姫様との再会
「てめえは何者だ。名乗らず攻撃なんて卑怯だぞ」
傷が突っ張る、深くいったな。
「やはり君とルシードはよく似ているよ。ルシードも全く同じことを言ったさ」
ルシードも同じ事を言ったとはどういうことか。馬鹿な俺でもすぐに見当がついた。
「お前まさか。ルシードをどうした」
するとガキは続けた。
「教会でぶっ殺したよ。あいつはあのお方にも殺せと指示を出されていたからね」
何かがぷつんと切れる気がした。もうこいつと話す気すらも沸かない。
ただ無心でナイフを振り回していた。
「気には戦闘を楽しまないと弱いんだから楽しみなよ。ほらほらー」
ガキのその笑みはまるで悪魔だった。
俺のせっかく再開できた大切な人を殺したやつのそれだった。
「素敵だね、友情って」
ド ォ ォ ォ ォ !
ーセレス視点ー
「大丈夫!?大丈夫!?」
目が覚めたとき姫様に抱きかかえられていた。
「ごめん心配させて。もう大丈夫」
姫様大丈夫そうだな。良かった。俺は強く姫様を抱きしめた。
「1人にさせてごめん。もう大丈夫だから」
すると姫様は優しく俺のことをなでた。
「誰かの助けを待ってたよ。ありがとう」
姫様は俺のことルシードってまだ知らないんだよな。もうちょっと感動的な再会が良かったんだけど今正体を明かすのはなんか得策じゃない気がする。今は思い切り子供の姿で姫様に甘えよ。
姫様は俺の頭を撫でながらこうも言った
「私、今まで唯一頼りになってくれたルシードっていう人が死んでもう誰も私の味方はしてくれないんだーって、なんか受け入れてた。でも心のなかではずーと助けてって叫んでたの。私はこんな暗いとこじゃなくて大好きな太陽のもとで死にたいから」
俺が死んだばっかりに姫様は苦労したらしい。本当に申し訳ないな。
だったら甘えるなんか考えることなんてしてはいけない。俺が正体を明かすだけでこの姫様は救われるんだ。
「あのさ、俺実は⋯⋯」
姫様は優しい顔で俺の方を見る。このひとなら何でも受け入れてくれる気がする。
思い口を開けて正体を明かそうとした、その時だった。
「セレス!大変!お願いだから来て!ジルンが!」
地下に血まみれのルキルが来た。その傷の深さとボロボロさを見るとどれほど過酷な戦闘になっているのかがすぐに分かった。
「ジルンがどうなさったの!?」
俺より先に姫様が叫んだ。そうだ確か姫様もジルンに命を救われた経験がある。ルキルの状況と焦りからジルンがどうなったのか分かったのだろう。
だけど姫様を連れてはいけない。
「ルキル!ジルンはどこにいる!案内しろ!」
今ジルンに危機が迫っているのは明白だ、俺がすぐに行かないとまずいことになる。
俺は立ち上がった。




