第19話 あの頃の約束はこれからの誓いに。
「、、さま、、、お客様、、、亅
肩を叩かれ起こされる大栄。
「お客様、ここはロビーでございます、就寝は予約したお部屋でお願いいたします。亅
係員の言葉で目が覚めた大栄。
ロビーの椅子、、
スマホを開くと、
"2020年10月8日 22時16分"
大栄は頭が混乱した。
元の世界へ戻った、
だけど、、、
あの日、2010年に飛ばされる大栄が屋上から身を乗り出したのは22時8分。
今、目が覚めると22時16分。
あの世界にいた2年間が、
ここで8分しか立ってない、、。
"夢だったのか、、、いや、、まさか、、、"
大栄は頭がぐちゃぐちゃになると同時に受付に行きカウンターに身を乗り出した。
「あの!!愛音、、鈴木愛音さんは、今どこにいますか?!亅
そう勢いよく聞かれた受付嬢は、
「あの、、そのような事にお答えすることは、、、亅
続けて大栄は、
「エイさんは?!ここのオーナーの!!亅
受付嬢は先程と同じ答えを返す。
大栄は受付嬢に頭を下げホテルを飛び出す。
向かった先は愛音の家。
昨日まで愛音を迎えたり送った家。
だけどこの世界では8年と言う年月が経っている、、。
"愛音も、もう27歳、、、"
"もう結婚して実家を離れていてもおかしくない"
"会えるのだろうか、、ましてや、、あの頃の記憶が愛音に残ってるのだろうか、、、"
そんな事を考えながら走り愛音の実家の前に。
大栄が震える指でインターホンを押そうとすると、少し離れた場所から、
ドサッ、、
何かが落ちるような音が聞こえた。
音の先に目を向けると、、、、
「たえ、、、くん、、、、亅
買い物袋を落とし、コロコロ転がるブラックコーヒーのそばには、
先程まで19歳だった、
だけど今は、27歳になった、
綺麗な大人の姿をした愛音が
目に涙を浮かべて立っていた。
「、、、よかった、、よかった、愛音、、よかった、、亅
愛音にかけより抱きしめて伝えると、
「たえくん、、ずっと、、待ってたよ、、会いたかったよ、、寂しかったよ、、8年間、、本当、、長かったよ、、、、亅
愛音は涙声でそう呟いた。
それから少し落ち着き、愛音は大栄がいなくなった2012年から現在までの話をした。
その後愛音は何かを思い出し家に戻り、
すぐ出てきて大栄にあるものを渡した。
「たえくん、忘れ物亅
愛音が微笑んで渡してきたもの、
電源が入ってない昨日まで使ってたガラケー。
そして大栄は気になってた事を聞く。
「愛音、、おじさんと、、おばあさんは元気、、?亅
「2人とも元気だよ!今日仕事午前で切り上げて、エイさんと神戸行ってきたんだぁ!その帰り道、買い物して帰ってくるとたえくんがいてびっくりしちゃったよ亅
大人になって一段と綺麗になった姿、
あの頃の鈴を転がしたような綺麗な声は、
その面影を残したまま、
夏のそよ風に揺られる風鈴の音のような、
綺麗な声になっていた。
愛音の声に聞き惚れてると、
「あっ、今ね、受付でフロントマネージャー任されてるんだよ私、3年前くらいにエイさんからの提案でね!亅
愛音からそれを聞き、今も変わらずホテルで勤務してる愛音が頼もしく思えた。
すると愛音が意地悪な表情で大栄に問いかけた。
「たえく〜ん、この8年間、まさかなんて浮気してないよねぇ〜?亅
「いや、あの、、俺さっきまで2012年にいたんだけど、、亅
愛音の意地悪な質問にそう答えると、
「ずっと、ずっと、たえくんを待ってたよ、、亅
そう呟きながら手を見せてきた愛音の薬指には、
あの頃のペアリング。
大栄はここで切り出す。
「愛音、結婚を前提に、俺とお付き合いして下さい亅
「不束者ですが、どうか、末長く宜しくお願いいたします亅
愛音は目に涙を浮かべ、
だけととても優しい笑顔で承諾してくれた。
そしてようやくここから2人の人生が歩み始める。




