らもよえぇなぁ!

 はは!


 何一つ問題ない。

 圧倒的な剣で蹂躙する。


 ボス部屋へ一直線。速度重視で突破する。

 戦闘なんて意識を割くまでもない。剣を振ったら敵が死ぬ。


 後ろのカルロの気配がだんだんと遠くなっていくが、ま、ボス部屋前に着いたら待てばいいだろう。


 第十一階層の見知った魔物達を無造作に切り払っていく。

 最近はダンジョンに潜れていなかったから、本当に久しぶりだ。前回潜ったときは第八階層で引き返したから、そのときには見れなかったしな。


 ……考えるとイライラしてきたな。

 ダンジョンから出たらクラウスを殺すか。あいつが俺達の足を引っ張ったせいで苦労するハメになったわけだし。

 ……あとアルマだな。あのクズも殺そう。あいつは恐らく俺達に黙ってアイテムを使っていた。ムカつくなぁ。


 イライラした気持ちで振った剣は、異様な音と共に魔物を消し飛ばした。あー今の俺が思いっきり剣を振るとこうなるんだよなぁ。

 スキルとか関係なく、圧倒的な剣速で敵が消し飛ぶ。

 他の誰にもできないだろうこんなこと。


──そう、お前だけだ。お前だけにしかできないことだ。誇ると良い。


 そうだよなぁ! 俺こそ最も特別な存在!

 お前はよく分かっているなぁ、聖剣!


 そのまま第十一階層のボス部屋前に到着。

 しばらくカルロを待つ。

 …………ふぅ。カルロは特別だ。落ち着こう。


「……す、まない」


「いや、いい。今回も行くぞ」


 遅れてやってきたカルロは真っ先に謝罪を口にした。それならいい。


 中に入る。

 ここで出てくるのはスフィンクスだ。

 こいつも瞬殺してやろう。


「……貴様! その剣をここに持ってくるとは!」


 ……スフィンクスは魔法を唱える以外にも普通に喋れたのか。それは知らなかった。

 それにしても、これを知っているか。……そりゃそうか! このダンジョンは厄災を封印するためのものだからなぁ。ということはこの剣の性能も知っているはず。……なるほど、だからビビっているわけか。


「残念だったな。この剣がある以上てめぇは瞬殺だ!」


「馬鹿な! その剣を使うなど──」


「【竜殺しの呪魔剣(バルムンク)☆】!」


 何かを言っていたが、無視してスキルをぶっ放す。

 圧倒的速度で放たれる圧倒的超火力。


 何か喚いていた首を一撃で斬り落とす。


 弱いなぁ! スフィンクス! 弱すぎるぞ!

 そのままスフィンクスの死体は魔力に解けて消えた。


 さぁさぁ、これで久しぶりの第十二階層だなぁ!


 今日はまだまだ時間がある。

 今日中に第十三階層までは踏破したいところだ。そして、明日第十四階層と第十五階層を終え、厄災に挑む!


 そのために第十二階層を進んだ。

 初めて第十二階層に来たときは、第十一階層より強くなった敵に苦戦したものだが……本当にこれ、強くなっているか?

 今の俺にとっては第十一階層の敵も第十二階層の敵も変わらない。

 等しく雑魚。


 問題なく突き進む。


 さて、第十二階層のボスは……初めて挑むな。

 はてさて何がでてくることやら……。


 とりあえずボス部屋前で待機。カルロを待つ。

 ……待つ。

 …………待つ。

 ………………遅くないか?


「悪い、遅く、なった」


「……次はもっと急げ」


「……ああ」


 息を切らして追いついてきたカルロに短く告げ、第十二階層の試練獣(ボス)へと挑む。


 ここの試練獣(ボス)との戦いは未経験だ。

 だから、方針は一つ。


 何かをやる前に殺すことだ。

 油断してやられるような無様はさらさない。


 そう思って入った先。そこにいたのはドラゴンだった。


 ……いいじゃないか! この前のやつとは当然違うが、それでもドラゴンであることに変わりはない。

 こいつを殺して俺の実力を証明してやろう。


「貴様が厄災にその剣で挑まんとする愚か──」


「【竜殺しの呪魔剣(バルムンク)☆】!」


 おいおい、既に戦いは始まっているんだぞ? 悠長に喋っているからこうなる!


 ドラゴンは俺の攻撃に反応できず、一撃で首が落ちた。

 弱いなぁドラゴン。ご自慢の鱗も何の抵抗も感じなかったぞ?


 この調子で第十三階層だ。


 進んだ先ではまた出現する魔物のラインナップが変わったが……だめだな、やはり強さの違いは感じ取れない。

 どれもこれも同じに感じる。それだけ俺が強くなったというわけだ。


 遅れてやってくるカルロに苛立ちながら、第十三階層の試練獣(ボス)へ挑む。


 現れたのはジャバウォック。なんというか、知能が低い代わりに凶暴性と力を圧倒的に増したドラゴンのようなやつだ。


 ……ま、俺の敵では無かったな。

 こいつもドラゴン判定なのか、【竜殺しの呪魔剣(バルムンク)☆】がよく効いた。

 呪いを帯びているという鱗も容易く切り裂いて、一撃で斬り殺した。


 その後、カルロと一泊。

 明日がラストだ。


 ……そうして、その最終日。

 まずは前座。第十四階層から。


 この辺りはスライム系やアンデッド系が多くて本当に気持ち悪い。見た目の造形が悪すぎる。


 そんな気持ち悪い敵を片っ端から斬り殺し、すぐに第十四階層のボス部屋へ。

 さて、現れるのはなにかな?


 ……カルロ、遅すぎるぞ。


 カルロを待つのに時間がかかった。やってきたカルロを少しだけ叱責しボス部屋へ。


 中から現れたのは竜型の悪魔だった。

 ドラゴンとしてもサイズが巨大だし、悪魔としてみても圧倒的な魔力だ。


 こいつは恐らくかなりの強敵なのだろう。

 なにせ、俺の【竜殺しの呪魔剣(バルムンク)☆】が首に二発必要だったからな!

 このダンジョンでこんな奴は初めてだ。流石は第十四階層の試練獣(ボス)だな。

 ……恐らく、最強である俺以外には倒せない敵だろう。仮に『導の煌星』のクズ達がやってきたところで、殺されて終わりだろうな。ははっ! これが格の違いってやつだ!


 さて、そういうわけでようやく、第十五階層。最終階層だ。この先に……この厄災がいる。

 待っているが良い。俺がお前という存在の恐怖の伝説に終止符を打ってやる。

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