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神の領域の鑑定スキルを得た俺は、関わったすべての人を幸せにするつもりが、なぜか最狂のハーレムを作り上げてしまう  作者: 爆進王


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第66話 鉄壁の巨女ウオッカ

「二人が今以上に魅力的になってくれるなら、頑張って作るよ」





 俺はシーザリオとメサイアに向かって言う。二人はとても嬉しそうな笑顔をしている。





(まあ、化粧品が発達している世界でもないし、仕方が無いか…)





 俺はそう思いながら、新たなポーションを作り出した。





「うん。成功した」





 ある程度のコツを覚えたら、後は簡単に作れるようになった。品質も安定している。二人にポーションを渡すと、一気に飲み干した。





「凄い!!気になっていた毛穴の黒ずみが消えてる!!」




「私も…あっ!!剣だこが治ってる!!信じられない」





 シーザリオとメサイアが、とても嬉しそうに大騒ぎしている。





(別に…たいして変わったようには思えないんだが…。女心はさっぱり分からんよ。でも、喜んでもらえて良かったかな)





 ジュリアさんを加え、三人は鏡を見ながら自分の顔をうっとりと見つめているのであった。




 だが『効果がいつまで続くか分からないけどね』と、呟く。





『それはどういう事ですか!?』





 三人の表情が一転する。危機感が溢れている…否、もはや鬼の形相と言っても過言ではなかった。





「い、いやっ…あの~」





 俺は驚きのあまり言葉が出てこない。そんな俺を見て、三人の圧がさらに強まる。




 


「どういう事って、ポーションの効果は一時的じゃない。疲労の回復の為に飲んでも効果は一時的で、その後また疲労は溜まっていくでしょ」





 アレグリアは呆れて言う。





『た、確かに!!そうでした…』





 三人ががっくりと肩を落とす。先程までの嬉々とした表情はもはや無く、この世の終わりでも来たのかという暗い表情になっている。





「ま、まあ…効果が切れたら、また作りますから…」





 俺は何とかフォローする。




 しかし、俺の言葉を聞いた三人は『お願いします!!これが無いと生きていけません!!』と、すがるような表情で訴えてくる。





(ど、どうしよう…このポーション、もはや麻薬じゃないか!?絶対に依存症になってしまうぞ!!とんでもない物を作ってしまった気がする)





 俺は三人の表情を見て、危機感を覚えたのであった。





「とりあえず、効果がどのくらい続くのか、検証が必要ということだね」




『…はい』





 俺の言葉に返事はするが、声に覇気が無い。困ったものだ。




 俺は夕食を食べ終え、逃げるように部屋に戻った。





★☆★





 翌日、朝食を取るためにダイニングへ。恐る恐る、三人の状態を確認する。





「今のところは効果は持続してるわ。私としては1か月くらいは、効果が持続してくれると嬉しいのだけれど…」




「いえ、もう少し効果は長くないと…。私とメサイアは、王都へ行くと気軽にハヤト様に会えなくなってしまいますから…」




「シーザリオの言う通り!!」




「まあ、検証した結果が出てから考えるとしよう。悪い様にはしないから、安心して!!」





 三人は俺の言葉を聞いて心底、安心をした表情を浮かべた。





(今日から店頭に並べようかとも思ったけど…無理そうだな。否、絶対に表には出さない方が良いだろう…)





 俺は美肌効果のポーションの販売を断念する。当面はシーザリオのお墨付きが付いた下級ポーションだけを、店頭に並べてみる事にしたのだった。




 




 朝食を取り、いつもの場所へと向かうが…その途中





「ウオッカ!!テメー、いい加減にしろ!!」





 どこからか罵声と言うか、怒声が聞こえてきた。




 俺は驚いて怒声が聞こえた方向を見る。




 馬車から下ろすときに落としたのか、女性が散乱した荷物をかき集めていた。





「あっ!?」





 雇い主なのだろうか?怒声を上げていた男が女性の脇腹に蹴りを入れた。





「うぐっ!!」





 お腹を押さえ、うずくまる女性。それでも必死に荷物を集めている。周りにいる従業員風の男達が『ニヤニヤ』としながら、その光景を見つめている。助けるつもりは毛頭ない様だった。





「ごめんなさい、ごめんなさい」





 女性は地面にはいつくばりながらも謝り、それでも必死に、散らばっている荷物を集めているのだった。








【ウオッカ視点】




 私は朝食も取らずに早朝から働いている。女性としては体がとても大きく、普通の女性と比べると、倍以上の食欲がある。しかし、満足に食事も取らせてもらえていない。




 幼い頃に拾われた私は、満足な食事も与えられず、朝も夜も無く働かされていた。今ではそれが当たり前になり、奴隷のような扱われ方だった。当然の様に給料も無い。有るのは僅かな食事と寝床だけだった。お金も無いので逃げられない。





「あっ!?」





 力が出ず荷物を落としてしまった。




 慌てて拾い集める…が…





「ウオッカ!!テメェ!!」





 当たり前のように蹴りを入れられる。誰も助けてはくれない。店主のシンジさんが私に暴力を振るっても、周りの従業員は失笑しているだけ…。地獄だったが、受け身だけはうまくなり、ダメージを受ける事はほとんどなかった。





(痛いフリをして少し休もう。でも、いつまでこんな生活が続くのだろう…死ぬまでかな…)





 私は少し休んでから、地面に散乱した荷物を拾い集めるのでした。





【目覚めたファレノプシス 4】




「エ、エリクサー!?」





 思わず大きな声を出して、ブエナの肩をつかむ。





「う、うん…エリクサー、たぶん本物のエリクサーだと思う。知り合いからもらったの」




「もらったのって…簡単にもらえる物ではないだろう!?」




「うん…でも、簡単にもらった。『これ、エリクサー。お姉さんに飲ませてあげて』って…」




「そんなわけがあるか!!」




「本当だよ!!凄くいい人だったの!!」




「いやいやいや!!そんな事、あり得ない。ブエナ、あなたもエリクサーの価値が分からないわけではないでしょう!!」




「うん。伝説の万能薬!!」





 屈託のない笑顔で話すブエナを見て困惑する。嘘を言っているわけではなさそう。





「エリクサーをくれた人に会えるのか?」




「出店で人生相談所を開いてるって言ってたよ。用事があったらそこに来てくれって…」




「一度、会ってみないと…」





 今日はすでに日が暮れて真っ暗だ。




 私は明日、エリクサーをくれたという謎の人物に会いにいく事にしたのでした。

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