姫様救出計画を練る!
「よし、行こう」
俺は決意を固めた。転生して七年。前世への執着なんてなくなってしまった。姫様だって気になってきたけど命をかけるほどの気持ちはない。
でもそれでも困ってるやつ、苦しんでいる人を黙って見過ごすなんて寝付きが悪くなりそうだ。
「セレス……!」
ルキルが嬉しそうに言った。
「ジルン、お前の言うことは間違っていない。 いや真実だ。 でも俺が行かなきゃ誰が姫様を助けに行くんだ」
俺の言葉を聞いて、ジルンが激しい声で遮る。
「せっかく生まれ変われたのに命を無駄にするべきだ。 俺が言うのもあれだがルシードとは違う人生を歩んで良い。 姫様なら俺が助けに行ってやる。 もうお前が命をかける必要はねえ!」
ジルンはまだ納得行かないと言った様子だった。それもそうだ。
なんせ間違っているのは俺の意見の方だ。ジルンの方は大局をよく見ている。
「じゃあこう言えば分かってくれるか。 お前を救ったヒーローは死んだ。 でもその英雄はどれだけ生まれ変わっても痺れるくらいかっこいい人でありたいんだ」
俺がそう言うとジルンは笑った。
「そうこなくっちゃな! いやーわりいわりい。 さすがルシードだよ。 最高だ。 俺も格好つけたいし協力してやる」
狂人の笑みが戻ってきた。一緒に旅してた頃のジルンそのままだ。
「でもどこに姫様が囚われてんのか、正確な位置は俺にもわかんねえ。 とりあえずこの国にある教会しばいて回るか? それとも教団のやつとっ捕まえて吐かせるか?」
するとジルンが嬉々として話し始めた。これからの戦闘が楽しみで仕方ないといった様子である。流石、狂人だ。
「あんたバカね! そんなことしたら徹底的に潰されるわよ! そうよねセレス!」
ルキルが俺の方を見た。まあこいつは教団に雇われてたんだ。そのことに関しては俺達よりも詳しいだろう。
「ジルン悪いが俺もルキルの言うとおりだと思う。 とっ捕まえて吐かせるっていう勢いは悪くないけど、敵の規模を考えたらその先どんな目に遭うか分からないだろ」
ジルンは少し嫌そうな顔をしたが納得してくれた。
「ルキル何か姫について知ってることはないか?」
「そうねえ。 あ、姫じゃなくて『罪女』って言われてたわ! 詳しいことは私たちみたいな雇われ者には教えられなかったけど.....。」
もっと早く知りたかった。罪女と呼ばれるぐらいだ。教団からの扱いは相当ひどいに違いない。
姫の命を救うのは一刻を争うかもしれない。
その時ジルンがひらめいたように口を開いた。
「じゃあ俺から提案だ。 俺とルキルが公の場に出て派手に暴れてやる。 教団の気を引くためにな。 その隙にお前は姫様を助けてこい。」
そんなの危険すぎると思った。そう言って俺が止めようとするとジルンは手をかざして俺を制した。
「一刻を争うんだろ? 俺が死ぬわけねえし戦いたかったからな。 さっさと助けてこいよ、ルシード。」
全く。思わず笑ってしまった。なんで戦いたいって言う割にルキルを巻き込んだんだよ。
でもありがとよ。絶対に姫を助けてやる。




