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神の領域の鑑定スキルを得た俺は、関わったすべての人を幸せにするつもりが、なぜか最狂のハーレムを作り上げてしまう  作者: 爆進王


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第92話 ファレノプシスの熱い思い

「こ、こいつ…偉そうに言いやがって!!」




「どうせ口だけだ!!」




「生意気な女にはお仕置きが必要だな!!服をひん剥いてやるぜ!!」





 冒険者たちはファレノプシスに向けて暴言を吐く。だが、誰も戦おうとしない。ファレノプシスがまとうオーラが、冒険者たちを安易に寄せ付けないように見えた。




 ファレノプシスが静かに睨みつける。




 すると…





「…お前がやれよ」




「てめぇが行け!!」





 などと、弱気な声が聞こえ始めた。




 そして『ちょ、ちょっと待て!!こいつ…ファレノプシスじゃねぇか!?』という声が聞こえてきた。





「ファ、ファレノプシス!?」




「マジ!?」




「俺は一度見た事がある。間違いねぇ!!こいつ、ファレノプシスだ!!」





 ファレノプシスという名前が出てきて、ざわつく冒険者たち。





「あいつは確か死んだんじゃ…うげぇっ!?」





 一人の冒険者が鈍い声を上げ、膝から崩れ落ちる。




 ファレノプシスが目にも止まらぬ速さで、槍の石突の部分を冒険者のみぞおちに叩きこんだ。




 倒れ込んだ冒険者を恐ろしく冷酷な目で見るファレノプシスが『人を勝手に殺すんじゃないよ!!』と言い放ち、槍先を冒険者に突き付けた。





「テ、テメエ!!」




「何しやがる!!」





 パーティーのメンバーたちなのだろうか、周りにいた男たちが剣を抜こうとする…が、その瞬間にファレノプシスの槍が襲い掛かる。





「ひいぃぃぃ~~~!!」




「うげっ!?」





 なす術も無く、一瞬で叩きのめされ逃げ出していく。





「ふんっ!!手加減はここまでだよ!!死にたい奴はかかって来な!!」





 ファレノプシスはそう言うと、腰を落とし槍を構えた。





「バ、バケモンだ!!」




「敵うわけねぇ~よ!!」





 一斉に逃げ出す冒険者たち。





「お、お前ら逃げるな!?戦え!!」





 ブラッシーが慌てふためき叫ぶが『お前が戦えよ!!』と、捨て台詞を吐かれる始末…残るはブラッシーのパーティーのみとなった。




 ファレノプシスは槍を構えたまま、ブラッシーを睨みつけ『どうする?坊やたち。私と戦って死んでみるか?』と、威圧する。




 明らかに顔色を悪くするブラッシーのパーティーのメンバーたち。格上の冒険者に挑む度胸はない様だ。誰一人、ファレノプシスの威圧を受け止められず、視線をそらしていた。





「リ、リーダー無理です!!」




「…敵うわけないよ」




「死にたくない」





 顔面蒼白で弱気な言葉を連発する。




 そんな姿を見たファレノプシスが『まったく、リーズの冒険者ときたら…。ごちゃごちゃ言ってないでハッキリしろ!!』と、一喝する。





「ヒイィィィ~~~!!力が違いすぎるよ」





 パーティーメンバーの一人がそう言って逃げ出す。





「ま、待て!?」





 ブラッシーがメンバーを止めようとするが、一人が逃げ出すと『我先に!!』と、次々とメンバーが逃げ出していった。





「お前たち…俺を置いていくな!!」





 ブラッシーも逃げ出そうとするが、ファレノプシスが槍を突き出して逃がさない。





「お前はダメだ!!キッチリ、けじめをつけてもらわないとな」





 柄で顔面を強打する。





「ぐわっ、ぐぅぅぅ…痛てぇぇぇ~!!」





 情けない声を出し、うずくまるブラッシー。鼻血が噴き出す。




 さらに前かがみで顔面を押さえているところに、ファレノプシスの蹴りが飛ぶ。




 そして槍先が左胸に…





「串刺しにしてやろうか!!」





 ファレノプシスが凄んでみせると、ブラッシーの股間にシミが広がった。





「あわわわっ、止めて…止めてください」





 腰を抜かし、小便を漏らす姿を見て少し気の毒には思う。しかし、俺達を殺そうとしたんだ。仕方が無い。アレグリアもその光景を冷ややかな顔をして見つめている。




 さらに…





「女の子になってみるか?」





 ファレノプシスが槍先でブラッシーの股間を『チクリッ』と刺す。





「そ、それだけは…許してください。ごめんなさい、ごめんなさい!!」





 ブラッシーは号泣しながら許しを請う。





「ふんっ、消えな!!二度と私達の前に姿を見せるんじゃないよ!!」





 ファレノプシスがそう言うと、ブラッシーは一目散に逃げ出したのだった。




 ギルドの中は静まり返っている。冒険者たちが逃げ出し、俺たちとギルドの職員しかいなくなってしまったからだ。




 ギルド内を見渡し…





「大掃除完了!!ってところかな」





 ファレノプシスは満足げの言う。





「リーダー流石です!!」





 そんなファレノプシスに、ウオッカが茶化す様に言う




 ファレノプシスは少し恥ずかしがりながらも『メンバーが危険にさらされている時には体を張って助けないと、リーダー失格だからね』と、笑顔を見せて言った。




 その笑顔はブラッシーや他の冒険者たちに見せていた冷酷な顔では無く、仲間だけに見せる、心の底から優しさが溢れてくるような笑顔だった。








【ファレノプシス視点】




 私はウオッカさんの後ろから冒険者ギルドの中を見渡す。





(下品な奴ばかりで、特に強そうな奴もいないかな。ランク的にはDランクがちらほらいるだけ…か。ハヤト様とアレグリアに絡んでいた奴もDランクという事だけど…大した奴じゃないね。ただ『周りにいる奴らと比べるとマシ』というだけ…。こんな奴がイキっていられるところを見るだけで、リーズの冒険者のレベルが低い事が分かるというものだね)





 私はそう思いながら、小さくため息を付いた。





(この程度の奴らなら、ウオッカさんとアレグリアに任せても大丈夫だと思うけど…、ここはリーダーとして良いところを見せておきたい!!でも、本気を出すまでもないかな。ふふふっ、少し脅して平和的に解決して見せようじゃないか!!)





 私は全身に殺気を纏わせながら、冒険者ギルドの中心まで歩みを進める。





「ちょ、ちょっと待て!!こいつ…ファレノプシスじゃねぇか!?」





 そんな声が聞こえて来た。





(ふっ…私の顔を知っている奴がいたのか…)





 そんな事を思っていると、続けて『あいつは確か死んだんじゃ…』という声が聞こえて来た。




 瞬間的に体が反応しボコってしまった。





(あっ!?脅すだけにしようと思っていたのに…。まあ、やってしまったものは仕方が無い。プランB(強硬路線)に変更しよう!!)





 そう思い直し、ついでに仲間もボコる。




 もう引っ込みが付かなくなってしまった。臨戦態勢を取る。





(ふふふっ、戦闘…、私はどこまで行っても冒険者、体が熱くなってきてしまうわね)





 私は意識不明になり、忘れかけていた冒険者としての本能が目覚めるのに気づく…が、ギルド内にいる冒険者たちが次々と逃げ出していく。





(えっ!?おいおいおい…逃げないでよ!!)





 熱くなった気持ちと体…このままでは鎮められないと、最後に逃げ出そうとしたブラッシーという男だけを止め、私の熱くなった気持ちをぶつけ『ボッコボコ』にしてしまうのでした。

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