第17話 着物の女性と私の決意
2012年10月8日、今日は私の19歳の誕生日。
今日は修学旅行生でホテルが忙しく、
私もたえくんも休みは取れずこれから仕事へ向かう。
職場に着くと裏口の方に1人女性が立っていたので思わず話しかけた。
「あの、、どうかしましたか、、?大丈夫ですか?亅
"女性が着てたのは洋服ではなく着物"
"髪型も多分江戸時代頃の髪型"
"綺麗な漆黒色の髪と吸い込まれそうな瞳"
私はすぐに気づいた。
エイさんやたえくんから聞いてた、
"とあ"様だと。
着物の女性は私に告げた、
「そなたのお慕いしておる男性、今日が元の世界へ戻れる最後の日です。亅
私は驚いた。
「、、、もし、、戻れなかった場合、、、彼はどうなりますか、、?亅
私の質問に着物の女性は、
「この世界には現在、2人の彼が存在している事になっています、どちらか一方は消えて無くなります、そなたがお会いしてる彼の方が消えてなくなるでしょう。そうなった場合、そなた方、2012年に27歳の彼と関わりのある者から、彼と過ごした日々の記憶が全て消えゆきます亅
私が目を見開いてると着物の女性は続けて、
「そなたも商店を営んでおられたおばあ様も、あの災害の影響は彼がこの世界に来た事とは何の関係もありませぬ。そなたもおばあ様も、自ずとあの大災害は避けて通れました。多少避け方は変わってきますが。あれはわたくしからの彼への試練でございました亅
こう告げた。
私は頭の中が混乱した。
「ではなぜ、彼は2年もこの世界にいたんですか?彼がこの世界に来た意味は何だったんですか?亅
すると着物の女性は、
「少々、わたくしの昔話に耳をかしていただけませんか?亅
着物の女性からそう言われ私が頷くと、
「昔わたくしにも、とてもお慕いしておりました男性がおりました。
わたくしが行動を間違え、
その方は星になってしまいました。
わたくしは京、その方は琉球国、
会いたいけどなかなかお会いになられない。
ただ、会える日はとてもとても幸せでごさいました。
それと同時に彼を失った際に思いました。
"わたくしと出会わなければ、
彼は天寿を全うできたのではないだうか?"
"彼が星になったのはわたくしのせいだ、、"
"時を戻したい、、彼に一目お会いしたい"
そう何度も何度も思いました。
わたくしと彼が出会い、彼が星になる年月が、
ちょうど2年でございました。
そなたがお慕いする彼がこの世界へ来た理由、
いずれお分かりになりますゆえ、今は焦らずお待ちいただけると良いです。
本当はすぐにでもそなたのお慕いする彼を元の世界へお戻しする事もできました。ですが、あなた方2人の幸せそうな表情、共に苦難を乗り越えてゆく姿に感銘を受け、せめて、せめて2年間、たった2年、お慕いする者同士、共に幸せを分かち合ってほしかった、その姿を見ていたかった、、、わたくしのわがままでございます亅
私が目に涙を浮かべてると、
「彼がお戻りになった場合、彼はそなたを探しに参ります。ですが彼が戻るのは2020年、そなたの前に現れるのも2020年、そなたはこれから8年間、彼を待ち続ける運命になります。ただ、そなたが2012年現在の記憶を元に彼を探しに行こうと、2012年19歳で存在してる彼にはお会いできませぬ。彼自身2008〜2020年まで、そなたとお会いになられてない空白のお時間がございますゆえ。あくまで運命を変えられたのは彼の方、そなたのお力では、到底どうする事もできませんゆえ亅
そう悲しそうに着物の女性は告げた。
私は大きく深呼吸をして、
「彼が、、元の世界へ戻れる方法を、、、教えて下さい、、、亅
着物の女性からは、
"今夜22時8分、屋上へ行き、柵から身を乗り出せ"
"その際、互いの体には触れ合うことができなくなる"
"そうすれば彼の行動そのものが、彼を元の世界へ戻す"
そして、
"決して"今"は、この事は彼に伝えてはいけない。''
こう告げられた。




