(三)秘めたる想い
――再び舞台は祇園城へ戻る。
突き付けられた事実を前に、八重は明らかに狼狽していた。さすがに、あの女芸人が神宝の護り手などとは、想像していなかったのだろう。
「お前は小狐丸無くして神宝の力を振るえない。それどころか、自らの穢れを清めることもできず、命を危ぶめるそうじゃないか。だから返しに来たんだよ」
先ほどと同様のことを、源九郎は繰り返し告げた。
「さあ、受け取れ。断る理由はないだろう?」
長い沈黙の後――八重は口惜しそうに呟いた。
「……余計な真似を……」
こんな反応をする理由など一つしかない。
「やはり、お前はすり替えの事実を承知の上で見て見ぬふりしていたな。いや、加担していたというべきか。でなきゃ木箱の封印が、あんなにあっさり解けるはずもなかったろう」
八重を騙し利用したつもりが、実のところそうではなかった。彼女は何らかの事情で、源九郎に協力していたのだ。
「どうして、そんなことをした?」
「そなたに教えてどうなる」
「知らないことには何も始まらないだろう?」
すると八重は大きく溜息を吐き、渋々といった様子で言った。
「因縁を絶つためだ」
遠い昔、旧き神々と戦う武士の一族がいた。
彼らは数多の戦で勝利を収めたが、敗れた神々の凄まじい憎しみをかい、後に一族の多くの者が怨霊に憑り殺されたのだという。
そこで、彼らは一計を案じた。一族の中から選び抜いた霊媒体質の乙女達に、怨霊を依り憑かせたのだ。乙女達は何代にも渡り、外界から隔離され生涯を怨霊の鎮めに費やすことを余儀なくされたが、彼女達が防波堤となることで、一族の命脈は保たれたのである。
それから長い時を経て――人々は旧き神々を忘却する。
神としての名はもとより、その事績の片鱗を伝える者すらいなくなったのだ。結果、もはや怨霊は一族に仇なす存在たりえず、正体不明の〝旧の御霊〟として巫女によって義務的に継承されるようになっていた。
だが、いつしかこれが転じて〝魂振る御霊〟となったのだ。
ゆえに御霊は何らの意思をもたず、他者の魂を奮い立たせるだけの存在と化す。その力は、衰亡した生気を蘇らせるのみならず、あまねく霊的力を強化増幅し、いかなる呪術をも可能にしたという。
その有用性によって、巫女の在り方もまた変わっていく。
彼女達はあくまで神の器――つまり道具に相応しく、できる限り自我を持たぬよう歪な教育を施されるのだ。自らの命をすり減らして、他者に活力を与えるために。そのことに、何ら疑問を感じさせないために。
「お前さんの一族について、おおよその事は聞いてるよ」
そう告げる源九郎に、八重は声を荒げた。
「なら分かるだろう! このようなこと、いつまでも続けていてよいはずがない。だから、ここで終わらせるのだ」
動機としてはもっともだろう。だが、明らかにおかしな点がある。
「どうしてお前さんがそう思えるんだ?」
巫女は自我を持たぬはず。そうでなくとも己の運命を受け入れるよう、強力な洗脳を受けているはずだ。
「それは歴代の依巫の中で、私が特異な存在ゆえだ」
そう前置きして、八重はこんな説明を始めた。
一族の中でも、御霊を宿す依巫になれる者は数少ない。従って、次代の依巫として嘱望される娘は、屈強な護衛によって厳重に守られてきた。
ところがある時、護衛の一人が娘を連れて逃亡するという事件が起きる。
前代未聞の裏切りに、一族は血眼になって二人を探したが、間もなく到来した戦乱のため捜索は中断、二人はそのまま逃げおおせたのだった。およそ人としての感情が欠落していたはずの娘と男の間に何があったのか――やがて二人は夫婦となり、娘は子を身篭ったのだ。
「そうして生まれたのが私だ。だから私は元々、普通の子として育ったのだ」
だが、それも一族の者に所在が突き止められるまでのこと。
八重の存在を知って一族の者は狂喜した。なにしろ、依巫とその候補の多くが戦乱によって命を落とし、御霊の継承が危ぶまれていた矢先、最も才ある者の娘が見つかったのである。
八重は数え五つにして両親から引き離され、新たな依巫となることが決まった。
だが、既に形成されていた人格は依巫にそぐわぬもの。御霊を受け継ぐに先立って、処置が施されねばならなかった。
「それゆえ、私は『八重』と命名されたのだ。穢れに塗れし俗世の思い出を、八重垣の内に封じるためにな」
その頃のことは、毎日のように夢に見る。
それまでの生き方がいかに間違ったものか、説教する老人達は鬼の形相で、幼い自分は繰り返し、これからは神の器として生きることを誓わされるのだ。
「それを覚えているのは、呪いが不完全だったからだ」
記憶が蘇ったのは、今から一年前のこと。
それはまるで永い眠りからの目覚め。意識のみが過去に回帰した、といった感覚だった。
現状の認識は容易だった。意識が断絶していた間のことも、しっかり引き継いでいたからだ。
「全てを理解して……私は絶望した。一生、捕らわれの身であるなら、いっそ記憶など戻らねばよかったのに、と」
記憶を封じられていた十年間には、伴っていて然るべき喜怒哀楽の感情がない。いわば生きながらにして死んでいるような状態だったのだが、当初はそれすら慈悲のように思えたものだ。
絶望はやがて怒りへと変わる。魂を圧殺するがごとき行いを慈悲などと思わせた、そんな境遇に追いやった全てのことが、許せなくなったのだ。
「そして思ったのだ。記憶が戻ったのは歴代の依巫達の想い――抑圧された魂の慟哭を聞いたからではなかろうか。全てを終わらせて欲しいとの叫びが、私を目覚めさせたのではないかと。以来、どうすれば一族と御霊の因縁を絶ち切れるかを模索するようになった」
記憶を取り戻した後も、以前と変わらず振舞い続けたことで、八重の変化に気付いた者はいない。この状況を利用して、彼女は水面下で調査を始めた。
「その結果、小狐丸こそが全ての鍵であると確信した。そう、あれさえ無くば神宝は神宝たりえぬのだ」
その言葉に源九郎は、不吉な響きを感じ取る。小狐丸が無ければ、八重の命は危険に晒されると傀儡女は言ったが、
「ひょっとして、死ぬことで業を絶とうというのか?」
すると、八重はふっと鼻で笑い、
「御霊は神降ろしによって代々受け継がれてきたのだぞ。依巫が一人死んだところで、代わりの者に宿すだけ。何も変わるはずあるまいが」
確かにその程度のことであれば、とうの昔に絶たれていただろう。
「幽世の存在を縛るのは信じる心だ。ゆえに、祟り神は在り方を変え魂振りの神となり、憑りついていたはずの一族に飼われる身となった。だが――御霊を御すことができなくなったとすれば? 災厄をもたらすだけの存在など、欲する者はおるまいな」
「なるほど……それで小狐丸はすり替えられていた方が良いわけだ。御霊は小狐丸をもってしても制御不可能――そう信じさせるのがお前の狙いか」
「そういうことだ。たとえ災厄の規模は小さくとも、関白ほどの人物が命を落としたとなれば呪的効果は高い。御霊は真の小狐丸であっても抑えられぬ存在となろう。そうなれば、もはや人に宿す意味は無い。すなわち、因縁は絶たれるというわけだ」
「人質に取られた際、自分の命より小狐丸を優先しろ、と言っていたのはそれが理由か?」
「たとえ私が死んでも、小狐丸が偽物であれば目的を達することはできるからな。無論、理想は私だけで全てを終わらせることだが」
「ということは……少なくともその時点で、俺が小狐丸をすり替えると分かっていたわけだ」
かまをかけられたことに気付き、若干の間を置いてから、そうだ、と八重は肯定した。
まったく、してやられたものだ、と苦笑する源九郎。
八重を騙していたつもりが、実のところ騙されていたとは間抜けもいいところだ。時折、妙な気もしていたが、自分は騙す側という思い込みが目を曇らせたのか。
「だが、お互いの目的が一致しているのに、どうして知らぬふりを決め込んだ?」
「秘め事が多いゆえな。小狐丸の真価や十種神宝の秘密、何より私の目的だ。これらの事を知られ、妙な気を起こされてはたまらぬ。現にそなたがここにいるのも、あの女に入れ知恵されたからだろう?」
「ごもっとも」
「小狐丸を護るべき立場の者が、すり替えに協力するとなれば、さてその意図は何かということになる。勘繰られぬためには嘘をつくほかないが、さりとて、小さな嘘では衣の穴を繕うようなもの。どうしても違和感が生じてしまう。ゆえに、何も知らぬと大嘘の衣を纏うことにしたのだ。無知な小娘を装えば、すり替えに協力するのも容易だからな」
ううむ、と唸る源九郎。
「お前は……とんだ狸だな」
「そなたこそ狐であろう」
何のことかと訝る源九郎に、八重は愉快そうに言う。
「ふふん。そなたがすり替え役と、私がどうやって判断したか分かるか?」
「さあな」
「そなたの名乗り、大和源九郎は私が指定したのだ」
「……何だと?」
「名の由来は、大和国に伝わる源九郎なる稲荷明神の使い狐だ。小狐丸は稲荷明神と縁深き刀ゆえ、すり替え役の名にふさわしかろうと思ってな」
「大和源九郎が狐の名……とはね」
源九郎は舌打ちした。それでは名乗った時から尻尾丸出しではないか。
「もう分かったな? 私はそなたの雇い主と通じて、小狐丸のすり替えを目論んだのだ」
「俺の雇い主の動機は何なんだ?」
「家宝の奪還……。あるいは遺恨だな」
源九郎はため息を吐いた。どうも小狐丸を巡る思惑は、随分と複雑に入り乱れているらしい。
「そもそも小狐丸とは、かの摂関家藤原氏の家宝であったとの伝承もある。そこでまず私は鹿島大宮司と密議を持ったのだ。神宮の最高位にありながら、お飾りとされてきた大宮司家には、私に宿る御霊のことも知らされていなかった。そして、大宮司家は藤原氏と祖を同じくする中臣氏の末裔でもある。私は大宮司を介して藤原氏の者に、失われていた家宝を取り戻すべき、と伝えたのだ。摂関家の地位のみならず、かつての家宝まで豊臣に奪われてよいのか――そう吹き込んだところ、効果は覿面だったぞ」
何とも言えない気分で、源九郎はわしゃわしゃと頭を掻いた。
さて、そろそろこちらが尋ねる番だ、と八重。
「私と小狐丸をどうするつもりだ?」
「城から連れ出して、傀儡女に引き渡そうと思う」
「何故だ? あの女に、よほどの好条件を出されたか?」
「そいつは否定しないが、なにより元々の任務をまっとうする気がなくてね」
「どういうことだ?」
「まぁ――憑き物が落ちたのさ。お前さんのおかげでな」
「憑き物落としなどした覚えはないが?」
呪術的な意味合いで捉えた八重に、そういうことじゃない、と苦笑して、
「俺は大切な人を、本当に大切にすることができなかった。自分勝手な想いを押し付け、苦しめてしまったんだ」
かつて兄妹は共に、失った故郷での平穏な暮らしを取り戻すことを望んだ。それを兄は、士分となって土地を手に入れることで結実しようとしたが、その際に妹の意向を確認しなかった。
薄々気付いていたからだ。
妹は残された家族が、平穏無事に過ごせればそれでいいと思っていたふしがある。故郷の地を取り戻すのではなく、故郷の教えを受け継ぎ守ることをこそ重視していたのだ。
「それが明らかになったのは、あいつを喪ってからのことだった」
妹のためを想ってしたことが、やり方を間違えていたのだと。いや――そもそもが、単なる自己満足でしかなかったのかもしれない。
「けれど、俺は現実と向き合おうとはしなかった。妄執に捉われ続けていれば、痛みを感じずにいられたからだ」
心に空いた穴は深く、覗き込めば奈落に堕ちただろう。
だが信じる者は救われる。たとえ、それが虚無でしかないのだとしても。現実から目を背け虚ろに飲まれることで、もたらされる救済は確かにあったのだ。
「でもな、お前さんと一緒に過ごしているうちに、誤魔化しきれなくなった。何というか、思い知らされたんだ。俺が本当に欲しかったのはこんな日常だったはずってな。そうしたら、嫌でも現実に引き戻されるしかないだろ? それが、憑き物が落ちたってことだ」
自分は現実に救いを見出した。だからもう、実体のない存在に救いを求める必要はない。
「まぁ何だな。いい加減、前を向いて生きなきゃってことさ」
お前さんもそう思わないか? そう水を向けると八重は迷惑そうに、
「……私に訊くな。それはそなたの問題だろう」
「なら問題を変えよう。お前さんの望みは悪しき因縁を絶つことだ。それはいいとして、やり方がまずいとは思わないのか?」
「褒められた手段でないことは重々承知。だが、他に道が無いのだから仕方あるまい。長きに渡りし十種神宝を巡る争いと巫女達の苦しみを、一度きりの災厄で終わらせることができると思えば、そう悪くはないと思うが」
百歩譲って、他人を犠牲にするのは仕方ないだろう。自分が助かる為に誰かから奪うなど、当たり前のご時世だ。
「俺が気に食わないのは、お前さん自身が助かろうとしていないことだ」
「因縁を絶って初めて救われるからな。私はただ、満たされた気分で往生できれば十分だ」
八重は静かに淡々と応じた。その様子はまるで、河原で人質に取られていた時と同じ。生きる気力の無い諦観の態度である。
「前にも言ったが、いかに神仏といえど助かる気がない者までは助けられやしないんだ。他に道が無いと言ったが、どうしてそう言い切れる?」
「少なくとも、私の知る限りでは存在しないからだ」
「じゃあ、お前さんの知らない道もあるんじゃないか?」
「……かもしれぬな」
「だったら、探せばいいだろうが。せっかく鹿島立ちしたんだ。そのまま旅に出て、より良い道を探せばいいんだよ。狭い世界じゃ手に入る知識にも限界があったろうが、外界に広く知識を求めれば、きっと見つかるさ。そうだな、まずはあの傀儡女から、お前さんの一族について話を訊いて――」
「くっ……ふふふ」
嘲るような笑い声が、源九郎の言葉を遮った。
「外界に出ろ、道を探せだと? 簡単に……言ってくれる」
声を振り絞るように言う。
「そんなことは百も承知! だが、どうしようもないのだ。私は所詮、ずっと忌籠っていただけの能無しだぞ? 外界で生きることなど、できようはずもあるまいが!」
「俺が手助けするさ」
当然のように源九郎は言った。すると、八重は呆れたように、
「何をたわけた事を。どうしてそなたが、そんな事に付き合う必要がある」
「そりゃ、お前さんと一緒にいたいからな」
「…………はぁ?」
間の抜けた声を上げる八重。やがて、恐る恐る問いかけてくる。
「今のは、本気で言っているのか?」
「もちろんだ」
息を呑む気配。そして、八重はぽつりとこぼす。
「まったく……困った男だ。どうしてこうも私の心を乱すのか」
深々と溜息を吐くと、観念したように呟いた。
「それが本当なら嬉しい。嬉しくてたまらぬな。ああ――まったく、私はこんなにも単純だ。そなたの言葉を聞いた途端、成さねばならぬと思い定めた心が、容易くくじけてしまったよ」
ようやく本音を引き出せた。そう思ったのも束の間のこと、
「だが、それはできぬ」
八重はきっぱりと拒絶した。
「かつて両親はその道を選び――散々な結果となった。同じ過ちを繰り返したくはない」
「俺達はもっとうまくやれるさ」
「源九郎、どうして二人は捕えられたと思う?」
含みを持たせた言い方から予想できること。逃亡が失敗に終わる場合、大抵は捜索の網にかかるからではない。
「諦めたのか?」
「そう、自ら出頭したのだ。しょせん気位の高い侍と箱入り娘に、過酷な隠遁生活が耐えられるはずもなかったのだ。おまけに生まれた子ときたら病気がちの厄介者。物心ついた頃には、いさかいの絶えぬ日はなかったよ」
ふっ、と八重は笑いを噛み殺したような声を漏らす。
「出頭の前日など、それはひどいものでな。あの者らは恥知らずにも、実の娘に面と向かってこう言ったのだ」
お前さえ生まれなければ!
「――かくして厄介者を生贄に、両親は一族への帰参を果たしたというわけだ」
言い終える頃には、八重は涙声となっていた。
「……分かったか。実の親ですらこうなのだ。共に逃げたところで、いずれそなたも私を重荷に感じる時が来る。厄介者を抱え込んだと、疎ましく思うようになるだろう」
源九郎には返す言葉も無かった。
肉親にさえ裏切られた者に、どうしたら赤の他人を信じろと言えるのか。
「私とて、そなたと共に居られたらどんなによいか。だが、やがて熱が冷めた時――訪れる破綻を思うと怖くて堪らない。その時、私は絶望するな。きっとそなたを憎むだろう。そうなれば、せっかくの良き思い出まで憎きものとなる。もう嫌だ……それだけは」
これ以上は望まない。だから、せめて思い出だけでも美しいままに。
そんな訴えにどう切り返すべきなのか、源九郎には分からなかった。
だが、八重を連れて行くにはこの場で説き伏せるのが上策だ。なんとなれば、強引に拉致しては下手を打つ可能性が高いし、それをしてしまえば二人の関係はお終いだ。
(思い付け! 何かいい手があるはずだ)
ややあって、ぽつぽつと屋根を叩く音。
結局――降ってきたのは妙手ではなく雨だった。
状況は更に悪化した。今まで話し込んでいられたのは、ここが独立した離れの建物であり、見張りも遠ざけられていたからだ。唯一危険な存在として、気配を殺し近付いて来る巡回がいたが、源九郎は鋭敏な感覚でもって察知し、話し声を聞かれぬようにしていたのだ。
だが、この雨音ではそれも困難となる。せめて豪雨であれば、消音効果によって話しやすくなるのだが、今のところ人の気配を打ち消す程度の雑音でしかない。ともあれ、雨音とそれ以外を判別可能か確認しなければ。
源九朗は感覚を研ぎ澄まし、丹念に周囲の様子を探った。
その結果、どうにか判別できると分かったが、同時に最悪の情報も入手したのだった。
すなわち、この建物を目指して人が集いつつあるということを。
●補足、及び元ネタなどの解説
・布瑠御魂大神は十種神宝に宿るとされる神霊であり、石上神宮の祭神の一柱。
本作における扱いはあくまで創作上のもの。
・藤原氏の近衛家と二条家との間で起きた関白位を巡る争いを関白相論という。
天正一三年(一五八五年)、羽柴秀吉はこの争いに付け込み、一時的に位を預かるとの名目で、近衛家の猶子として関白位に就任。その後、朝廷より豊臣姓を賜ることで、摂関家としての地位を奪ってしまった。
・関白相論の際、藤原氏の嫡流は近衛流(近衛家、鷹司家)と九条流(九条家、二条家、一条家)のどちらであるかが論争となったが、『稙通公記別記』によれば九条家は藤原氏伝来の宝物三点が相伝しているとして嫡流を主張したという。この三宝とは「大織冠の御影」、「紺紙金泥の法華経」、「小狐の太刀」であるとされている。
ちなみに九条家の当主、九条稙通は『飯綱の法』と呼ばれる呪術を使ったとされる人物であり、本作のすり替え任務を依頼した大元という設定。




