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神の領域の鑑定スキルを得た俺は、関わったすべての人を幸せにするつもりが、なぜか最狂のハーレムを作り上げてしまう  作者: 爆進王


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第99話 稽古に向かうアレグリア

(う~ん…『女傑のグルーヴ様』か、少し興味が湧いてきた)





 俺はみんなと別れ、出店でお客さんを待ちながら考える。





(でも、せっかく平和なのに、内戦の可能性なんて迷惑な話だよなぁ)





 出店の前を通りかかった親子は、とても穏やかな顔をしていて、俺の前を笑顔で通り過ぎて行く。この国はしばらく平和な期間が続いているので、民衆の頭からは戦争という言葉は消えているように思えた。




 しかし、シーザリオの話によると、近隣諸国はこの平和の期間を利用して、軍備を確実に進めているという話だ。




 一方でアーキュリー王国はというと…経済は発展しているのだが、軍事面ではやや後れを取っているというのが正直なところだそうだ。国防に関わるシーザリオとメサイアも、そこには危機感を持っていた。




 二人から聞いた国王に対する評価は…





「現王は周辺諸国との和平協定をまとめ上げたお方で、間違いなく大変優秀なお方なのですが、平和主義者で人が良すぎるんですよ。『こちら側から相手を刺激しなければ、攻められる事はない!!』と断言しています。さらに最近は体調を崩される事が多くなり…」




「お母様も言っていました。『平時ならあやつに任せておいても良いが、乱世を乗り切れる事はできまいよ』と…」





 二人はめずらしく深刻な顔をして話していた。




 


(まあ、俺が心配しても仕方が無いか…。政治なんてよく分からないし、俺は自分の出来る事をやるだけだ)





 俺はそう思い、難しい事は考えない事にしたのだった。






 数日後…




 いよいよ明日、王都へ出発する事になったのだが『私の仕事はもう残っていません。約束通り今日一日は、アレグリアたちに稽古をつけてあげましょう』と、メサイアが言った。





『ありがとうございます!!』





 アレグリアとウオッカが立ち上がりお礼を言う。





「うふふふっ、その向上心、見習わなければなりませんね。私も普段より、気合が入るというものです!!」





 メサイアは満足そうに目を細めた。




 気のせいだろうか?俺はメサイアの目を見た瞬間に、全身に寒気が走り、体が震えた。





「やれやれ…アレグリア、それにウオッカさん。絶対にハヤト様特製のポーションを持っていく事をお勧めするわ」





 シーザリオが頬づえをつきながら、少し呆れ気味に言う。





「当然ポーションは持ってますよ!!」





 アレグリアが元気一杯に答えるが…





「はぁ~、なら…よろしい…」





 シーザリオはため息を付き『もう何も言うまい』という顔をして、その事については口を出すのは止めたのだった。






『じゃあ、行ってきます!!』





 ファレノプシスが到着すると、4人で稽古に出かけた。





「俺も後から見に行くから!!」





 俺がそう声をかけると…





「本当!?待ってるからね!!」





 アレグリアがそう言って笑顔を見せる。




 ファレノプシスとウオッカ、それにメサイアも俺に向けて手を振る。俺も笑顔で手を振り4人を送り出したのだった。





「やり過ぎなければ良いのですが…」





 シーザリオが心配そうに呟く。





「メサイアは常識人だろ?大丈夫だよ!!」





 俺がそう言うと…





「メサイアは普段や仕事の時は冷静で、周囲の人間にも気を使える女性なのですが…一旦剣を握ると直情型に変わるのですよ」





 シーザリオは苦い顔をして言う。





「まあ、ファレノプシスはもちろんだけど、アレグリアとウオッカも経験不足は否めないけど、実力はなかなかのものだよ」




「それは認めます。ですが…実力があるからこそ熱くなり、やり過ぎてしまう…そんな光景が目に浮かぶのですよ」




「じゃあ、シーザリオも一緒に見に行こうよ」




「…そうしましょう」





 俺とシーザリオはそんな会話をしながら、ジュリアたちと明日からの打ち合わせを進める。





「馬を単騎で走らせれば速いのですが、馬車となると王都までは一週間はかかると思ってください」




「一週間か…魔物とかは出る可能性はあるの?」




「当然ありますが私とメサイア、それにあの3人がいれば大丈夫ですよ。それにいざとなれば、ハヤト様の火魔法をぶちかましてやればいいのです!!」




「…制御する自信はないよ」




「何事も経験ですよ」




「…そんなものかね」





 俺は魔物と遭遇する場面を想像するが、ハッキリ言って全くリアリティーがない。まして自分が魔物と戦闘するなど想像がつかない。『遭遇しませんように!!』そう願うしかないのであった。








【アレグリア視点】




(うふふふっ、メサイア様に稽古をつけてもらえる!!)





 私は心を躍らせると同時に…





(メサイア様はファレノプシスさん以上の実力者。魔法は使えないけど、剣術においてはアーキュリー王国の中でも上位の存在。全力でぶつかって、今の私の実力がメサイア様相手に、どのくらい通用するのか見極めてみたい!!)





 メサイア様の見えないところで、拳を強く握り締める。




 『ふっ』と隣を見ると、ウオッカさんも私と同じように拳を握り締めていた。





(ふふふっ、ウオッカさんもやる気ね!!)





 ウオッカさんも私のほうを見た。




 お互いの目が合い、わずかに口角を上げる。





(ウオッカさんも私と同じように、自信を付けてきている。ふふふっ、負けられないわ!!)





 しかし、私たちのやる気とは裏腹に、シーザリオ様は心配そうな顔をしている。





「やれやれ…アレグリア、それにウオッカさん。絶対にハヤト様特製のポーションを持っていく事をお勧めするわ」





 私とウオッカさんに、やや呆れ気味に言うのであった。





「?」





 私の頭の中に一瞬『?』マークが浮かんだ。





「当然、持っていますよ!!」





 私は懐からポーションを取り出して、とびっきりの笑顔を作る。




 だが、シーザリオ様はそんな私を見て『フンッ』と鼻で笑ってから…





「はあ~、…なら、よろしい…」





 そう言って、深いため息を付いたのであった。

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