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神の領域の鑑定スキルを得た俺は、関わったすべての人を幸せにするつもりが、なぜか最狂のハーレムを作り上げてしまう  作者: 爆進王


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第59話 ポーション

 俺の頬にキスをしたシーザリオは『ハヤト様。この先の人生を、あなたと共に歩んでいける事を、誇りに思います。不束者ではありますが、よろしくお願いいたします』と、俺の目を見つめ、一点の曇りのない瞳をして言う。




 照れると同時に、気が引き締まる。





「まったく!!世話がかかりますね。ヤレヤレですよ」




「メサイア、あなたが言うな!!」




「うふふふっ!!」


「あはははっ!!」





 二人は嬉しそうに笑いあった。親友と呼べる友達がいるという事は、とても羨ましい事である。二人の嬉しそうな顔を見て、心からそう思うのだった。





「はい。お話も終わったようですし、夜も遅くなってきました。今日はここでという事にしましょう」




「そうですね。シーザリオの体も心配だし、今日はここまでという事で…」





 ジュリアさんの言葉に俺も同意し、それぞれ自分の部屋に戻っていった。





「アレグリア!!」





 俺は自分の部屋に入ろうとするアレグリアに声をかける。





「どうしたの?」




「ポーションを持っていないかと思って…」




「持ってるけど、シーザリオ様が飲んでいたランクの物では無いわよ」




「いいよ。ちょっと興味があるんだ」




「じゃあ、部屋に入って」




「ごめん。お邪魔します」





 俺は少し『ドキドキ』しながら、初めてアレグリアの部屋に入る。





「………へぇ~、なんか普通の女の子の部屋っぽいね」




「ふふふっ、ハヤトは武器とか防具が飾ってあると思っていたでしょう」




「い、いや…。実は少しだけ思っていたんだけど…なんか安心したよ。普通の女の子の部屋でね」




「ふふふっ、安心した?」





 アレグリアは笑いながら、クローゼットの前まで歩いていく。




 そして…ニヤリッと笑った後、思いっきり、クローゼットの扉を開いた。





「じゃん!!!!!」





 ドヤ顔のアレグリア。開いたクローゼットの中には、剣や防具、その他の冒険者アイテムが、所狭しと綺麗に並べられていた。





「………普通、クローゼットには、かわいい服とかが並べられていると思うのだけれど…」




「かわいい服を買うお金があったら、冒険者に必要な小道具が欲しいわ。ハヤトが興味を持ったポーションとかね」





 アレグリアはそう言って、クローゼットの中から、一本の瓶を取り出した。





「見た目はシーザリオが飲んでいたものと変わらないね」




「そうよ。見た目だけはね。でも、効能は天と地ほど差があると思うわよ」




「そうなんだね」





 俺はとりあえず、鑑定をするが…。





 下級ポーション Lv.2 効能 水分補給





(…ただの水じゃないか!!)





「悪い、アレグリア。もう一本、持ってないかな」




「あと一本、予備の物があるけど…。もしかして、外れポーションだったの?」




「ポーションに当たり、外れがあるのか!?」




「…うん。最近、ポーションの品質の低下が激しくてね」




「そ、そうなんだ…。ごめん、もう一本貸してくれ」





 俺はアレグリアからもう一本のポーションを手渡され、恐る恐る鑑定をするのだった。





 下級ポーション Lv.4 効能 疲労回復





(あっ!?前の物よりレベルが上がって、効能も疲労回復になってる。そもそも、下級ポーションはどのレベルの効能を求めるものなのだろうか?)





 とりあえず、分からない事はアレグリアに聞けばいいよね。





「アレグリア、一般的には下級ポーションに、どのくらいの効能を求めるものなの?」




「う~ん、難しいわね。普通に生活している人は頭痛や腹痛、風邪の症状の緩和くらいかな…。劇的な症状の改善は求められてはいないけど、ある程度は…というところだと思うわ。特に子供がいる人にとっては、このポーションの有無が命取りにもなりかねない事もあるからね」




「じゃあ、子供が体の調子を崩した時に、外れのポーションだったりしたら…」




「亡くなってしまう可能性もあるわ。実際にそういう話もよく聞くしね…だから、下級ポーションの品質の低下は、庶民にとっては死活問題なのよ」





 俺は最初に鑑定をしたポーションを手にして言う。





「このポーションの効能は水分補給だけなんだが…」




「………外れね」





 アレグリアは俺からポーションの瓶を受け取り、窓から中身を捨てる。




 そして…





「はぁ~…ハヤト、ありがとう。冒険者にとってもポーションは重要なのよ」





 アレグリアは大きなため息交じりに言う。





「冒険者が求める下級ポーションのレベルは?」




「私レベルの冒険者だと、まずは疲労回復ね。回復の度合いが高ければ高いほど良いわね。まあ、後は止血ができれば、言う事無しだけどね。ただ、これ以上の効能を求めるなら、中級ポーションを買う以外の方法は無いわね」




「そうか…ありがとう」





 俺はそう言い、何気なく、もう一本のポーションを手に取るのだった。








【アレグリア視点】




(効能が水分補給だけって…。じゃあ、水でもいいじゃん!!)





 私はがっかりしてハヤトからポーションの入った瓶を受け取り、中身をそのまま窓から外に…。中身が水と変わらないんだから、宿の前に咲く、お花にかけてあげた。





(本当に最近はポーションの品質が低下して困ったものだわ)





 私は空になったポーションの瓶を見て思う。




 数年前、国が低所得者への対策として、一般にポーションの作り方を公開し、下級ランクのポーション作りを推奨した。買い取る商店に補助金まで出して大々的に…。今では特別な知識を必要としない、言ってみれば、誰にでも作る事ができる物になった。





 しかしその結果…著しい品質の低下と、価格の暴落が起こってしまった。





(はあ~、国も良かれと思って行ってはいるのでしょうけど…結果は最悪なのよね。価格の暴落により低所得者には、たいしてお金が回らず、命綱の下級ポーションの品質は著しく低下しちゃったのよね…。おまけに補助金の不正受給の噂まで広がる始末…)





 実際、誰が作ったか分からない下級ポーションは安価で店にあふれ、下級ポーションでも出所が分かって品質が保証されている物は、以前より値が高騰してしまったの


だ。




(作り方が分かっても、誰もが品質の良い物を作れるものじゃない。私も作ってみた事があるのだけれど…効果は実感できなかった。だから買うのだけれど…)




 現在、このポーション問題は、私の様な稼ぎが少ない低ランク冒険者や庶民の悩みの一つになっているのだった。

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