第9話 ギルドに提案
51階の転移ゲートを登録し、51階を【オートマッピング】で見た所、入口近くに隠し通路を発見。
崖の前に大きな木が生えていて、入口となる木の洞が絡まった植物で隠されていた。
通路は崖の奥に続き、円形のスペースが見て取れる。
少し休憩して隠し通路に入った。
【索敵】で魔物がいないのは確認済。
円形の空間を見てみると、奥に金の[宝箱]を発見。
罠を警戒したが、このダンジョンで罠の類は確認されていないらしい。。
警戒したまま[宝箱]を開けると、ショルダーバッグが入っていた。
【鑑定】すると[マジックバッグ、容量小、時間経過あり]と表示。
ラッキーと思いつつも、(必要無いんだよな〜)と苦笑する。(よし、ピックとゲイルからボッタクろうw)
ギルドの説明だと、51階からはBランク推奨となっていた。40階層後半はCランクパーティーでの探索が推奨だ。
特に苦労もしていないので疑問に思い、今のレベルを確認してみた。
「ん?レベル86?」思わず声が出た。
(たしか、Cランクのレベルは40〜60ぐらいと聞いたような……)
「【経験値10倍】があったっけ、よし!見なかった事にしよう」
今日の探索を終了し、ギルド出張所へ寄ると、職員に建物の奥へ案内された。
奥の部屋は事務所みたいだね。
職員が更に奥の扉をノックすると、「入れ」と声が聞こえた。
「レンさん、こちらの部屋へどうぞ。ギルドマスターがお待ちです」
(何故ギルドマスターが?)と疑問に思ったまま、奥の部屋に入る。
「初めまして、〔アルケラ〕ギルドマスターの【ガイ】だ。呼び出してすまないね。」
「初めまして、レンと言います。オレ何かやらかしましたか?」
「ガハハッ!そんなに警戒しないでくれ」
話しを聞くと、〔アルケラ〕では毎年この時期素材不足が問題となり、Cランク以上には素材確保を依頼しているとのこと。
〔サーエンド〕からの連絡で、大量の素材を入手出来る人材が〔アルケラ〕に来たと聞き、ダンジョン素材の確保を依頼しに来たそうだ。
「ギルマス自ら?」と聞いたら、ギルマスも素材確保でダンジョンに潜っているんだって。
ちょうど出張所に居たので、直接依頼したらしい。
(オレのチェックもしてるんだろうなぁ)と思いつつ、素材確保の依頼を了承し、内容を確認した。
依頼は
①40〜50階の全素材が対象
②期間は5日間のダンジョン探索
③買取り金額は素材に応じて支払い
④依頼期間中の素材はプラスの上乗せ
⑤自分でも素材確保OK
がザックリとした内容。
今受けている依頼を完了してから、取り掛かるとした。
とりあえず、今回確保した素材を話すと、〔アルケラ〕のギルドで出して欲しいと頼まれた。
ガシッ!っと両肩を掴まれて、優しくお願いされたよwww。
一度〔アルケラ〕に戻りますか。
サービスとして、乗り合い馬車の往復チケットを貰った。
翌日、朝一番の乗り合い馬車で〔アルケラ〕に戻り、ギルドで手続きを行う。
解体場で、ミリーさんの依頼品、余剰素材の買取り分を分け、職員を呆然とさせてしまった。
奥で「ヒィィ〜」と聞こえたのは、嬉しい悲鳴と思いたいw。
受付に戻り、ギルマスからの手紙を渡す。
「レンさん、ありがとうございます。ギルドからの依頼を受付します。くれぐれも無理しないでくださいね」
受付嬢から優しいお言葉を掛けられて、やる気が出た。
一応、ミリーさんには、ギルドへ素材を納品したのを伝えておいた。
「えっ、もう?」と驚い後に、「じゃあ…」と言い出したので急いで退散したよw。
備品を補充し、昼頃の乗り合い馬車に乗ってダンジョンへ戻る。ギルマスはまだ潜ってるようだね。
受付に明日から潜ると連絡し、空いてるスペースにテントを張った。
次の日からダンジョンに潜ったが、スキルのおかげで楽々50階のボス部屋まで到着。多分鐘2つ前ではなかろうか。
ボスは復活していて、再度討伐。今回[ジェネラルソード]はドロップしなかった。
41階に戻っても、今日の水晶は取り尽くしたので、周回が勿体ないな。
(であれば、60階まで行っちゃう?)
試しに51階をチャレンジ。
結果、今60階のボス部屋前にいますw。
魔物の種類はほとんど41〜50階と同じ。
ただ、混成や複数体出てくるので、Cランクソロでは難しいと判断されていた。
新しい魔物は〈ブラックタイガー〉〈ケイブライノ〉〈ソードテイルバード〉。
〈ブラックタイガー〉は闇に紛れると、見失いそうになったよ
ちなみに、水晶の採掘ポイントは40階層より多かった。
60階のボスは、皆さんご存知の〈ミノタウロス〉。
〈ゴブリンジェネラル〉と比べて、力・速さ・知能は高いが、脳筋魔物は簡単だよね~。
ドロップ品は[斬馬刀][角][肉][魔石]大。
真紅の[魔石]は綺麗で少し見惚れた。
再度41〜50階を周り、本日終了。
うっかり50階層の素材を出してしまい、ギルマスに怒られたのは内緒だよwww。
その後、「可能であれば、60階まで宜しく」と肩を叩かれた。解せぬ!
5日間の成果は大量の一言。
ギルドで査定が間に合わず、一度〔アルケラ〕に持ち帰りとなった。
ギルマスからは、「一括の買取りはギルドで予算が足りない。分割の買取りでお願い出来るか?」と言われた。
オレは良いんだけど、何人にも「素材を売ってくれ」と問いかけられて面倒なので、ギルマスに提案した。
ギルドに素材を一括納品。
先に工房へ販売し、売上の6割をオレ、4割をギルドで分け合う。
販売期間は1日間。
若干販売金額上乗せ。
残った素材をギルドで買取り。
足りない素材は追加可能。
期間中に出た不足分をギルドで取りまとめ、販売後オレに依頼。
告知や販売方法はギルドにお任せ。
ギルマスから「納得いかん!レンが損するぞ」と言われたが、「面倒臭いので、ギルドに丸投げする見返りだよ」と、渋々納得して貰った。
「出来ればギルド職員にボーナスでも出してあげてよ」とお願いし、ギルマス了承で書面を交わした。
これでギルド職員から恨まれないと祈ろう。
翌日、ギルド掲示板に即売会の連絡が貼られていた。
〚素材即売会のお知らせ〛
素材:41階〜60階までの素材
期間:3日後の1日間
時間:鐘1つ〜2つ半まで
場所:ギルド修練場
1人素材合わせて10個まで
不足の場合は別途相談
ルールを守らない奴は別室でお話
(期間中の買取り不可の処置あり)
素材の種類は明日提示。
前日の設置や配置ぐらい手伝いますかね。
オレはギルマスに、不足しそうな素材を聞いて追加確保しておいた。
前日はギルド総出で準備。
職員に疲れが見えるけど、ボーナスが貰えると聞いて張り切っていた。
修練場は広いが、工房の人が押し寄せて来る予想。
手順を再度確認していた。
交換木札を2,000枚用意。
入口で交換木札10枚渡す。
買取り1点に付き1枚使用し、その場で会計。
入場制限し、最初は100名から。
ギルド職員は、入口受付・販売・木札回収・素材承りで配置し、警備は低ランクの冒険者へ依頼を出した。
完売や残り何個の張り紙、各素材カウンターの配置、並び順路の設置やお釣りの準備で大忙し。
しかも、商店街に声をかけ、露店まで出すから、街ではお祭りの雰囲気となっていた。
準備が一段落した時、ギルマスから声が掛かった。
どうしても、販売会の前にお礼を言いたかったそうだ。
なんでも、この時期は毎年クレームの嵐で、ギルド職員も疲弊していたらしい。
販売会の告知をしてから、問合せは多くとも、クレームが激減。
それどころか、工房から期待する励ましやお礼があり、職員が喜んでいた。
しかも、街全体で賑わいがあり、商店街からも励ましの言葉があって、職員のやる気に繋がったんだって。
「一番はボーナスかもしれんがなw」とギルマスも笑顔になっていた。
「明日は初めての試みですが、頑張ります」
「絶対成功しますよ」
「こんなに活気のあるイベントが、この時期できるかなんて信じられません」
と職員からも声が掛かった。
「オレもできる限り協力するから、明日頑張ろうな」
「「「「「「はい!!!」」」」」」と全員揃って、笑いが溢れたよw
準備が終わりに近づいたので、簡単な食事を差し入れした。
残していた〈ジャイアントスネーク〉の肉で[唐揚げ]と[イモー]でフライドポテトを作り、皆んなで食べた。
「これ、明日の屋台で出せば売れるのでは?」
「明日は素材の販売に集中しないと」
「お酒が欲しくなっちまう」
「ギルマス、お酒は明日の結果まで我慢して下さいね」と好評だった。
さて、明日は頑張りますか。




