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神の領域の鑑定スキルを得た俺は、関わったすべての人を幸せにするつもりが、なぜか最狂のハーレムを作り上げてしまう  作者: 爆進王


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第80話 充実した修練

 改修についての会議が終わるころ、みんなが帰ってきた。




 アレグリアが今日の修練の事を興奮気味で話をする。





「ファレノプシスさんは凄かったよ!!最初に対峙した時、踏み込んでいく隙が全くなくて、全然動けなかったの。そしたら一瞬でやられちゃってね。本気の戦いだったら、何回も串刺しになっていたわよ!!」




「そんなに実力差があったのか!?」




「うん。でも、実力の差というより、実戦経験の差かなぁ。私はまだ、実戦を経験したことが無いからね。スピードには対応できたんだけど…残念だけど、スピードだけだったわね」




「残念と言っているけど、顔は凄くうれしそうだよ」




「分かる?本当に嬉しくて、やられても何度も何度も立ち向かっていけたのよ!!」





 嬉しそうに話すアレグリアだが、隣にいるファレノプシスは苦笑している。




 そして『アレグリアの才能は凄いよ!!乾いた砂が水を吸収していくみたいに、戦っているうちにどんどん成長していくんだよ。おかげで修練が終わるころには、私の体は疲れ切って動かなくなってしまったわよ』 と、ファレノプシスも嬉しそうに話しをした。





「久々で体は大丈夫?」





 俺の問いかけにファレノプシスは『わ、私の事、心配してくれるんだ…。ありがとう、大丈夫だよ!!ずっとハヤト様のそばにいたいけど、ブエナが待っているから、今日はこれで帰るよ。しばらくはアレグリアとウオッカさんと修練をする事になったから、明日、また来るから』と言って、足早にブエナが待つ自宅へと帰って行った。




 


「っで…ウオッカ。盾がボロボロなんだけど、何があった?」




「あっ!?これは…」





 ウオッカは言いづらそうにアレグリアを見た。




 アレグリアは苦笑しながら…





「ウオッカさんが固すぎてね。初心者用の盾だから、すぐにボロボロになっちゃったのよ。でも、ウオッカさんも凄いよ!!初心者なのに固いのなんのって…ファレノプシスさんも最後のほうは呆れていたわ!!」




「あはははっ!!私は殴られ蹴られ生きて来たから、どうやって攻撃を受ければダメージを受け流せるか、自然と身についていたんだと思う」





 ウオッカは、ここに来た時には『おどおど』した感じだったが、一回の修練で自信が付いたのか、すでにアレグリアと普通に話をしていた。





「羨ましいですね。私も時間があったら修練に参加したいのですが…しばらくは時間が取れそうにもありません」





 メサイアが残念そうに呟くと『メサイア、あなたは手加減できない質でしょう。もう少しアレグリアが成長するまで待っていなさい。大事な才能をつぶしかねないわ』と、シーザリオが苦言を呈した。





「失礼な!!私だって成長しているのですよ。稽古相手の実力を考えて、手加減くらいできるようになりました!!」




「どうだかね…」





 不信感丸出しのシーザリオの発言を聞いて、憤慨するメサイア。




 しかし『メサイア様、時間ができたら稽古の相手をお願いします!!』と、アレグリアが願い出た。





「ふふふっ、よくぞ言いました!!分かりました。ここにいる間に一度、稽古に顔を出しましょう」




『ありがとうございます!!』





 アレグリアとウオッカは、稽古の約束をしてくれたメサイアに深々と頭を下げる。




 それを見ていたシーザリオが『はあぁ~…もう、何も言うまい…』と、大きなため息を付き、苦い顔をして呟いたのだった。





「まあ、何とかなるよ」





 俺がシーザリオの肩を『ポンッ』と叩いて言うと、苦々しい表情をしたまま『だといいんですけどね』と言う。





「メサイアが稽古をつけるという話は置いといて、その盾はもう使えないんじゃないか?」




「そうなのよ。だから明日の修練に行く途中で、ブロディさんの工房に寄ろうと思っているの」




「そうなんだ、じゃあ俺も行くよ。どうせお金が無いだろ?」




「えへへへっ、正解!!」





 アレグリアが『ペロッ』と舌を出して言った。





(うおぉぉぉ~!!可愛い!!これが本当の『てへぺろ』だな!!こんな仕草を目の前でされたら、惚れてしまうに決まっている!!)





 俺がそんな事を考えているとウオッカも『あはははっ、私、本当に1エンも持ってないんです。すみません』と、恥ずかしそうに舌を出した。





(屈強でパワフル系美女の『てへぺろ』も、これはこれで良いものだ!!)





 二人の『てへぺろ』攻撃を受け、思わず顔がニヤけてしまう。




 しかし…シーザリオとメサイア、それにジュリアとリスグラシュー、さらにアパパネまでもが『ニヤケすぎ!!』と言って、ご機嫌を損ねてしまうのだった。








【ファレノプシス視点】




 私は足早に自宅へ帰り、ブエナの用意してくれた夕食を取る。





「ファレ姉、今日は久々に体を動かして疲れたでしょ?早めに寝よう」




「そうだね。明日も早いし、少し早いけどベッドに入るか。ブエナもポーション作りが大変だろうけど、無理だけはするなよ」





 私とブエナは寝間着に着替えベッドに入った。




 目を覚ましてから、一緒に寝る事が習慣になっている。




 狭いベッドだが、どちらかが寝落ちするまで話をする。まるで私が気を失っていた時間を取り戻すかの様に…。




 お互いに向かい合ってベッドに入ると『っで…お姉ちゃん、何があったの?』と、ブエナが真剣な顔をして聞いてきた。





「えっ!?」





 妹の鋭い視線に思わず挙動不審になってしまった。情けない…私もまだまだである。





「な、な、な、何って!?」




「お姉ちゃん、帰って来てから明らかにおかしいわよ。絶対、何かあったんでしょう!!」




「……………」





 私は無言になってしまった。




 心配そうに私を見つめるブエナ。




 いつまでも隠しておくわけにもいかない。ブエナ自身の将来にも関係する事だから…。





「実は…」




「実は?」




「実は…」




「何?」





 ブエナの視線が鋭く『絶対に正直に話してね!!』という圧をヒシヒシと感じる。





「じ、実は…ハヤト様にプロポーズをされたんだ!!」




「!?」





 私はそう言い、恥ずかしさのあまり布団の中に潜る。妹の前で実に情けない。姉としての威厳の欠片も無い…。




 ブエナが掛け布団を引きはがし『どういう事よ?お姉ちゃん、ちゃんと分かるように説明しなさい!!』と、激しい口調で追及される。取り調べか!?





「…幸せにするよって言われたんだ」




「はっ!?」




「ハヤト様に『ファレノプシスを幸せにするよ』って、目の前で言われたんだよ!!」




「えっ!?…へっ!?お、お姉ちゃん…大丈夫?」




「信じないのか?本当なんだよ!!」




「……………」





 何やら疑いの目をして見られているが、『本当なら…応援するし…嬉しいよ。でもお姉ちゃん…『私は冒険者として一人で生きていく。男には何の興味もないから!!』って言ってなかった?』と、ツッコミを入れられてしまう。





「そ、そんな事はもう忘れた!!私はもう、ハヤト様と一緒になるって決めたんだもん!!」




「そんな『決めたんだもん!!』って言われても…困るし…。キャラ変わってるし…」





 私の豹変ぶりに、ブエナも少しあきれ顔。





「でも…本当なら…少し羨ましいかな…」




「えっ!?羨ましい?」




「私もハヤトお兄ちゃんの事『カッコいいな』って思っていたから…」





 ブエナは一瞬、幼さが残る妹では無く、女性の顔になり呟いた。




 私は『言っていなかったんだけど…ブエナの事も一緒に『幸せにするよ』って言ってたよ』と、思い出したかの様に伝える。





「えっ!?」




「はははっ、安心して。ハヤト様はブエナの事も『幸せにする!!』と言ってくれたから!!」





 私の言葉を聞いてブエナは鬼の形相になり『何でそれを一番最初に言わないのよ!!!!!』と、お怒りの言葉を吐き捨てられた。




 私はそんな妹を見て『申し訳ございません!!』と、土下座をして謝罪をしたのでした。




 妹の前では情けなく、頼りない姉なのでした…

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