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神の領域の鑑定スキルを得た俺は、関わったすべての人を幸せにするつもりが、なぜか最狂のハーレムを作り上げてしまう  作者: 爆進王


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第149話 漆黒のグラン

 グランが小さくなり、グルーヴの胸の中に飛び込む。





「柔らかくて気持ちいい!!」





 無邪気にはしゃぐグランの顔は、グルーヴの巨乳に埋もれている。





「ふふふっ、可愛いのう。今まで動物を飼おうと思った事もあったが、全く懐かずに諦めておったのじゃが…グラン、わたくしの事が恐くないのか?」




「恐い?全然!!」




「ふふふっ、さすがは伝説の魔獣…といったところか」





 グルーヴは目を細め、自らの胸に埋もれているグランを愛でる。





「はははっ、グランも可愛いが、グルーヴも可愛い所があるじゃないか。グランを抱いて愛でてるところは、まるで少女のようだよ」





 驚きの表情から、途端に顔を真っ赤にするグルーヴ。





「常に周りの人間から恐れられていたわたくしを…ハヤト様は可愛いと言うてくれるのか!?………四十が見えてきたわたくしに対して!?」




「普通に可愛いと思うよ。まあ、始めて会った時は、正直に言って恐ろしかったけど、今は表情が柔らかくなって可愛いぞ。美肌ポーションを飲んだんだろ?自分で言うのもなんだけど、効果抜群だと思う。メサイアと並んでみなよ。母娘というより、姉妹に見えるから!!」




「うふふふっ、お母様。いえ………グルーヴお姉様」





 メサイアがグランを自分の胸に抱き寄せ、少し茶化すように言う。





「メ、メサイア!?母をからかうでないわ!!」





 さらに顔を赤くして、グルーヴはそっぽを向く。





「いいね!!その表情と仕草。昨日までとのギャップがたまらん!!」





 俺はグルーヴの顔を覗き込み、瞳を見つめる。




 至近距離で見つめられ、グルーヴは『ハ、ハヤト様まで、わたくしをからかって!!』と照れながら、俺を抱き寄せ、自らの胸に沈める。





「こ、これは!?ジュリア並み!!いや…それ以上か!?体を鍛えているせいもあるのだろう。弾力性が半端ない!!異次元の感触だ!!」





 俺は巨乳の海を漂いながら思う。




 しかし、グランが俺とグルーヴを引き離すように服を引っ張ってくる。





(邪魔をするなグラン!!俺はこのままグルーヴの胸の谷間で窒息したいんだよ!!)





 俺は離れまいと、必死にグルーヴの腰にしがみつく。




 しかし『ご主人様、早く色を決めて!!待ちきれないよ!!』とグランはさらに力を強める。





(あっ!?そうだった!!グランの色を決めるんだったっけ。何色が良いかな?巨乳色!!いやいやいや、そんな色はない。さすがに殴られるかもしれん…)





 『俺が元いた世界には、女性の胸の谷間に顔をうずもれながら、物事を考えるという習慣があるんだよ』と、グランに諭す…が…





『そんな訳ないでしょ!!』





 みんなから総ツッコミを入れられ、グルーヴの胸から引き離されてしまった。





「冗談だよ。グランの色か、ちゃんと考えてるよ」




「どうだかね?」





 アレグリアの視線が鋭い。





「そ、その目つきは止めなさい!!グランの色は…グランの色は………黒だ!!そう、漆黒のグラン!!どうよっ?」




『漆黒のグラン!!』




「そうだ!!真っ白なグランの体は、黒の首輪やサポーターを身に着ける事で、一層その美しさが際立つと思う。グラン、どうかな?」




「…漆黒のグラン、漆黒のグラン………漆黒のグラン!!ご主人様、とってもいい感じだよ。気に入った!!」




「よし。リーズに帰ったら、ブロディさんに装備を発注する事にしよう」





 嬉しそうなチビグランが走り回る。





「赤、桃、青。そして…黒!!その名はFCLよ!!」





 アレグリアが槍を頭上で回して戦闘態勢を決める。




 グランが再び大きくなりアレグリアを背に乗せると、ファレノプシスとウオッカが腕組みをして両脇に立った。




 


「決まったわね!!!!!」





 アレグリアが上機嫌で言い放つ。




 これにはファレノプシスとウオッカも満足そうな表情をしている。





『カッコいい!!強そう!!』





 アパパネとブエナが拍手をして喜ぶ。




 グランが『ぐおぉぉぉ~』と雄叫びを上げると、三人は『どや顔』を作る。結構単純。





「ふふふっ、私の攻撃をかわせるかな?」




『!?』





 シーザリオが部屋の中にもかかわらず、FCLに向かって水魔法を放った。




 無数の水の弾丸がFCLを襲う。




 しかし…





「ぐおおおおおぉ~~~!!」





 グランが雄叫びと共に氷魔法を放つと、水の弾丸はFCLに届く前に凍り付き、バラバラと床に落ちる。





「!?………さすがね、グラン!!」





 シーザリオがニヤリッと笑う。





「凄いな!!じゃあ、俺の炎も凍らせて見せてくれ!!」





 俺は火魔法を放つ。





「ふふふっ、今度は私が!!」





 グランに跨ったまま、アレグリアが俺が放った燃えたぎる炎に向かって槍を一閃する。




 しかし…炎はなんなく突破しFCLに向かっていく。





「う、うわあぁぁぁ~!!ダメ、ダメ、ダメ!!ごめん、グラン、お願い!!」




「分かったよ!!ご主人様の攻撃だって止めちゃうんだから!!ぐおぉぉぉ~!!」





 グランが氷魔法を放つ…が、何事も起こらず、炎はFCLに向かう。





「ちょおぉぉぉ!?ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ!!これはヤバい!!!!!」





 FCLが血相を変えて左右に飛ぶ。





「あっ!?」





 火魔法は間一髪でFCLの横を通り抜け、壁を何枚も突き破り、屋敷の外で大爆発を起こした。





『……………』





 誰もが呆然と立ち尽くしている。




 しかし、その間にも炎の渦が屋敷を襲う。





「ハヤト様!!なんて事をするんですか!!あれだけエアディドールに向かう馬車の中で魔力の調整の練習をしたというのに…なんの役にも立ってないじゃないですか!!加減ってものがあるでしょう。加減というものが!!!!!」




「わ、悪い、シーザリオ。上手い事調整できると思ったんだが…すまん!!すぐに消すから!!」





 俺は炎を消そうと風魔法を放つ。




 しかし…突風にあおられ、炎が勢いを増してしまった。





「どうしよう!?どうしよう!?」





 パニックになった俺は、魔力を全開にして、使った事の無い氷魔法を放つ。





「!?」





 炎は消えた…消えたのだが、全ての物が凍り付き、極寒の地に変わってしまった。





『ぎゃあぁぁぁぁ~!!!!!』




「ヤベーーーーー!!!!!溶かさないと!!」





 俺は再び火魔法を放つ。





「……………」





 目の前には燃え盛る炎が屋敷を包み込む。





「ハヤト様!!もう何もしないでください!!FCL、それにグルーヴ様とメサイア。全力でハヤト様を止めてください!!私が消火します!!」





 俺が動けないように全力で体にしがみつく美女と美少女。恥ずかしながら、彼女たちのぬくもりで正気を取り戻す。いくつもの柔らかい感触が俺を優しく包み込んでくれた。




 シーザリオが魔力フルパワーで水魔法を放つ。




 なんとか消化できたのだが、まだ魔人の体に慣れきっていないシーザリオが魔力切れを起こして倒れてしまったのだった。








【王都に到着したシェイディ】




「若!!城門が見えてきました!!」




「うむっ、ようやくだな」




「しかし…あれはっ!?」




「………ランセット様とネイチャ様、それに…アート様までおられる。もしや!?父上の身になにかあったのかも…、急げ!!」




「はっ!!」





 手綱をしごき、馬を加速させる。





「シェイディ殿!!」





 ランセット様が馬上から手を振って近づいてきた。





「シャカールに…シャカールに………」




「!?…父上が………もしや…賊の手にかかり…」





 僕は最悪の結末を覚悟する。





「シャカールに…髪の毛が生えた!!」





 思わず僕とアニーは落馬しそうになる。





「こんな時に、冗談はやめてください。父上の親友である皆さんが城門前で、僕を待ち受けているのは、エアディドール家にとって不測の事態が起こったという事なのでしょう」




「不測の事態?あぁ…我々にとっては不測の事態ではあるが………、エアディドール家、特にシャカールには…奇跡が起こったのだ!!」




『………奇跡!?』





 ランセット様の言葉を受け、僕とアニーは顔を見合わせる。アニーも事態を理解できずに、困惑した表情を浮かべていた。





「とにかく!!シャカールがなにも話さない。親友の俺たちにもダンマリだ。そこで、シェイディ殿が王都へ向かっているという情報が入り、ここで待ち受け、事の次第を問いただそうとしたわけなのだ」




「…全く意味が分かりません」




『貴公もしらばっくれるのか!!』





 ここでアーキュリー王国で名うての剛の者にして父上の戦友、ネイチャ様とアート様がしびれを切らし威圧してきた。




 肌にビリビリと痛みが走る。




 しかし、エアディドール家の跡取りとして、怯んだところを見せるわけにはいかない。




 僕は毅然と二人の目を見返す。





「二人とも、シェイディ殿はグルーヴ殿も認めるほどの立派な公爵家の跡取り。圧力をかけたところで情報を漏らす事はないだろう」




『なら…どうするのだ!!』




「今、噓か誠か…『エアディドール公爵家に謀反の噂有り』という情報が流れてきている。場合によっては力を貸す………というのはどうだろうか?」




『!?』





 なにやらとんでもない提案をしてきたランセット様。アニーと顔を見合わすが、驚きの表情を通り越し、言葉を失っている。





「エアディドール家が謀反を企てるなど、あり得もしない事を口にするのはやめて頂きたい」




「本当にあり得もしない事かな?」




「そ、それはどういう意味ですか?」




「もともと王家とグルーヴ殿は折り合いが悪い。現王が即位したときにも、グルーヴ殿を推す声も大きかった。そして…今、この平和な時代にエアディドールは軍備を増強している。直近の情報では兵糧の調達まで始めたと、噂が流れてきておる。図星であろう?王家の中にはこの際『エアディドールを討つべし!!』という声も、有るとか無いとか」




「皆さんと同じく、エアディドールは武闘派。日々の軍事訓練や武器の調達は、平時においても怠る事はありません。そんな事は当然でしょう?それに…」




「それに?」




「………エアディドールを狙う者有り、という情報があります。兵糧の調達は、万が一の事態を考えての事です」




「ふふふっ、その相手が王家という事か………髪の毛の事は一旦忘れても、血が湧きたつ思いではあるな」





 ランセット様はネイチャ様とアート様を交え、なにやら談合を始める。





「王都の中で、そのような噂が流れているのは、エアディドールとしても捨て置けません。一刻も早く、父上の元に参らなければならず、私たちはこれで失礼します」




「ま、まだ話は終わってはおらん!!シェイディ殿!!」





 僕とアニーはランセット様の言葉を振り切り、王都のエアディドールの屋敷まで疾走するのであった。

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