平和な旅
俺はルキルとともにクラリエスを探す旅にでた。
教団はジルンが壊滅させたからしばらく襲ってこないだろう。きっとジルンはこの間にルキルと俺に強くなってほしいんだろう。
もう誰も失わないために。そして俺達にクラリエスと子どもを守ってもらうために。
「セレス、私と特訓してよ! 旅の道中! ジルンと約束したの! ジルンを必ず超えるって!」
そんな約束をしていたのか。ジルンは本当に戦うのとか好きだな。でもルキルが強くなりたいというのなら全力で応援するだけだ。
「分かった。 でもジルンを超えるって言うなら手加減はしないぞ」
そう言うとルキルの顔がパァと明るくなった。ジルンの戦闘狂が移ってやがる。戦闘狂に目覚めると寝てる時でもどんなときでも構わず起こして戦おうとしてくるから大変なんだよな。
「じゃあ今日の野営で初めての特訓をしよう! 私今度はあんたを倒すからね!」
めっちゃ嬉しそうだ。そんな嬉しそうな顔をされるとこっちまで嬉しくなる。
「ただし殺す手前まではやるなよ。 お前のことだ、手加減とか知らなそうだしよ」
特訓で戦えなくなるなんて本末転倒だ。俺はこの旨をルキルに伝えた。
「分かってるわよ! バカにしないで!」
怒られた。本気で言ってるんだけどな。
野営はいつぶりだろうか。姫様を救うまでに色々あったから余計にこういう平和な日は久しぶりな気がするな。
「私、魔物狩ってくる! あんたは大人しく火を起こしときなさい! どっちが早いか勝負ね!」
ほう、今回は薪を集めるかかりじゃないんだな。よーし大人げないけど魔法で火をつけよー。
こうしてルキルが行った瞬間俺の勝利は確定した。
だがルキルもかなり早く狩りを終えてきた。俺がもう火を起こしているのを見てすごく悔しがっている。なんかごめん。
「あんた卑怯よ! 魔法を使うなんて! ズルしたバツで魔物さばいて!」
滅茶苦茶な言い分をつけられたな。お前も剣を使っているはずだが。
でもいいや、この際魔物のさばき方くらい教えよう。俺は肉を切るためのナイフを出した。
俺は実演してみせた。骨の断ち方、毛皮のはぎ方、肉の焼き方。全然興味なさそうだがよく聞いてくれた。
そして焼き上がった肉を二人で食べた。
こういうホノボノした雰囲気すごく好きだ。ちょっとあの国での戦いはつかれたしな。
こうしてしっかり食事をするのは久しぶりだ。魔法で栄養の塊みたいなん作って食ってたから味がうまい料理って素敵だなって改めて思う。
ルキルもすごく美味しそうに食べている。
食べたあとはぐっすり寝よう。獣の毛皮を魔法で加工して毛布にした。
そしてルキルを寝かしつけた。
しばらくこうして平和な日が続けばいいな、そう思いながら自分の毛布もルキルにかけて俺も寝た。
今日は肌寒い、風邪だけは勘弁してくれよ。




