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第13話 ワールドカップ

そして仕事の時間が終わる23時、大栄はロビーで待ってる愛音の元へ。大栄の隣にはおじさん。

愛音がかしこまってる雰囲気のおじさんにペコっと頭を下げると、


「愛音、少し聞いてもらいたい話がある亅


大栄は全てを話した。


おじさんは愛音に、


「こんな老ぼれの昔話に付き合わせてしまってすまんな彼女さん亅


と頭を下げた。


「とんでもないです!聞かせてくれてありがとうございます!か、、かの、、彼女、、、亅


照れくさそうに顔を下に向ける愛音であった。


そして京都も一段と冷え込む季節になった2011年12月上旬大栄と愛音は久しぶりに神戸のおばあさんの元へ。


おじさんも一緒に。


神戸に着きおばあさん家のインターホンを押す。


出てきたおばあさんの第一声、、


「あんた、、、何で、、、亅




そう、大栄はおじさんが一緒にいる事は黙ってたのだ。笑


40年ぶりに聞く声におじさんは少し涙を浮かべ、


「オトさん、、あんた、、今も昔も変わらず綺麗だ、、亅


それを聞いたおばあさんは優しそうな表情で、


「エイ、あんた昔も今も泣き虫なの変わらんねぇ、、亅


と一言。


"おじさん、エイさんって名前なんだ"


大栄が初めておじさんの名前を知った日でもあった。


そして家の前でもあれだと

おばあさんとおじさん、大栄、愛音は近くのショッピングモールへ。

ショッピングモール内、ご飯屋さんを探してると、


おじさんは若者女性向けの服を指差し、


「オトさん、あんたあれ似合いそうだ。亅


「バカだね相変わらずあんたは、、亅


40年ぶりに会う2人の熟年夫婦並みの会話。


その2人を見て大栄は、


"いつまでも愛音とこう過ごしたい"


そう思ってると


"私もたえくんと何十年先もこうありたい、、。"


と、照れくさそうに呟く愛音が隣にいた。


大栄は2ヶ月前の事をふと思い出した。


働き口が見つかったとおばあさんに連絡を入れた時と事。


「、、、そうかい、良かったねぇ、良い職場に巡り会えて亅


おばあさんの言ってた意味がようやく理解できた大栄だった。


半日ほど過ごし、3人は神戸の街を後にする。


おじさんと愛音を送り、おじさんに特訓をする大栄。


「これはなんだ?どこを押せばいい?亅


そう質問するおじさんの手には、


"おとさん、きようは、ありかとうな、また、めーる、する"



携帯の画面を見た大栄は吹き出した。

「機械音痴すぎる、、亅



そう、2人は2020年ではまず聞くことのない、


"メル友"になったのであった。



メールに慣れてないおじさんの、メール特訓が始まった。

喫茶店でおじさんを特訓してると時間は23時半。


明日は朝から仕事。

おじさんに特訓はまた明日ねと大栄が伝え解散しようとすると、


「そういやお前さんの家はどこだ?まだ聞いてなかったが亅


おじさんが聞いてきた。



そう、大栄は京都に来て11ヶ月、漫喫や格安ホテルを点々とする日々を送っていた。


なんせ持ってる身分証がこの世界で使えない。

賃貸も契約できない。

それに、いつ元の世界に戻るのかも分からない。


おじさんにホテル住まいだと告げると、


「ならうちに来い、特訓の続きだ。亅


大栄は、おじさんに悪いからと断ろうとすると、


「あいにくこの年まで独身だ、結婚する気もない、相手がいないもんでな。たまには誰かと暮らすのも悪くない、ボロアパートだが良い城だぜ亅


と、おじさんはカッコつけていた。


そしておじさんの家へ。

おじさんの家の窓からは勤め先のホテルが見える、通勤には持ってこいの立地だった。


「これからしばらくお世話ににります!亅


大栄はおじさんに深々と頭を下げる。


おじさんは部屋着に着替え、ビールを手に取り窓際に座り、


「この景色を見ながら飲むビールは格別だ亅


と、大栄にもビールを渡し、乾杯。


「うめぇ、、亅


大栄がそう呟くと、


"だろ?"って表情でおじさんは大栄を見る。



そしてしばらくビールを飲んでると、

おじさんが急に話し始めた。


「そういや1年ほど前に、妙な夢を見た、いつも通り仕事から帰宅し、眠りについた。

時計を見ると2020年10月8日、日付が未来になってたんですぐに夢だと気づいたが妙にリアルな夢でな。お前さんとそっくりな男があの屋上から不自然な形で身を乗り出したんだ、俺にはお前さんにそっくりな男しか見えなかった、だがお前さんにそっくりな男は、、必死に手を伸ばし"何か"を掴もうとしてる落ち方をしてたんだ。亅


夢の話をしたおじさんは何かを思い出したかのように、


「前に話した、2年前の沖縄からの修学旅行生、その子がどうにもお前さんとそっくりでなぁ、、亅


大栄は決心する。この人に全てを話そうと。



「あの、、少し俺の話を聞いてほしい、、信じられない話だと思う、、だけど、、聞いてほしい亅



そう話す大栄の話を遮るようにおじさんは、


「そういやお前さん、学生時代たしかサッカーやってたんだよな?去年はスペインが優勝したよな。次はドイツ、フランス、アルゼンチン、スペインが4大会ぶりに優勝と続く。あ、ワールドカップの話だ。1番気になるだろううから先に教えとくよ亅


おじさんは軽く、そして普通の会話のように切り出した。



"今は2011年、、、"


"ドイツが優勝するのは2014年、、"


"フランスはその4年後の2018年、、"


"そして次のワールドカップは2022年、、"


"スペインが4大会ぶり?2026年、、?"



大栄がいた元の世界は2020年。



「、、、え、、、?亅


驚きを隠せない大栄を見ながらおじさんはニヤリと笑った。


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