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神の領域の鑑定スキルを得た俺は、関わったすべての人を幸せにするつもりが、なぜか最狂のハーレムを作り上げてしまう  作者: 爆進王


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第104話 魔法はイメージ

「頭を冷やせ、脳筋騎士!!」





 シーザリオがずぶ濡れになったメサイアに向かって言った。どうやらメサイアの頭を冷やすために、シーザリオが魔法を使ったようだった。




 頭から水をかぶり『キョトン』とするメサイア。ちょっと可愛い。




 俺は苦笑いをしながらメサイアに近づき『ウオーム』と呟く。ずぶ濡れのメサイアを生活魔法を使い乾かしていく。





「ありがとうございます、ハヤト様。シーザリオ!!酷いじゃないですか!!」





 俺に丁寧に頭を下げたかと思ったら、メサイアは顔を真っ赤にしてシーザリオに詰め寄る。





「何が酷いものですか!!ハヤト様は魔法を制御する訓練をしに来たのよ。勝手に剣を教え込もうとしないで!!」




「うっ…、で、でも、お母様は剣士。剣を使えたほうが好感度も上がるというものです」




「1か月かそこらでグルーヴ様が納得するほどの腕前まで持っていけると思うのか?」




「う~~~ん。…少し…厳しい……ですかね」





 シーザリオの言葉を聞いてメサイアは考え込む。





「メサイア、人には向き不向きがある。護身目的ならともかく、俺は本格的に剣を使うつもりは無いよ」




「…ハヤト様」




「中途半端に剣を使えるようになっても、グルーヴ様を納得させる事はできないと思う。特に本人が達人の場合、逆効果になりかねない」




「そう…ですね」





 メサイアは残念そうに俺から剣を受け取り鞘に納めた。




 


「三人もまだ動けないだろうから、メサイアも少し休憩をしててよ。シーザリオ先生、頼むよ」




「ふふふっ、先生だなんて…。ハヤト様の魔法の威力と比べたら私の魔法など子供の戯言です。ですが、教えられる事は全てお教えします」





 俺とシーザリオは魔法を制御する稽古に入るのだった。





「ハヤト様、魔法はイメージです。おそらくハヤト様は火魔法を放たれたとき、頭の中に大きな火玉をイメージされたはず」




「確かに…イメージした。あっ!?最初は手の平サイズの火玉だったような気がする。でも、あの時調子に乗って、段々と大きな火玉をイメージしたんだった。その大きくイメージした火玉に魔力を注入していったから大惨事が起きてしまったのか…」




「ハヤト様、原因がわかりましたね。信じられない事ですが、ハヤト様の魔力量は底なしです。ならば、後は繰り返し練習をするだけ。指先ほどの大きさの火玉をイメージして、あの岩に向かって放っていきましょう」




「分かった」





 俺は右腕を伸ばす。そして拳を握り、人差し指だけを伸ばす。




 高さが1メートルほどある岩に狙いを定め…放つ。





「あ、あれっ!?」





 指先から火の弾丸が放たれたのだが、岩には上手く命中しなかった。





「ハヤト様、火が飛んでいく軌道までイメージしてください。慣れれば自然とできますが、慣れるまではイメージしないと命中率が下がります」




「なるほど…ありがとう、シーザリオ。やってみる!!」





 俺はシーザリオのアドバイスを頭に入れ、繰り返し練習をするのであった。




 しばらくすると、バラバラだった軌道が徐々に定まってきた。





「ハヤト、魔法を放つとき、技の名前を言ってから放ったほうがカッコいいわよ!!」




「アレグリア、もう大丈夫なのか?」




「えぇ、大丈夫よ!!メサイア様、続きをお願いします!!」




「うむっ、なかなか見上げた精神力をしていますね。ですが、今は休んでいなさい。私はハヤト様の魔法の練習を見学したいのです」




「了解しました!!」




「はぁ~、脳筋が二人に…」





 アレグリアとメサイアの会話を聞き、呆れ顔のシーザリオがため息を付く。





「アレグリア、技の名前を言うと命中率が上がるのか?」




「私は魔法を使えないから分からないけど、言ったほうがカッコいいじゃない!!」




「カッコいいかぁ~?」




「カッコいいわよ。ですよねぇ、シーザリオ様。シーザリオ様も技の名前とか決めポーズなんか考えてますよね!!」




「えっ!?わ、私は特に考えてはいないが…」





 いきなり話を振られたシーザリオが困惑している。





「ええぇぇ~!?ウオーターボール!!とか、ウオーターロケットパンチ!!とか。魔法に名前を付けたほうがカッコいいですよ。絶対に!!」





 シーザリオの顔が引きつる。自分が『ウオーターロケットパンチ!!』と言って、魔法を放つところを想像しているようだった。





「遠慮しておこう」




「…そうですか」





 アレグリアはシーザリオに断られて残念そう。だが、すぐに諦めて俺のほうを見る。そして『ニッコリ』と微笑む。





「私がハヤトの技の名前と決めポーズを考えてあげましょうか?う~ん、火の魔法だから…ファイヤー何とか、では単純すぎるか。デンジャラス・ウルトラ・ファイヤーアタック何てどうかしら?」





 こんな事を言い出し、何やら決めポーズらしき物を考えるアレグリア。





「アレグリア、そういう事は、もう少し上手く魔法を使えるようになったら考えるよ。弱いのに技の名前を言ったり、決めポーズなんかをしたら、逆にカッコ悪い」




「確かに。じゃあ、私も強くなる。お互いに強くなったら二人で考えましょう!!メサイア様、稽古の続き、お願いします!!みんな、がんばろう!!」





 アレグリアがファレノプシスとウオッカに向かって叫ぶ。




 1対3の激しい戦闘が始まった。




 俺も一安心をし、シーザリオと共に魔法の訓練を続けるのであった。








【稽古の様子 ③】




 ファレノプシスの高速の突きがメサイアを襲う。しかし、メサイアは涼しい顔をして交わしていく。





「どうした?ファレノプシス。踏み込みが甘いぞ!!」





 ファレノプシスに檄を飛ばすメサイア。だが、ファレノプシスはアレグリアのように突っ込んでは行かない。あくまで『メサイアの間合いには入らない』という戦い方に終始している。




 ファレノプシスが攻撃を仕掛け、メサイアが交わす。




 一進一退の攻防が続くが、その中でもファレノプシスはフェイントを織り交ぜたり、動きに緩急を付けたりしていた。




 突然、ファレノプシスが足を使いだした。メサイアを中心にして円を描くように動き、攻撃を繰り出していく。




 いつの間にか、メサイアの表情も真剣になっている。




 どんどんとファレノプシスの動きが速まっていき、高速の突きやなぎがメサイアに向かって繰り出される。




 だが、ファレノプシスの攻撃の全てを受け、鮮やかにかわしていくメサイア。




 ファレノプシスは一度距離を取る。




 仕切り直して息を整えようとする…が、ここで初めてメサイアがファレノプシスの間合いに踏み込んできた。





「休ませませんよ!!」





 メサイアがファレノプシスに襲いかかる。





「くっ!?」





 防戦一方になるファレノプシス。





「ほらほら!!どうしました。もう足が動きませんか!!」





 何とかメサイアの攻撃をしのいでいたファレノプシスであったが、体勢を崩したところにメサイアの蹴りが叩き込まれた。




 後ろに吹っ飛ぶファレノプシス。何とかすぐに立ち上がるも、目の前にはメサイアが…。




 メサイアはニコリッと微笑み『病み上がりとしては合格です。しかし…全盛期の実力を取り戻すには、もう少し時間がかかりそうですね。ファレノプシス、楽しみに待っていますよ!!』と言い、剣の柄をファレノプシスのみぞおちに叩き込んだ。




 ゆっくりと倒れていくファレノプシス。だが、その顔は現状の力はすべて出し切ったという、満足した表情をしていたのだった。

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