第20話 二つの記憶
そうこうしてるうちに時間は23時を過ぎていた。
「おじさん、今起きてるかな?亅
大栄が呟くと
「起きてると思うよ、電話かけてみなよ?亅
愛音の一言でスマホを開くが当たり前にこのスマホにおじさんの番号は入ってない。
おばあさん、愛音の連絡先すらない。
愛音のスマホを借りて電話をかけた。
3コールほどで取ったエイさん。
「おじさん、俺、大栄です亅
そう言うとエイさんは
「お〜久しぶりだな。お前さんが2012年に仕事放り投げて逃げて8年分の掃除が溜まってるぞぉ亅
と冗談混じりに言ってきた声は、
先程と、いや、エイさん達からしたら8年、
変わらず元気そうだった。
そして次の日、エイさんに会う事となった。
昨日まで会ってたエイさん、
だけどこの世界では8年経ったエイさんを見て、
「おじさん、、、白髪増えた?亅
冗談混じりに言う大栄の頭をペシっと叩き、
「8年も顔見せない馬鹿者が亅
と微笑んでた。
そして大栄、愛音、エイさん3名は、
神戸へ向かった。
神戸に着きエイさんがおばあさんに電話をする。
「オトさん神戸着いたよ亅
エイさんの手にはスマホ。
「は?!おじさんスマホ使えんの?!ガラケーでもやばかったのに!亅
と爆笑する大栄に、
「まだ若いもんには負けとらんよ亅
そう笑いながら返すエイさん、すると横から、
「私が特訓したんだよ、エイさん機械音痴過ぎて、、亅
と呆れ笑いをする愛音を横に恥ずかしそうにするエイさんだった。
そしておばあさんの家に着きインターホンを押す。
すぐに出てきたおばあさん。
「たえ、おかえり、元気だったかい?亅
おばあさんもエイさん同様、
白髪も増えて改めて8年と言う月日の長さを実感すると同時に、おばあさんの声を聞き安心する大栄だった。
そして夕方頃4人はこじんまりとした居酒屋へ入る。
愛音と初めていく居酒屋。
「やっぱ8年たったんだなぁ亅と呟く大栄。
そして新たな発見。
"愛音はお酒が飲めない"
そんな愛音を、可愛いな〜と思いながら4人は楽しそうにご飯を食べ、夜遅くに神戸を後にする。
そして京都に戻り大栄は
「この世界で俺って沖縄から出張で来てる事になってるんだよなぁ、、とりあえず一旦同僚に電話してみる亅
と、愛音とエイさんに告げて少し離れた場所で電話をかけた。
すぐに電話をとる同僚、やはり色々話を聞くとこちらにズレは一切ない。
10月8日に京都乗り込み、2日後の10月10日に現地調査の段取りはそのままだった。
同僚との電話を終え、
「今は、、沖縄戻りたくないなぁ、、、亅
そう呟き愛音とエイさんの元へ戻り同僚と話した件を愛音とエイさんに伝えると3名はホテルへ。
やはり、宿泊予約にもズレはない。
10月8日チェックイン、10月11日チェックアウト、予約はそのまま。
今日は10月9日、、京都に残れるのも残り2日。
大栄、愛音はまだ解けてない謎があった。
"何のために大栄が2010年に飛ばされたのか"
これだけが唯一の謎であった。
ホテルの部屋へ戻ろうとすると愛音が口を開いた。
「たえくん、、エイさん、、話したいことがある、できればたえくんの部屋で、いいかな?亅
大栄は二つ返事でOKを出し、3名は大栄の部屋へ。
部屋に入り愛音が椅子に座り、深呼吸をした後話し出す。
「8年前、、たえくんがこの世界に戻されたあの日、、私出勤前にホテルの裏口で着物を着た綺麗な女性に会ったの。多分、、と言うかあの人、とあさんって方だったと思う。亅
そして愛音は2人にあの日の出来事を全て話した。
話を聞き終えて大栄が深く息を吸うと、
おじさんも口を開く。
「大栄、お前2010年に飛ぶ前の記憶はあるか?亅
大栄が大きく頷くと続けておじさんは、
「ならお前には2つの世界線の記憶がある事になる、飛ばされる前の2020年の記憶、そして今戻ってきた2020年、2つの世界線の記憶だ、実は俺もそうだ、なぜかは知らんが、もう一つの記憶が俺にもある亅
そう話すエイさん。
エイさんの中にあるもう一つの記憶も、
大栄が飛ばされる前の2020年の記憶らしい。




