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神の領域の鑑定スキルを得た俺は、関わったすべての人を幸せにするつもりが、なぜか最狂のハーレムを作り上げてしまう  作者: 爆進王


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第117話 魔獣グラン

 俺はプラチナウルフとじゃれ合いながら『愛い奴だ。お前は俺のもの。絶対に離さないぞ!!』と言いながら抱き着いた。




 次の瞬間、狼の体が光り輝く。





「ま、眩しい。何が起こった!?」





 光が収まっても、見た感じはなんの変化も感じられないが、どう表現すればいいのだろう、プラチナウルフと心が繋がった感覚がする。




 俺はプラチナウルフと見つめ合う。





「ご主人様!!」





 脳内に声が響き、俺に飛びかかってきた。





「ぐおっ!?」





 俺はプラチナウルフにのしかかられ、どうにか顔だけが見える状態。しかしその顔も舐められて、すぐに唾液まみれになってしまった。





「待て、待て、待て。待ちなさい!!」





 俺は思わず怒ったような口調で言う。




 ちょっとしょげたような顔になるプラチナウルフが可愛い。





(ご主人様の体から湧き出してくる魔力が美味しくて止まらないのよ!!)




(んっ!?)





 また俺の顔を舐めようとしてくるプラチナウルフに違和感を感じる。





「お前、喋った?」




「なに言ってるの?ご主人様が私をテイムしたんでしょう!!」




「………テイムとは何ぞや?」




「…えっ!?テイムを知らないの?」




「知らん!!」




「嘘!?私はテイムを知らない人間に…、そんなのあり得ないわ!!」





 呆然とするプラチナウルフ。





「悪いな。俺は異世界から転移して来たんだ。だから、この世界の事情がよく分かってない。鑑定スキルで君がプラチナウルフの女の子という事は分かった。それ以外の事は、あえて見ていない。でっ、テイムとは?」




「………要するに、私はあなたに使役されてしまったという事。私はあなたの命令に逆らえないけど、あなたは私を養う義務がある」




「養う義務!?面倒じゃん。解除でお願いします!!」




「なんでよ!?一度テイムしたら、そう簡単に解除はできないわ。すでにあなたには私を養う義務が発生しているの。責任取ってよね!!」





 プラチナウルフはそう言って、再び俺の顔を舐め始めた。





「…責任取ってよって。まあ、ペットと考えればいいのかな?」





 俺は漠然とそんな事を考えながら、しばらくプラチナウルフに顔を舐められ続けていた。





「あぁ、美味しかった!!ご主人様の魔力は最高のごちそうだわ」




「…プラチナウルフよ。いや、呼びにくい。名前を付けてもいいか?」




「ご主人様の思うがままに」




「う~ん。なかなか立派な体をしているよな。よし、お前の名前は…グランだ!!」




「…グラン。私の名はグラン!!いい名前だね。ありがとう、ご主人様!!」





 グランの体が再び光り輝く。





「眩しい。この流れは!?もしかして進化する?」





 強烈な光が収まり、俺はゆっくりと目を開ける。




 そこには…何も変わらない姿のグランが座っていた。





「見た目は変わらないが、一応、もう一回、鑑定をしてみるか」





 グラン 雌 16歳 プラチナウルフ(魔獣) 属性 氷




 戦闘 081 政治 006 内政 007 謀略 054




 魔法 065 家事 001 料理 001 生産 058




 創造 023 商業 012 建築 032 魅力 078




 外交 006 交渉 035 信用 100 採掘 065




 鍛冶 001 研究 062 狩猟 087 解体 …





(なんかヤバそうな数値だな…魔法!?いや、ただの獣だったのに魔獣になっとる!!)





 俺は慌てて魔法を選択する。




 水E 火F 風F 土F 光F 月F 氷A





「…グランは魔法を使った事ある?」




「魔法?私はただの獣だよ。使えるわけないじゃない。私の武器は牙と爪だけだよ」




「おそらくテイムした事により、意思の疎通ができるようになったのだと思う。そして名付けした事により獣から魔獣に進化して、魔法が使えるようになったみたいだぞ!!」




「本当!?」




「あぁ、氷属性みたいだ。待ってろ。今、魔法が使えるようにするために、グランの体の中の魔力を循環させてやるから…」





 グランの背中に手を当て自分の魔力を送り込む。体内でグラン自身の魔力と融合させ、体の隅々にまで循環させる。




 グランの体から再び光が発せられた。いや、正確に言うと、グランは繋がっている俺の体と同化したように、俺の体と共に強烈な光を放った。




 やがて光が収まり、グランと顔を見合わせる。





「グラン、大丈夫か?」




「う、うん。大丈夫だよ。でも、今のは?」




「分からん、でも、なんか成功したみたいだ」





 俺は手でお湯をすくい取る。





「グラン、魔法でこのお湯を凍らせて見せてくれ」




「どうやって魔法を発動するの?」




「魔法はイメージ。頭の中でこのお湯が凍るところをイメージするんだよ」




「やってみる!!ぐるるるっ」





 グランはそう言って、唸りながら俺の手の中のお湯を見つめるのであった。








【ジュリア視点】




(…お貴族様も大変なのねぇ)





 公爵様。メサイア様の御父上、シャカール様が王都の屋敷に多くの愛人を囲っている話を聞かされて思う。





(…確か亡くなった前公爵様には息子がいなく、シャカール様はその剣の腕前を認められて、騎士爵家から公爵家に養子として迎えられたはず。グルーヴ様だけを愛しており、側室や愛人はおいでにならないと聞いていたんだけど、噂は当てにならないわよね…)





 私は目を閉じ温泉に浸かりながらため息を付く。





(でも…この世界は力あるものが異性を多く囲う事ができる。ひょっとしたらグルーヴ様も若い男性をはべらせているのかも…)





 そして思わず『グルーヴ様は確か私と同じくらいの歳だと思ったのですが、今もその美貌は増すばかりと聞いています。権力と美貌、おまけに最強と呼ぶにふさわしい実績もあります。若いツバメが何人もいても…』と、ついつい下世話な質問をしてしまう。





 苦笑いするメサイア様。





「確かに庶民から見れば『貴族なんてそんなもの』というイメージがあるでしょうね。否定はしません。しかし…お母様は剣一筋。今も日々、研鑽に励んでおられます」




「そうね。私から見れば、まるで修行僧のような生活に見えるわ。私には無理!!だいたい、グルーヴ様は男を繁殖相手としか見ていないのでは?」




「ふふふっ、確かにそういうところはありますね。まあ、貴族の結婚に恋愛要素はないに等しいのです。すべてはお家のため。お父様とお母様は利害関係の一致で結婚したに過ぎないのです」




「グルーヴ様は公爵家の跡取りを残すために。シャカール様は自身が成り上がるための結婚か…世知辛いが、これが貴族社会の現実ですね」




「そうですね。でも…私たちはハヤト様と出会えて、本当に幸せですね!!」




「だよねっ!!」





 私はメサイア様とシーザリオ様の話を聞いて『庶民でよかった!!』と心から思う。





「ただ…私は幼い頃よりお母様から『強い男の子供を産め』と言い聞かされてきました。それがエアディドール家のためになると…。さらにお母様は『もしも私より強い男が現れたのならば、私はその男の子供を産む!!』と言っていまして…。ハヤト様がお母様と戦って勝ってしまうと…、もしかして、もしかすると…」





 そう言ってメサイア様はお湯の中に顔を沈めていく。




 微妙に空気が広がり、誰も口を開かない。




 しばらくの間、温泉内ではアパパネとブエナのはしゃぐ声しか聞こえないのであった。

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