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神の領域の鑑定スキルを得た俺は、関わったすべての人を幸せにするつもりが、なぜか最狂のハーレムを作り上げてしまう  作者: 爆進王


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第101話 女帝グルーヴ ②

「この国の事を憂いているんだ」





 俺の言葉を聞き、リスグラシューが立ち上がった。




 そして…





「お気持ち…痛いほど分かります。ハヤト様がこの世界に降臨し、ある程度の時間が経ちました。この国の腐敗した部分も見えてきたと思います。当然、このリーズという城塞都市も例外では無く腐敗しています。そうですよね?」





 リスグラシューはそう言って、シーザリオのほうを見る。





「あぁ…そこは間違いない。私は徹底的に調査を指示してはいる。しかし、問題が見つかって報告しても、握りつぶされる可能性が高いな。何しろリーズには金がある。その金が王宮に巣くっている貴族連中に流れているのだからな。この調査も無駄になる可能性が高い。だから私は『来たくない!!』と言ったんだが…。でも、今回だけは来て大正解だった。何しろハヤト様と出会えたのだからね!!」





 シーザリオは俺に微笑みかける。





「国王も最近病気がちで、周辺諸国は着々と軍備を進めている。そうなると、このリーズにいても安心はできないという事か。いろいろと考えないといけないかも…」





 俺は目を閉じ言う…が…





(戦争になったら一時的には困るんだけど…。腐敗した貴族が一掃されてまともな国になれば、長い目で見たらその方が良いかもな。困るのは甘い汁を吸い続ける貴族様だけ…。俺としては『リーズに絶対住む!!』というこだわりも無いので、よその土地に移住すればいいだけだ。問題ない!!そんな事より、温泉で混浴を…)





 などと考える。




 しかし…





「立ち上がりますか!!」





 リスグラシューが俺に向かって言う。




 俺は慌てて…





「ま、まだ勃ってないよ!!あっ!?い、いや…そういう事ではないのか…」





 思わず両手で股間を抑える。




 リスグラシューは一旦座り直し…





「まだ早い…という事ですか…。確かに。人材も集まってはいません。立ち上がるには、もう少しの時間が必要ですかね」





 さらに…





「グルーヴ様に『ハヤト様にお力をお貸しください』と頼み込む事はできないでしょうか?」





 そうシーザリオに話を振る。





「…グルーヴ様か」





 シーザリオが腕を組み、目を閉じて考える。




 そして…





「味方にできれば、これ以上頼もしい存在はいない…が、しかし、敵にしたなら、これ以上厄介な相手もいない。正直、私は戦場であのお方と対峙したくはないですね。よくて相打ち、私でも九割がたは勝てないわね」




「そんなに!?」





 俺はシーザリオの言葉を聞き驚く。





「私がまだ先代の見習いをしていた時、一度だけ戦場で見た事があります。その姿はまさに鬼神のごとく、次々と敵将を討ち取っていました。それに、ただ単純な武力だけというお方ではありません。戦術眼、決断力。それに他の貴族を従える統率力。どれを取っても『この国に並ぶ者なし』と思わせる、まさに『女傑』と呼ぶに相応しい女性です」




「シーザリオがそこまで言うなんて…本当に凄い女性なんだね」





 俺は『ゴクリッ』と唾を飲み込みながら言った。




 ここでジュリアが…





「メサイア様を見れば分かるけど、凄く綺麗な女性と聞いた事があるわ。実際に見た事は無いけれど、若い時は国中の女性の憧れだったの。そして多くの貴族から求婚されて、私たち庶民はその話題で盛り上がった事を覚えているわ」





 昔を懐かしむように言う。





「ふふふっ、そうですね。私も一目見た時、その凄まじい強さにも驚きましたが、その美しさ、気品、それに圧倒的な存在感に驚いたものです。その華麗で美しい風貌で敵将を次々に切り倒していく姿は、まさに生きる芸術品という言葉がふさわしいです」





 シーザリオもジュリアの言葉に同意する。





「俺、その人に『メサイアを妻の一人にしたい』と言わないといけないのか?全然納得させる自信がないんだけど…。何だかさらに胃が痛くなってきたよ」





 俺はグルーブ様と対面した時の事を想像する。





「まあ、私たちのほうでも対策を練っておきます。ですが…間違いなく戦いを挑まれると覚悟をしておいてください!!」





 シーザリオが真剣な表情で、恐ろしい事を言ってきた。





「はあぁっ!?戦い!?何でっ?」





 俺は驚き、思わず立ち上がった。





「エアディドール家は武闘派なのです。最低限の武力は必須です。なぁ~に!!ハヤト様の火魔法を一発お見舞いすれば、グルーヴ様も納得するでしょう。そうすれば力を貸してくれる可能性もあります」




「制御できなくてもか?現状、使い物にならないぞ?」




「…ハヤト様も修練に出かけますか?」




「心配になってきた。すぐに出かけよう」





 俺はシーザリオと一緒に、アレグリアたちが修練を行っている城壁外の丘まで向かうのだった。








【リスグラシュー視点】




「この国の事を憂いているんだ」





 私はハヤト様の言葉を聞いて、思わず立ち上がった。





(ハヤト様がこの国の腐敗した状況を憂い、決起する決意を固められた!?)





 私は心を躍らせる。




 思わず『立ち上がりますか?』と決起を促す。




 しかし『まだ立ってない』と諫められる。




 少し焦り過ぎたらしい。しかし、ハヤト様の思いを確認出来て安心をする。





(ふふふっ、このリスグラシュー。ハヤト様の建国のためならば、どんな汚い仕事でもお引き受けいたします!!)





 改めて決意を固める。





(今できる事といえば…そうだわ!!)





 私はシーザリオ様に『グルーヴ様にお力をお貸しくださいと頼み込む事はできないか?』と聞く。




 どうやら、グルーヴ様を納得させられるだけの武威を示せば、助力の可能性はあるという。





(一度、メサイア様にも相談をしてみましょう)





 私は未来を考えてほくそ笑む。





(メサイア様がハヤト様の妻の一人となれば、グルーヴ様は義母となる。一時的でも構わないので、なんとかグルーヴ様にハヤト様の後ろ盾になってもらえないかしら…。その間に力を蓄えて独立をしてしまえば…)





 私はハヤト様が一国の王になるところを夢見る。





(ふふふっ、グルーヴ様の威光や名声を利用して…。いえ、最終的にはグルーヴ様をも従えてしまえばいいじゃない!!この世の全てはハヤト様にひれ伏すのです!!)





 私の頭の中で少しずつ『ハヤト覇王化計画』が進んでいくのでした。

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