第16話 "また会えるといいね"
4月中旬。
愛音も初出勤から2週間ほど経ち不慣れながらも頑張って業務をこなす姿に大栄が見惚れてると後ろからお尻の方へ少し強めの衝撃が。
「お前さん見惚れ過ぎだ、気持ちは分かるがちゃんと仕事しろ。亅
おじさんにモップの棒でお尻を叩かれた。
そして日が経ち京都で過ごす2度目の梅雨。
愛音は相変わらず梅雨のじめっぽさに慣れずにいた。
そして梅雨も終わり夏本番7月。
大栄と愛音は休みを合わせて愛音が社会人になって初めてちゃんとしたデート。
だが、愛音の様子がおかしい、、なぜか不機嫌。
大栄が愛音に問い出す、
「、、、愛音、、何かあった、、?亅
「あるよ!!バカ!!亅
大栄が訳もわからず眉間にシワを寄せてる愛音に理由を聞くと、
「たえくん、もう1年以上も一緒にいるのに全然誕生日教えてくれないじゃん!亅
そう言われた大栄は
確かに、と思うと同時に
教えたなかったっけ?と迷いも出た。
「ごめんね!!8月10日だよ!亅
大栄が焦りながら言うと、
「たえくんありがとう!!すごい!私と逆だ!亅
機嫌が治った愛音を見て大栄は心の底からホッとした。
「それならさぁ〜8月10日、どこかたえくんが行きたいとこ行こうよ!私も就職したし、今度は私からお祝いさせて!亅
嬉しそうにする愛音に大栄は、
「ありがとう、行きたいとこ考えとくね!亅
と、2人は夜まで過ごし愛音を送り愛音の家を後にした。
そして月日は流れ8月10日。
2人は朝から合流した。
「たえくん誕生日おめでとう!たえくんってこの世界でも歳取っちゃうの?亅
「どうだろう、でもそれは何か嫌だな、、亅
そう笑いながら話す2人が電車に揺られ着いた場所はユニバ。
大栄はギリギリまで行き先が決まらず、
愛音が楽しめたらそれで良いと思いユニバに。
そして2人は日が落ちるまでユニバで楽しみ、
帰りの電車で愛音は大栄の肩にもたれ爆睡。
そんな愛音の寝顔を見てニヤけ顔になる大栄だった。
そして夏の終わりを感じさせる9月下旬。
2人は相変わらず仲良く過ごしてる。
ただ大栄の中には謎が深まるばかり。
"来月でこの世界に来て2年、、結局この先俺はどうなるんだろう"
大栄はその事ばかり考えるようになった。
そしてこの世界に来て2年目を迎える10月。
愛音と食事をしてると、
「たえくん今月でここに来て2年だね!この先どうなっちゃうんだろう、、、亅
不安な顔をする愛音。
「まぁ、なんとかなるんじゃない、大丈夫だよ、それより愛音、1週間後の誕生日はどこ行きたい?亅
話しを変え愛音を不安にさせまいと思う大栄だった。
10月8日、愛音19歳の誕生日。
この日は修学旅行生客で満室になるほど忙しく、
2人は休みを取ることはできず仕事に追われていた。
受付嬢半年も経ち愛音はテキパキと業務をこなすようになり、大栄もそれを見て嬉しくなった。
22時を回った頃、
7階通路を清掃してると非常階段を上がっていく見慣れた姿。
このホテルは7階建。
8階=屋上。
大栄はすぐさま屋上へ。
屋上に行くとそこには、
先ほどまで一階の受付けで業務をこなしていた愛音の姿が。
愛音は柵から身を乗り出し、
一歩間違えば転落するとこに立ってる。
大栄を見ながら優しく微笑み、大栄の方へ両手を伸ばす愛音。
「愛音、、何で、、何してるの、、亅
大栄は愛音の元へ走り愛音を抱き抱えようと手を伸ばすと、
愛音の体が透けて大栄は屋上から真下へ、、、。
"え、、?何で、、?"
そう思いながら落ちる大栄の瞳にうつる愛音は、
目に涙を浮かべながら優しく微笑んで何かを呟いてる、、。
"、、また会えるといいね、、、"
そう呟いていた。
落ちていく大栄の横にはホテル通路の窓。
4階を清掃してたエイさんが見えた。
エイさんは大栄に手を振り、一言、
"またな"
と、口ずさんでるのが見えた。




