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身代わりの君  作者: くれぱす


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場面かわります




祐希は少し離れがちに慎一郎の後をついていくと、裏の空き地に停めてある車が目に付いた。



『いつかは乗ってみたい』


一緒に働いている同僚の男性が、いつもウットリとカタログをみては

呟いている白と青のエンブレムのその車だった。



自分はさっさと運転席に乗り込み、エンジンをかけている。

こちらを見もせず、声をかけようともしない。

自分に従い、乗り込むと思いこんでいるようだ。

カチンときた。



由紀子は何ともは感じていないようだったが、断片的に時々、聞かされる話で、

国枝慎一郎は自分にとっては嫌な男の見本のような人物だった。



自信満々で、皆が自分に従うと思っている傲慢で自己中心な男。

綺麗な女性たちを、とっかえひっかえ自分の周りに侍らせ、

満足している、そんな達の悪い男だ。

名声もお金もあり、人からチヤホヤされる事に慣れきった男。

祐季が過ごしている日々とは、真反対の日常を送っている、そんな男。


考えただけでも、絶対に関わりたくない。

嘘をついて騙して悪いと悔やんでいるが、こんな横柄で偉そうを体現した男の車になんて乗れるはずがない。


彼の態度が、もっと紳士的なら、素直に事情を話して

誠心誠意、謝るつもりだったが、最初から今まで、本当に自分にたいしての

言動といい言葉のすべてが皮肉げで腹が立つ。


『もっと婚約者の事を思いやっていれば、こんな事にはならないはず』と

慎一郎に大声で言ってやりたかった。


祐季は、くるりと踵を返し、今来た道とは反対の方向に歩きだした。

そこへは、車も入ってこれない。



彼の事など気にすることなくズンズン早足で歩いていく。



-----------------------------------------------------------------------



慎一郎は、その後ろ姿を腹立たしさ一杯に睨みつけた。



忙しい合間を縫って、やってきたら、

見知らぬ女が叔母にとりいって、自分の婚約者のふりをしている。


叔母を驚かせるのが忍びなく、とりあえず、外で話でも聞いてやろうとしたのに、泣いて謝るどころか、スタスタとどこかへ行こうとしている。

なんて女だ。



奥歯をギリッとと噛みしめ、エンジンを止め、車のドアを思い切り音を立てて閉めた。



警察へ突き出すにしても、追い出すにしても、素姓を明かさせ、理由を聞かなければならない。

無駄な時間をとられる事が余計腹立たしいが、表沙汰にはしたくない。

自分はどうであれ、叔母を世間のさらし者にさせられないし、

悩ませたりもしたくない。



「待てよ」



自然と低く厳しい声が出る。

その口調に、女は歩くのを止め、ゆっくり振り返り、慎一郎を真正面から見つめた。



慎一郎は程無く追いつき、問いかけた。



「自分が誰だが、名乗るんだ。

そして、こうなったいきさつを説明してもらおうか」



振り向いた女の眼は、叔母の家で見た時とは打って変わって反抗的な眼をしていた。

その眼の意味を計りかねた。

自分の方が悪いはずなのに、あの眼は何だ。



「叔母の目が悪いのを利用して、何をするつもりだった?

金欲しさか?今までいくら巻き上げた?

どうやって、由紀子に成りすまし、とりいった?」



その途端、表情が一転した。

悔いている様に唇をギュッと噛みしめ、大きなため息をついた後、

少し、ぽってりとした形のいい唇が動く。


慎一郎は、その唇に視線が引き付けられ外せなかった。



「本当に申し訳ありません。

節子叔母様の目がお悪いのを承知の上で、ここに来たのは確かです。

でも、お金なんて⋯お金を取ろうなんてしていません」



あっさりと叔母の目が不自由な事を知っていたと白状した。


確信犯だと言う事を言い訳することなく、認めた事に驚いた。

そして、自分がこの事態を招いて置きながら、彼女の辛そうな表情が嘘だとは思えなかった。

だが、この不信人物について一刻も早く正体を見極めようと睨みつける。


「どうやって、叔母のことを知った?

由紀子は知っているのか?由紀子とはどんな関係だ?」



慎一郎は怒号したい気持ちを抑え、再び問いただす言葉を投げつけた。











場面がコロッと飛んでしまいました。

場面としては、11話の中ごろに続きます。


お話の進め方が悪いので、非常に分かりづらいかと思います。

単に、書き手の筆力も問題です。

(分かっていながら、更新するもの可笑しなものですが・・・・。)



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