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第62話 海の魔物討伐

 翌日、港に行くとギルド職員が待っていた。

「おはようございますレンさん。案内させて貰うペレと言います」

「おはよう、案内宜しく」

 用意されていた船は、見た目モーターボートだ。

 動力は風魔法かな。

 漁をする船よりは、移動する船みたいだね


 早速乗り込んで、調査する漁場へ向う。

 移動する傍ら【サーチ】と【索敵】を行うと、豊かな漁場だとみて取れる。

 反応が多過ぎたので【索敵】に絞る。

 多いのは〈エッジフィン〉〈ホーンフィッシュ〉〈ソードフィッシュ〉〈ソーヘッド〉。

 ちらほら 〈パールシェル〉〈シースパイダー〉〈シースネーク〉がいるね。

 ついでに狩っていこうかな。


 港から走る事約1時間。

 〈ハンマーオルカ〉が目撃された漁場にさしかかる。

「レンさん、ここからはスピードを落として進みます。行きたい方向があれば教えて下さい」

「了解、とりあえず真っすぐ進んで良いよ」


【索敵】する事数十分、急に魔物の群れが動き出した。

 逃げる様な動きの反対を見ると、【索敵】の範囲に〈ドリルシャーク〉が入る。

「ペレ、〈ドリルシャーク〉を見つけたけど、討伐必要?」

「本当ですか!出来れば討伐お願いします」

「じゃあ、ちょっと行ってくる」


 海に飛び込み〈ドリルシャーク〉へ向うと、向こうも気が付いたのか、こちらに向かってきた。

【結界】を張り待っていると、動きを変えて襲ってくる。

 近づくと、身体を回転させて突進。

 鼻先のドリルで相手を攻撃するみたいだね。


【結界】にぶつかると動きが止まったので、【ウォーターランス】で一突き。

 討伐は簡単だったよ。

 海に飛び込んだ目的はもう一つある。

【索敵】でレア魔物を見つけていた。

 そのまま潜ると見えてきた。

 シャコ貝に似た《レインボーシェル》だ。

 優に1メトある虹色の巨大貝。

 見つけても水揚げ出来ず、欠片でしか流通していない。

 サクッと貝柱を切り討伐。

【アイテムボックス】は便利だよね。

 ついでに〈パールシェル〉も拾い船に上がる。


「レンさん、なかなか上がってこないから心配しましたよ」

「ゴメン、スキルを使えば、暫く潜っていられるのを言ってなかったな。〈ドリルシャーク〉を討伐した後、〈パールシェルを拾ってた〉」

「凄いですね」

「さて、今度はどっちに行ってみるかな」

「岩礁エリアが左にありますので、行ってみます?」

「良いね、潜む場所がありそうだ」


 行き先を話していると、左の奥で水柱が上がる。

「かなり遠くでしたね。大きな水柱でしたので、大型魔物の可能性が高いです」

「行ってみよう。船は【結界】で守ってるから安心して」

「判りました。少し飛ばします」

 続けて水柱が上がると、〈フラッシュシーガル〉も集まってきた。

「間違いなく狩りをしてるね。逃げた魚を狙って〈フラッシュシーガル〉も狙ってるよ」


 少し離れた場所で【索敵】を行うと、〈ハンマーオルカ〉の反応あり。

「いたよ、〈ハンマーオルカ〉だ。〈ハードタートル〉もいるね」

「本当ですか。〈ハードタートル〉も体当たりで船を壊す厄介な魔物です」

「名前からして硬そうだ」

「硬いですよ、〈ドリルシャーク〉の攻撃を弾きますから。盾の素材として使われています」

「一緒に討伐してくるよ」

「〈ハンマーオルカ〉の横薙ぎに気を付けて下さいね。すれ違いざま頭を振ってきます」

「了解!」


 海に飛び込み、〈ハンマーオルカ〉に向う。

 どうやら〈エッジフィン〉の群れを襲っているようだ。

 試しに【ウォーターランス】を放つと弾かれた。

(〈ハンマーオルカ〉も硬そうだね)

 気を引いたらしく、こちらに向かってくる。

 全長は5メトくらいか。

 ウロコじゃなく甲殻みたい。

 顔の両脇に突起があり、それをぶつけてくるのかな?


 攻撃を受けてみると、すれ違いざまに首を振り突起をぶつけ、更に尾ビレで叩いてきた。

 結構な衝撃があり、小型船なら一撃で沈みそうだ。

 外皮は魔法耐性もありそうだ。

 さて、どうしましょうかね。


 弱ってると判断したのか、今度は口を開けて襲ってくる。

 食べる気満々だよ。

 近付いた所で、前方に【ネット】を張り、スピードダウンさせる。

 開いた口の中、上あごから脳天に向けて【ウォーターランス】を放つ。

 一瞬"ビクッ"となり動きが止まった。

「やったか!」とは言わない。フラグだからw

 念の為、もう1本打ち込み様子を見ると、目が白く濁り静かに沈み出した。

【アイテムボックス】に入ったので、討伐完了だ。


 襲う隙を狙っていた〈ハードタートル〉が逃げようとしたので、同じく【ウォーターランス】で討伐。

 さっさと逃げればよかったのに。

【索敵】で周りを確認。

 近くに大型魔物は見当たらなかった。

 一旦船に戻り、周辺を【索敵】しても、小型の魔物しか居ないので、依頼達成かな。


 まだ日が高いので、ペレにある提案をした。

「この近くに大型の沈没船はあるかい?」

「岩礁地帯にありますよ」

「そこに連れてってくれないか、報酬を出すからさ」

 金額を提示すると、喜んで引き受けてくれた。

「ギルドには内緒にして貰えます?ギルドを通さない依頼は規約違反になるので」

「調査で寄った事にすれば大丈夫だよね?」

「報酬を受け取らなければ大丈夫なんですケド…今月厳しくて」

「了解!では、案内宜しく」


 岩礁地帯には、嵐で流された大型船が座礁して、数隻沈んでいるらしい。

 ハンターも狙っているらしく、定期的に潜っているそうだ。


 ポイントに着き、帰りの時間も考えて3時間の滞在とした。

 潜ると、早速2隻の沈没船を発見。

 大型船と中型船が見える。

 魚や魔物の住処になってるね、〈シザークラブ〉の反応があった。

 食材にしか見えないカニを乱獲しながら、船室を見てまわるが、特にめぼしい物は無し。

 船倉も探された後だね。


 宝探しは諦めて【索敵】を行うと、岩礁にレア魔物の反応があった。

 魔物は〈ミラースワン〉だ。

 〈ミラースワン〉は面白い特性があり、通常は周りの景色を身体に映し、迷彩の効果で隠れている。

 討伐すると、最後に見た色が身体に映し出され、色によって価値が変わる魔物だ。

 綺麗な色で確保するのは難しいみたいだね。

 多くは頭部を隠し、比較に黒が多く出回っていると書いてあった。


 いい事が思い浮かび、試しに討伐してみる。

【ネット】で動きを拘束し、頭を布で包む。

 前方に〈レインボーシェル〉を配置し、布を取り外してから討伐。

 みるみる身体が虹色に変わり、綺麗な色で固定された。


 ふと横を見ると洞窟の入口を発見。

 ダンジョンではないが、奥に広い空洞があるね。

 人の反応は無く、数匹〈シザークラブ〉がいるくらい。

 中に入ってみると、焚き火の跡や扉が数ヶ所見て取れる。

(隠れ家かな?)と思い扉を開けて見ると、生活していた痕跡が見受けられた。

 使われていた形跡は無く、長年放置されているみたいだね。

 かなり埃が積もっている。

 最後に1番大きな扉を開けると、宝物庫のようだ。

 宝箱に入った金貨や宝石、刀剣や防具、魔道具や書籍が見つかった。


 やらかした感があり、面倒な臭いがするので、ギルドに丸投げしよう。

 ペレを呼んで経緯を話す。

 案内すると、ペレは入口を見つけられなかった。

 どうやら【隠蔽】の魔法がかかっているらしい。

 道理で放置されてた訳だ。

 オレには効かなかったようだけど、レベルが高いせいかな?


 手を引いて中に入ると、ペレが雄叫びをあげる。

「すげぇ〜〜〜、こんなの初めてだ!レンさん、探検しても良いかな?」

「どうぞ。但し、荒らさない様にしようか。調査はギルマスと相談するからね」

「判った、見るだけでも有り難い。しかし、こんな所に誰が居たんだろうね」

「海賊の住処みたいだ。でも財宝が放置されているのが解せないな」

「昔の人なら何か知ってるかな」

「かもしれないね。さて、一通り見たらギルドに行くよ」

「了解!!」

 一通り見た後、入口に目印を置きギルドへ戻る。

【隠蔽】の魔法はそのままにしておく。


 ギルマスに話を通すと、明日案内する事になった。

 昔はこの海域に海賊団がいたらしい。

 古い引継ぎ書に記載があり、約50年前は討伐依頼も出ていたと、ギルマスが覚えていた。

 見せて貰うと、突然出没しなくなり、根城を変えた可能性が高いと記載は締めくくられている。


 なんにせよ、一度見てから対応する事となった。

 残っている財宝は、オレに権利があるらしい。

 全て放棄すると言ったら止められた。

 幾ら本人の要望とは言っても、ギルドとしては体裁が悪いみたいだね。

 特に価値が高いと、強要したと疑われるそうだ。

 まあ、一度回収してから一部を寄付でいいか。

 高価な物があれば、領主様や侯爵様への献上品でも良いしね。


 もし、価値のある発見であれば、案内したペレにも報酬が当たるみたい。

 約束の報酬を渡す時、嬉しそうに話してくれた。

 オレのお陰と、お礼も言われたよ。

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