第162話 揺れに揺れる!!
「グルーヴ様!?今はマッサージの最中でございます。どうかお召し物を身に着けてください!!」
「どうせ脱ぐのじゃ!!構わぬ!!」
「いけません。グルーヴ・ド・エアディドールたる者、人前に出る時は威厳を保たなければ!!」
「エアディドールの名は捨てると言っているであろう。それに!!生娘ではないのだ。夫となる殿方に裸を見られようと、一切構わぬ!!」
「あぁぁぁ~!?!?!?メサイア様!!グルーヴ様をお止めください!!!!!」
グルーヴが近づいてくるのにしたがって、揺れるお乳が鮮明になっていく…が、あまりにも『ぶるんぶるん』揺れていて、肝心の乳首がハッキリ見えない。
(くそぉぉぉ~!!揺れすぎなんだよ。ノーブラのお乳がこんなにも大暴れで揺れるなんて知らなかった!!綺麗なピンク色というのは確認できるが、もっとハッキリ見せてくれ!!!!!)
恐ろしくて、とても口には出せないが、心の中で叫んでしまう。
俺は無意識にお乳の揺れに合わせて膝を使う。
ボクシングのダッキングのように前後左右に素早く動く…が、お乳の動きを捕らえる事が出来ず、完全に見る事が出来ない。悔しい…。
「ハヤト様…なにをなされているのでしょう?」
リスグラシューがいぶかし気に見つめて言う。
「………な、なんでもない。無意識に体が動いてしまった」
バレてないよな?
俺は無意識とはいえ、自身のスケベ心を恥じる。
「…ウオッカ、止めなさい。今のお母様なら簡単に止められるでしょう」
「承知しました!!」
全裸で走ってくる母親を見つめながら、冷静に言うメサイア。
グルーヴにタックルをぶちかますウオッカ。
ウオッカの頭の上でお乳が大暴れしている。羨ましい。
「しかし………女帝と言われたグルーヴ様が、こんな醜態をさらす事になるとはね!!ハヤト様、もう逃げられませんよ!!」
「覚悟はすでに決めてある。逃げようとなんて考えていないぞ!!」
シーザリオの言葉に冷静に答えるが『この体を見て逃げようと考える男がいるのかね?いるとしたら…ロリコンのシャカール様くらいなものだよ!!』と思う。
「ええい、離すのじゃ!!離せい~!!」
ジタバタするグルーヴ。
簡単にウオッカに拘束され、御殿の中に消えていってしまった。
(あぁ…もったいない。もったいない、もったいない!!)
グルーヴの姿が見えなくなり、ガッカリする俺。もともと精力98で、しかも夜という事もあって、通常の能力の二倍。欲望を抑え込むのも大変なのであった。
しばらく待っていると、さっきの醜態など無かった事と言わんばかりのすまし顔をして、グルーヴが現れる。このあたりの切り替えの早さには驚かされる。俺の脳裏では、いまだにグルーヴのお乳が揺れているというのに…。
「ハヤト様、話はメサイアから聞きました。城と、この御殿を収納するとか、しないとか…。正気ですか?」
「当然、正気だぞ」
「いくらハヤト様でも、城や、この御殿をまるごと収納するなど…」
「できるか分からないが、一度挑戦するのは構わないだろ?できなかったら、できなかったで、残念だが他の方法を考えるから」
半信半疑という顔をするグルーヴだが、最後は笑って、城と御殿に残っている使用人やメイドを建物の中から出るように指示を出す。
さすがに巨大な建物なので、お気軽にとはいかない。
頭の中でしっかりと、城と御殿を収納するイメージを構築する。
みんなが好奇心に満ちた目で俺を見つめている。
「収納!!」
別に口に出さなくてもよいのだが、気合が入り過ぎて叫んでしまった。
すると、ものの見事に目の前にあった巨大な建物が消えたのだった。
『や、やったあぁぁぁ~!!』
全員が驚きと喜びの表情をしているが、特にアパパネが両手を大きく上げて喜んでいる。
「ふう~、成功だな。よいしょ」
収納したままではまずいので、すぐにバッグから元に戻す。
「ハヤト様、お見事でございました。このリスグラシュー、感服を致しました。実際のところ、何度驚かされ感服をしたことか、正直覚えていませんが、とにかく感服を致しました。これで心置きなく、シーザリオ島に移住できます」
ニンマリとした顔で言うリスグラシュー。
「ハヤト君、ありがとう。これで思い出と共に、新しい土地に向かえるわ」
ジュリアが俺の手を握り締めて言う。
「俺にはいい思い出なんかなにもないが、だからと言って、ジュリアに『大切な思い出を捨ててしまえ』なんて言うつもりは無い。亡くなった旦那さんとの思い出も忘れなくていい。その上で、今のジュリアを丸ごと愛するからな」
「…ありがとう」
涙ぐむジュリア。
「良かったね!!お母さん」
アレグリアがジュリアの肩をそっと抱く。
俺はその姿を見て感動し、ふたりを抱き寄せ、三人で口づけを交わす。
「よし。これで心置きなくシーザリオ島に移住できるな」
『はい!!』
「FCLの仕事が終わったら、早速シーザリオ島に渡る事にしよう」
「船!!楽しみ!!」
はしゃぐアパパネ。
「ふふふっ、アパパネちゃんがマジックバッグにベガを入れて運ぼうと提案してくれたおかげね。ありがとう」
「…ジュリアさん。これでみんな一緒にいられますね。私…嬉しいです!!」
ジュリアに抱きしめられたアパパネは、まるで母親に抱きしめられているかのように、幸せな顔をしていたのであった。
【こじらせるナナ】
「ええいっ!!放せ、放すのじゃ!!」
ウオッカにタックルされたまま部屋に押し込められたグルーヴ。お乳を揺らしながら、醜態をさらしている。
「………お母様…嘆かわしい」
「これが女帝や女傑と畏れられた女性の姿とは…」
「まるで、盛りが付いた獣のよう…」
ジタバタするグルーヴを見て、メサイアとシーザリオ、それにウオッカが呆れている。
「なにを言うかっ!!小娘が!!貴様らなど、いまだに処女であろう。どうせ夜な夜な『ハヤト様~♡』と呟きながら、一人で慰めているのであろうがっ!!」
『な、な、なにを言って…』
心当たりがあるのだろう。三人は下を向く。
「ふんっ、一緒にいるのにもかかわらず、積極的にアプローチもしない。臆病者じゃ!!いい加減に放さぬか!!ナナ、剣をっ!!」
「えっ…はい」
ナナが剣を手渡そうとする。
「ナナ、剣を渡してはいけません。いかにお母様とはいえ、剣を持たなければ、普通のおばさん。絶対に渡してはいけません」
「おばさんじゃとっ!?メサイア、誰に向かって言っているのじゃ!!この胸とお尻の張り具合。お前にも負けぬわ!!」
「見た目だけじゃないですか!!中身は30代後半のおばさんですよ!!」
「ぐぬぬぬっ、母親に向かって、よくも…。メサイア、覚悟はできているな!!ナナ、早く剣をっ!!」
ナナは剣を………渡さない。
「ナナ、なにをしている!!」
「…今のグルーヴ様は、長年、私が仕えてきたグルーヴ様ではありません。目をお覚まし下さい!!」
「なんじゃとっ!?この腐れ万年処女がっ!!」
「く、く、腐れ…万年………処女!?」
ナナが剣を落とし崩れ落ちる。
そして…
「うわあああああぁぁぁ~~~!!!!!」
大粒の涙を流し号泣する
『……………』
部屋に響き渡る泣き声に、さすがのグルーヴも『腐れ万年処女』はまずかったと思い、バツの悪そうな顔をしている。
「お母様…さすがにそれは………」
「20代の私たちに言うならともかく、30代後半のナナさんに言うのは…」
メサイアとシーザリオが諫める。
泣きやまないナナを見て、冷静さを取り戻したグルーヴ。
「ナナ、すまなかった」
「グルーヴ様は、この先ナナと親友として付き合ってほしいと言われたのに…この仕打ち………酷いです」
「つい我を忘れてしまったのじゃ。本意ではない。信じて欲しい」
「ぐすんっ…本当ですか?」
「本当じゃ!!」
「…分かりました」
ようやく泣きやむナナを見て安堵するグルーヴ。
何事も無かったかのように冷静に『下着を』とナナに指示を出す。
ナナも何事も無かったかのように、下着を用意しドレスを着せていく。
「皆の者、行くぞ!!」
グルーヴは颯爽と部屋から出て行きハヤトの元へ。
「………ナナ、お母様も悪気はないと思うの。許してあげて」
「そうよ。ああゆう人だから、本当に悪気はないとおもうわ」
「グルーヴ様はツンデレなだけだと思う」
メサイアとシーザリオ、そしてウオッカがナナを気遣う。
しかし…
「私…グルーヴ様に罵られると興奮するので………心配は無用です。グルーヴ様~、お待ちください~♡♡♡」
嬉々としてグルーヴを追いかけていくナナ。
唖然とするメサイアとシーザリオ、そしてウオッカ。
そして、二人の背中を見つめながら『心配して損した!!!!!』と、吐き捨てるのであった。




