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第10話 屋上

大栄はある事を思いついた。


"スマホに入ってる母親の番号にガラケーから電話をかけてみよう"


繋がらない。同じ2011年の機種なのに。


一向に発信音が鳴らない。


もしやと思い愛音のガラケーを借り母親にかけても、結果は同じ。


そこで大栄はある仮説を立てる。


"2011年、高校生の俺と関わりのある人間にこちらから側から干渉できない"


逆に"2020年27歳の俺と関わりがある人間には向こうからも干渉ができない。''


「そりゃ2011年の母親達が俺に干渉できるわけないよな、、まだ2020年の俺を知らないんだし亅


大栄は当たり前の事を呟いた。


「仕方ないよ、、沖縄はまた今度行ける時に行こっ!亅


愛音は優しく微笑んでくれた。



そしてしばらく日が経ち10月1日、

久しぶりにコンビニで口座を確認すると、


"残高 ¥221,008円"


かなり減った残高を見て焦る大栄。


愛音の誕生日、10月8日まで残り7日。

この世界では免許証保険証が使えないから就職できない。


改めておばあさんのありがたさが身に沁みた。



"清掃員大募集!即日採用日払い可"


帰り道で見つけた張り紙。


大栄はすぐさま張り紙の電話番号に電話をかけ、

運良く明日から働ける事になった。


その事を愛音に伝えると愛音も自分の事のように喜んでくれた。


次の日、就職先の住所に行ってみるとそこは

修学旅行先で泊まり、

この世界に来るきっかけになったあのホテルだった。


"このホテル何かと縁あるな〜"


と思い更衣室で清掃服に着替えて初仕事に励んだ。


仕事が23時に終わり携帯を開くと、


"初仕事お疲れ様!仕事終わったらメールちょうだいね"


大栄はこのメールで疲れが吹っ飛んだ。

仕事終わりすぐメールすると、

愛音から電話。

仕事の事を話してると、


"今度たえくんが仕事終わるまでロビーの椅子に座って待っててもいいかなぁ?"


二つ返事でOKする大栄。


それから1週間、愛音の誕生日プレゼントと誕生日祝いのために朝7時〜夜23時までぶっ通しで働いた。


そして10月7日の昼休憩時間を使いショッピングモールへ走り愛音へのプレゼントをゲットした。

高くはない、愛音の好みなのかも分からない、

ネックレスと、財布。


明日渡せる楽しみで大栄は顔がニヤけた。


そして大栄が仕事に戻ると、


ベテラン清掃員のおじさんから一言告げられた。


「ここの建物の屋上はこのホテルのどこよりも綺麗に掃除してね亅


"なぜ関係者でもあまり立ち入らない屋上なんだ。普通はロビーや客室ではないのか?"


大栄の頭に浮かぶ疑問。


大栄はとりあえずベテランおじさんに頷いた。


それから仕事に取り掛かるが、ベテランおじさんの言ってた事が頭から離れず、とうとうおじさんに聞き出す。


「あの、どうして屋上を1番綺麗にするんですか?あまり誰も利用しないと思いますが、、亅



するとベテランおじさんは大栄の目を見て



「神棚は普段手を合わせるだけで使いはしないが綺麗にするだろ、それと同じだよ亅


と答えた。


詳しく教えてと言う大栄にベテランおじさんは、


「この話は屋上で10時8分から8分間、22時8分から8分間しか話せない内容だ、もう朝の10時は過ぎた、夜まで待っていろ亅


そう言っておじさんは仕事を続けた。


そして22時8分を迎えた大栄とおじさんは屋上に。



大きな深呼吸の後ベテランおじさんは話を切り出した。

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