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神の領域の鑑定スキルを得た俺は、関わったすべての人を幸せにするつもりが、なぜか最狂のハーレムを作り上げてしまう  作者: 爆進王


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第113話 黒猫を抱き上げ…口づけを!!

 ほどなくして、ストームさんたちも変化に成功する。おっさんがお尻を突き出しているポーズは気持ち悪かったが、いざ黒猫に変化すると可愛い。





(…28匹の成猫と子猫か。一瞬にしてモフモフ天国だな。それにしても、暗闇で気配を消され、息を潜められたら、絶対見つけられない自信がある)





 俺は黒猫軍団を見渡しながら思う。




 アパパネとブエナが子猫を幸せそうな顔をして抱きかかえている。




 他のみんなも、頭や背中を撫ででいる。





「見て見て、むっちゃ可愛い!!」





 アレグリアが三匹の子猫を抱きしめ俺に見せてきた。





(ふふふっ、アレグリアは無邪気だな)






 アレグリアの目を見つめながら『黒猫たちも可愛いが、アレグリアのほうが、もっと可愛いよ!!』と、言ってみた。




 一瞬で顔を真っ赤にし照れるアレグリア。可愛い。




 正直、言った俺自身も恥ずかしい。




 照れ隠しに黒猫を抱き上げ、口づけをした。





「あっ!?ハ、ハヤト!!」





 アレグリアが慌てる。





(ふふふっ、猫ちゃんにキスをしたから、嫉妬してしまったのかな?本当に可愛いな!!アレグリアは…)





 キョトンっとしている黒猫に、もう一度、口づけをする。




 シーザリオとメサイアが子猫を抱えてやって来た。何か言いたそうな顔をしている。





(みんな猫に嫉妬しているのか、これでは気楽に猫を愛でる事さえ難しいな)





 苦笑いをしながら、もう一度、黒猫を見つめる。




 しかし、なぜか微妙な空気が流れる。黒猫も何気によそよそしい感じがする。





「どうした?」





 何か言いたそうにしているアレグリアに声をかける。





「ハヤト、言いずらいんだけど………、その黒猫、ストームさんだから…」




『ククッ、クククッ』





 アレグリアの言葉に、シーザリオとメサイアが必死に笑いを堪えている。





「……………」





 黒猫ストームと見つめ合う。




 黒猫ストームも、どことなく居心地が悪そうにしている。




 静かに黒猫ストームを地面に置く。




 煙に巻かれ、変化が解除されると、おっさんストームが姿を現した。




 見つめ合う俺とおっさんストーム。





「申し訳ありませんでした。ストームさんという事を忘れていました」





 俺は頭を90度下げ、陳謝する。





「そんなに謝られても…何て答えたらいいものか………。とりあえず、おっさんで申し訳ない」





 ストームさんも頭を下げた。





『あはははっ!!最高ですよ、ハヤト様!!』





 シーザリオとメサイア、それにアレグリアが笑いをこらえきれず、大爆笑したのであった。





「さあ、夜も更けてきました。俺たちは休みますが、ストームさんたちはどうします?」





 俺は気分を切り替え、何事も無かったかのように聞く。





「私たちは夜行性なので、このあたりの森の中で静かにしています。とはいえ、ハヤト様たちを狙う魔物や魔獣、それに野盗や獣がいましたら、出来得る限り排除しますので、安心してお休みください」




「それは助かります。では、明日の朝、ここで」





 ストームさんが一族を引き連れて、森の中に入っていった。




 子供たちが手を振ってくれたので、俺たちも笑顔で手を振る。





「良かったね。ストームさんたちが見張りを引き受けてくれるみたいだよ」




「ありがたいとは思いますが、私たちも交代で見張りをします。可能性は極めて低いと思いますが、ストーム殿たち、黒影猫族では対応できないほどの大物が出る事も考えられますので…」




「そうか、ありがとう」





 少しでも食料が残っていると、その匂いが魔物や魔獣、その他の獣を呼び寄せてしまうという事だ。




 俺たちは全員で食事の後片付けをする。




 アパパネとブエナが眠そうに目をこすっている。





「二人とも眠そうだな」




『ごめんなさい…です』




「はははっ、謝らなくていいよ。おいで!!」





 俺はアパパネとブエナの手を取る。




 二人が俺の腕にしがみついた。





「半分寝ているじゃないか。しっかりしているが、まだまだ子供なんだね」




「ふふふっ、今日は旅の初日で、少しはしゃぎ過ぎたのかもしれないわね」





 ジュリアは完全に母親目線。愛おしそうに二人の頭を撫でる。





「よし。アパパネ、ブエナ。今日は一緒に寝よう!!」




『…は~い。むにゃむにゃ………一緒です』





 俺はすでに寝ぼけている二人を両脇に抱きかかえる。





「じゃあ、悪いけどシーザリオとアレグリア。見張りをお願い!!んっ、どうしたの?」





 俺は二人に声をかけ、テントのほうに歩いて行こうとするが、シーザリオとアレグリアにメサイアとファレノプシスも加わり、大慌てで何か話し合いをしている。





「ハヤト、二人はお母さんに任せたほうがいいんじゃないかしら!!」




「そうですよ。やはり子供の世話は、経験者に任せたほうが…」




「ブエナは寝相が悪いですから、離れたほうが…」




「万が一のため、私たちがハヤト様の脇を固めたいので…その…私たちが、ハヤト様の隣で…」





 アレグリアとシーザリオ。それにファレノプシスとメサイアが、何やら必死の形相で俺に訴えかけてくる。





「はははっ、たまにはこういうのもいいんじゃないかな。普段の生活と違うのも、結構楽しいよ」




『そ、そうですか………』





 俺はそう言ってテントの中に入っていくが、四人は呆然として立ち尽くしていたのだった。








【リスグラシュー視点】




(ふふふっ、ハヤト様の寝顔、可愛らしいですね。横を陣取るアパパネとブエナが羨ましい)





 みんな寝静まったころ合いを見計らってテントを抜け出す。





「リスグラシュー、どうしたの?おしっこなら見張っていてあげるから、川の近くまで行って…」




「…アレグリアさん、違います。私はシーザリオ様とお話があるんです」




「あっ、そうなんだ。シーザリオ様は今、見回りに行っていて…良かった。帰って来たわ」





 見回りから帰ってきたシーザリオ様に向かって頭を下げる。





「見回りありがとうございます」




「うむっ。リスグラシュー、あなたが来る頃合いだと思っていました。黒影猫族の事ですね」




「はい。族長のストーム殿と、今後に向けての話し合いをしたいと思っています。その前にシーザリオ様にも話を通そうと思いまして…」




「ふふふっ、ストーム殿」





 シーザリオ様の足元から黒猫ストームが現れ、変化を解除して元の姿に戻った。





「うわっ!?全く気付かなかったわ!!」




「本当に!!何の気配も感じられなかった…」





 アレグリアさんと私は驚きの声を上げる。





「黒影猫族の能力、ハヤト様のために使ってくださいませんか?」





 ストーム殿に向かって深々と頭を下げて言う。





「あなたがハヤト様から私たちの事を任されたリスグラシュー様ですね。シーザリオ様から大まかなお話は聞かせていただきました。ハヤト様は命の恩人。喜んで子々孫々までお仕えする事をお約束します」




「感謝いたします。これはまだ試作品なのですが、先程作った物です。おやつ代わりに食べてください」




「魚のすり身…ですかな?」




「はい。正確には魚のすり身の他、さまざまな食材が入っていますが…。それは秘密としておきましょう。この食材の名前は…そうですね。『ちゅーちゅ』としておきましょうか」




「ちゅーちゅ………ですか…」





 ストーム殿が爪ですくってひと舐めする。





「こ、これは!?と、とまらん!!!!!」





 猛烈な勢いで舐めるストーム殿。





「ふふふっ、気に入ってもらえたようで幸いですわ。しかし…」





 ストーム殿からちゅーちゅを取り上げる。





「あぁ…なぜ!?リスグラシュー様、ちゅーちゅを取り上げるのですか!!」




「ストーム殿、食べ過ぎには注意です。どんなに美味しくても、食べ過ぎたら毒になりますからね」




「ぐっ…そ、そうですね」




「ふふふっ、残りは皆さんでお分けください。安心してください。ハヤト様に忠誠を誓えば、これからずっと、ちゅーちゅを食べる事ができますよ」





 ストーム殿はちゅーちゅの入った入れ物を凝視している。





「今は引き続き、陰ながらハヤト様の身の安全を守るお仕事をお願いします」




「承知いたしました!!」





 ストーム殿は大事そうにちゅーちゅの入れ物を抱えて森に入っていった。





「くくくっ、リスグラシュー。餌付けとは…お前も悪だのう~」




「シーザリオ様、餌付けとは人聞きが悪い。贈り物をしただけ、私の感謝の気持ちですよ」




「ふふふっ、感謝ねぇ~」




「そうですよ。純粋な私の気持ちですわ」





 シーザリオ様と私は目を合わせ『ニヤリッ』とほくそ笑むのでした。

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